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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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新たな家臣と年内に来る戦の準備

この作品はフィクションです、。史実と違いますので、その点、ご理解ご了承ください。

明けましておめでとうございます。昨年の大晦日に3話投稿したら、読者の方が多く居た事がとても励みになりました。出来る限り投稿致しますので、今年も宜しくお願いします。

元亀三年(1572年)二月二十日

美濃国 美濃加茂村 柴田家屋敷にて


「それでは、吉六郎様改め、若様。本日よりお仕えさせていただきまする」


「うむ。利兵衛。宜しく頼むぞ」


皆さんこんにちは吉六郎です。今月頭の直談判の結果、利兵衛爺さん家族の保護が決まったのですが、まさかの利兵衛爺さんが俺の家臣になりました。村に置いておく訳にはいかないが、


親父も扱いが分からないとの事なので、俺に「お前がどうにかしろ」と無茶振りが来た結果、本来武士だったなら家臣にしてしまえ!となったのです。


ちなみに紫乃さんは、つるさん達と同じく台所で働いてもらって道乃や三吉は、俺と同じく手習いの先生に簡単な文字の読み書きやら算術やらを教えてもらってます。


「さて利兵衛、真面目な話をするが、儂は色々な事をやってきたがまだ歳は八歳。元服もしておらぬ。


基本的に家臣のほとんどは父上と共に戦働きをするから、屋敷の中の家臣はそなたと歳の変わらぬ者ばかり。


万が一、信濃国や飛騨国の者や山賊、最悪の場合だと甲斐国の武田が攻めてくる可能性も有る。ここが破られると美濃国が混乱に陥る。そうならない為にはどうすれば良いか、そなたの意見を聞きたい」


「拙者の意見でございますか?まあ、若様が万が一を想定しているのであれば、この屋敷を難攻不落の砦の様にすべきかと思いますが、それだけでは足りませぬ」


「と言うと?」


「拙者の昔の戦経験からくる意見になりますが、どんなに堅牢な城や砦も、外の敵を攻撃する人間が中に居なければ


「貼り子の虎」と同じで敵は恐れが生まれずに、攻撃の手を止めず、やがて城も砦も陥落すると思います」


「つまり、屋敷を砦の様にすると同時に戦える人間を増やせ!と言う事か」


「簡単に申し上げるならば」


まあ、そう思うよね。戦経験ある人からしたら、攻撃目標に人が居ないなら攻撃し放題だし。ここの場合だと美濃加茂村まで含めて要塞化しないと、


史実どおり進んだら、そう遠くない位置の遠山さんの居城の岩村城が武田に落とされた場合、ここも攻撃目標になってしまう事確定だしな。


親父達は雪が溶ける前にまた摂津の石山本願寺との戦いに出陣するし。領地が多かったら戦える人も少しは増やせたのにな。こんな状況なら火縄銃が無いと厳しそう、いや厳しいよ!


「利兵衛。お主の覚えている限りで良い。お主のかつての主君の道三公は戦において、この美濃国でどの様に戦っていた?」


「拙者の覚えている限りでいえば、道三公は勝った戦においては決して平地での野戦を行わなかったですな。山の中などの密集した場所か、城攻めでしか戦をやっておりませぬ」


やっぱり戦が起きたら、そうなるか。火縄銃があれば籠城戦もどうにかなるけど、無いものは仕方ない。先ずは村を含めた国境一帯を要塞化する様、親父に話そう。

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