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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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信長が楽しんでいる頃、安土城では

天正二十二年(1594年)一月四日

遠江国 浜松城


「二郎三郎よ!この馬車とやら、移動しながらの話し合いも出来るな!動く家と言っても差し支えない!」


「そうですな。しかも、勝之尉の様に身の丈の大きい者が眠れるだけの幅が縦横共にありますから、これを改良していけば、


ちよっとした乗合に使って、領民達や品物の移動も早く出来そうですな!しかし六三郎殿は、馬車の元となる物を数年前に作っていたとは、


改めて柴田殿の子育てである「なんでも挑戦させてみる」は、とてつもない若者を育てる事になりましたなあ」


「まったくじゃ!じゃが、六三郎が幼い時、既に権六は織田家でそれなりの地位に居たから、六三郎にある程度は自由にやらせる事が出来たのじゃろうな」


「そう言えば、そうでしたな。それを踏まえるに、徳川家だとその様な立場の者の倅は、、、現状、居ませんな」


「はっはっは、六三郎の様な常識外れが、あちらこちらに生まれていては、戦乱の世が終わらなくなってしまうから、それで良いと思うぞ」


「それもそうですな」


「「はっはっは」」


信長が森蘭丸を、家康が井伊直政を連れて馬車で城下町を移動していた頃、六三郎達は長旅の準備の為、バタバタしていた


北条家へ領地を通る許可を貰う為の文や、里見家へ到着予定時期を伝える先触れの文、そこから信忠へ馬車を説明して材料と職人を準備する事、


高代達が1年程、浜松城で出産の為に世話になるから、

生活費を送る様に書いた文を届ける様に書いた文、


そして、長旅の間の食糧の準備や簡易的な寝所を作る為の木材等、信長率いる三千と六三郎率いる二千、合計五千が、慌ただしく準備に取り掛かっていた


信長達がそんな状況である一方、信忠達の安土城はと言うと


天正二十二年(1594年)一月二十日

近江国 安土城


「殿!大殿からの文でございます!」


「少し前に関東での戦の勝利と、北条家から割譲した新たな領地と、武田家の虎次郎改め勝四郎の元服の事と、東国の者達の慶事に六三郎と共に顔を出す事は、


ワイン樽と共に送られて来た文で知らされたが、次は何をしたのじゃ父上は?」


前年の十月までに起きた事を信忠は、信長からの文で知っていた様で、今度は何事かと身構えた。そんな信忠に長秀は


「まあまあ、殿。戦が無い状況での文でしょうから、悪い知らせではないはずです。それ程、身構えなくても良いかと存じます」


信忠をリラックスさせる為に、声をかける。長秀の言葉に信忠も


「それもそうじゃな。戦が終わった報告の文の後の文じゃからな、きっと悪い内容ではないはずじゃな」


少し落ち着いて、信長からの文を読み出す


「どれ。「勘九郎へ、関東の戦が終わってからの文で、少しばかり驚いたじゃろう。じゃが、戦関連の話ではないから、安心してくれ!


それでは本題に入るが、この文を書いたのは霜月の中頃なのじゃが、その時期には徳川家の次男の於義伊殿が元服して、勝之尉殿と名を改めた


更に、父の二郎三郎から領地として信濃国を与えられた。元服の翌日には最上出羽守の娘と祝言を挙げた


ここ迄は、織田家から祝いの品を贈るだけで良かったのじゃ。しかし、ここで喜ばしいが少しばかり儂や六三郎では何も出来ない事が判明した


六三郎の側室の高代が、やや子を授かった。霜月の中頃で、およそ三ヶ月との事じゃ


六三郎曰く、「妊娠初期に寒い中での長旅は、子が流れてしまう可能性が高く、その話を聞いた徳川様より、


安定期に入るまでは浜松城に居ても良いと言われたが、大殿からの了承を得ないといけないので」との事で儂にもこの話が伝わったのじゃが、


儂としては、二郎三郎の言葉に甘えたいと思う。そこでじゃ勘九郎!これから、およそ一年くらいの期間、儂と六三郎は東国への長旅になる


なので、高代達の側に居てやれぬ。儂達の代わりに勝三郎達を浜松城へ置いてもらえたから、何かある時は勝三郎を橋渡し役として使え!


そして、高代達と勝三郎達の生活費を浜松城へ送ってやってくれ!改めてじゃが、よろしく頼む!六三郎はいつも以上に慌ただしく動いておるので、儂が代わりに伝えておく」との事じゃが、五郎左よ


六三郎に子が増える事は、儂も嬉しい!そして、高代の身を案じてくださった徳川様にも感謝しかない!


そして、高代達は勿論、勝三郎達へ生活費を送る事も別に構わぬ!じゃが、問題は」


「「具体的な人数が分からないから、生活費をどれだけ送れば良いか、分からない」ですな?」


「その通りじゃ!流石に甲斐国に居る父上に遠江国の事は、分からないじゃろうから、誰かしらを動かして確認させた方が良いと思うのじゃが、誰か手の空いておる者は居らぬか?」


信忠は長秀に、「浜松城へ残っている人間が何人か知る為に、動ける人間は居ないか?」と質問する


その質問に対して、長秀が出した答えは


「殿。ここは権六以外の柴田家の誰かしらに働いてもらうのはどうでしょうか?柴田家当主である六三郎殿の嫁である高代殿へ、


安産祈願の品を持っていかせる事を理由に、誰かしらに働いてもらい人数を把握してから生活費を送りましょう」


「六三郎の嫁の高代が妊娠したなら、柴田家の人間を動かそう」だった。それを聞いた信忠は


「確かに、それならばおかしな事は無いな。よし、柴田家へ文を書くぞ!播磨国へ出立する準備をしておけ!」


「ははっ!」


こうして、信長が信忠へ頼んだ高代達の生活費の話が、柴田家まで広がる事になった。

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― 新着の感想 ―
そういえば、柴田家の親戚付き合いって出てなかったか。 考えてみれば勝家含めて一門が少なめだし、そりゃ子供が増えるの喜ばれるよなぁ。
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