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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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敵の自尊心?んな物知らん!

「さ〜て、準備しますか」


どうも柴田吉六郎です。戦が始まりました。佐久間玄蕃さんは、作戦どおり一当てしたあと、武田軍を煽って山道を登ってます。ここまでは順調です。そして山道の中間地点に戻ると


「皆、準備は良いな?」


「「「「ははっ」」」」


皆さん準備万端である事を確認していると


「うおおお、殿に遅れるな!」


佐久間さんの家臣の皆さんが全速力で山道ダッシュをしてます。そして、少し後ろに武田軍の足軽が同じくダッシュしてます。目測ですが、まだ五百ほどですね。


まだまだ待ちの時間です。やっと八百ぐらい。多いな。約三千だから仕方ない。


ようやく千二百くらいなので、作戦スタートしましょう


「皆、筒は持っているな?はみ出ている紐に火をつけて、武田に投げつけよ!」


「ははっ」


「放てー」


俺の合図と同時に筒が投げられた。武田軍は筒が当たって一瞬だけ足が止まる。しかし、その一瞬が命取りだ。何故なら、その筒が地面に落ちると


「ドーン。ドーン。ドーン。ドーン」


と爆破して地面を抉りながら、武田軍にダメージを与えていった。そして、そんな爆発音を合図に


「全軍反転!武田を蹂躙せよ!!」


「「「「「おおおおお」」」」」


「我々も突撃じゃ!武田を殲滅せよ!!」


「「「「「おおおおお」」」」」


山の上から佐久間軍、屋敷の奥から森軍が武田軍を挟む形で突撃を開始した


「う、後ろから敵が」


「ば、馬鹿。前からも敵が」


「うわあ」


「ぎゃあ」


「た、助け」


「ぐお」


脳筋コンビと家臣の皆さんの暴れっぷりを落ち葉に隠れながら見ていますが、「蹂躙」とか「殲滅」とかの言葉が似合うほどの戦いです。もっとも、ただ見てるだけで終わるわけじゃないんですよ


「若様。敵の大将と思しき采配を振るう者を見つけました」


物見が俺に報告する


「よし、その者の近くで此処と同じ様な場所に行くぞ」


「はは」


こうして吉六郎は、敵大将の秋山を討ち取る為に移動を開始した。そんな事を知らない秋山は目の前の戦況を見ながら愕然としていた


「な、何故じゃ!!何故、我が兵達は尾張の弱兵共に討ち取られているのじゃ!我ら武田軍は精強無比の軍勢なのに」


「伯耆守様!口惜しいですが、此度の戦は我々の負けにございます。急ぎ撤退の命令を」


「何を言う!まだ負けておらぬ!儂も前線に行く!」


「なりませぬ!伯耆守様は、殿はお館様の天下統一の為に絶対必要なお方。此処で無用な怪我をして来たる徳川との戦に参戦出来ぬ事になったら、お館様の天下取りに支障が出ます。ここは冷静な判断を」


「く、くそー!!撤退じゃあ!全軍岩村城まで撤退せよ」


「ははっ!皆、撤退じゃ!急げ!殿軍は儂が務める!殿をお守りせよ」


「佐野。お主死ぬつもりか」


「殿。拙者の様な戦経験の有る年寄りが殿軍の方が殿達の本軍を早く行かせられるのです。気にせずにお行き」


「パーン」


佐野と呼ばれた老臣が話している途中に銃声が鳴り響いたと同時だった


どさっ


「佐野!」


佐野は乗っていた馬から突如落馬した。


「頭には当たらなかったか。しかし、脇腹あたりには当たったなら、それで良しとしよう」


吉六郎達数名が火縄銃もどきで秋山を狙っていたが、当たったのは吉六郎の撃った銃弾だけだった


そんな事を知らない秋山達は


「おのれ!敵が此処まで来たか!お主ら、急ぎ突撃の準」


「なりませぬ!!殿、敵が此処まで来たと言う事は殿のお命まで奪い我々を全滅させるつもりなのです。先ほども言いましたが、


殿は武田の天下統一の為に必要なお方。此処は拙者が引き受けまする。早く撤退を!他の者達も何をしている!早く殿をお連れせよ!!」


「ははっ!殿、申し訳ありませぬ」


そう言うと一人の若武者は秋山の乗っていた馬の尻を鞭で叩く。と同時に馬が走り出した、後から若武者達も続く。そして、戦場に残った佐野は槍を杖代わりに立ち上がりながら


「尾張の弱兵共!此度の戦だけで武田が弱いと思うておるなら、それは」


「ドス!ドス!ドス!ドス!」


佐野が言い終わる前に弓矢の雨が降り注ぐ。そして、佐野は一瞬の内に絶命した。


それと同時に抗戦する武田軍の足軽も居なくなり、降伏する者だけになった。死体だらけの中、佐久間と森の両家の兵達は返り血で真っ赤に染まっていた


こうして吉六郎の初陣は、本人は首級を取らずに周りに大量に首級を取らせる不思議な展開で終わった。

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