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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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ある意味これは戦かもしれない。

この作品はフィクションです。史実と違いますので、その点、ご理解ご了承ください。

元亀三年(1572年)二月一日

美濃国 岐阜城大広間にて


皆さんこんにちは吉六郎です。現在親父を始めとした重臣の方々のキツい視線を浴びています。おい親父!全部俺に説明させるつもりか?


胃が痛くなってきた。利兵衛爺さんの方が堂々としてるよ。やっぱりこういう場面では人生経験がモノを言うのか?そんな事を考えていると、親父達が頭を一斉に下げた。俺もつられて頭を下げる


すっすっすっと衣擦れの音が聞こえた。と同時に


「面を上げい」


声の主は殿だった。言われたとおりに上げると、殿の横に女性が座っていた


「さて、権六の倅の吉六郎よ。権六から話は聞いてあるが、そこの四人が件の面々だな?」


「ははっ。こちらの利兵衛殿、そしてその娘の紫乃殿、紫乃殿の子である道乃と三吉がそうでございます」


「ふむ。先ずは利兵衛とやら、何故、吉六郎を通じて織田家に保護を願い出た?申してみよ」


「では、恐れながら。某は元は斎藤家に仕えていた武士でしたが、今は亡き道三公の血筋を残したいからこそ、今眠りについている三吉を担いで要らぬ戦を起こさぬ為にも、吉六郎様を通じて織田家に保護を願い出た次第にございます」


「うむ。確かに筋は通っておるな。しかし、その喜平次殿の子である道吉殿が生きておる時には誰も担ごうとしなかったのであろう。


道吉殿が亡くなって幼い三吉だけが残りの男児になってからも担ぐ者は居ないのではないのか?」


「某もそう思っておりました。ですが、吉六郎様が村の安全や食糧を改善したら、不審な者が村に出入りしてきたので、事が起きる前に保護を願い出たのです」


「ふむ。吉六郎よ、お主はどうじゃ?」


(ここで俺?油断してたから全く考えてないんだけど!でも、紫乃さんや道乃の去年の状況を考えたらほったらかしには出来ないし、腹を括ろう)


「拙者は、此処にいる道乃に「道乃や三吉が無事に大人になれる戦無き世を作る」と約束致しました。戦無き世を見せたいからこそ、保護していただきたい所存にございます」


「良かろう!吉六郎、其方の心意気と覚悟に免じて、四人を保護しよう」


「ありがとうございます」


「さて、保護する事は決まった。帰蝶よ、先程から話をしたいようじゃが、して良いぞ」


「殿、ありがとうございます。では、久しぶりですね利兵衛。まさかこんな形で再会するとは思ってなかったですよ」


「帰蝶様も、最後にお会いしたのは二十年以上前の筈なのに、あの頃と変わりませぬな」


殿の横の女性、もしかしてと思ってたけど、やっぱり正室の濃姫だったんだ。まあ、帰蝶様と呼んでおこう。でもまさか利兵衛爺さんと顔見知りだったとは


「利兵衛、私も歳をとったのです。あなたが二十年近く喜平次兄上の子を守りながら生きてきた事、誠に感謝しかありません。


喜平次兄上は私の事を一番気にかけてくれた兄上です。その兄上の孫達が生きて目の前に現れて嬉しい限りです。お顔を近くで見せておくれ」


そう言うと帰蝶様は、俺達の前に来た


「あなたが道乃ですね。私はあなたの父方の祖父の妹で名は帰蝶と申します。関係で言うなら大叔母にあたりますね。こうして血縁者に会える事、誠に嬉しい限りです。」


そう言いながら帰蝶様は道乃の頭を撫でた。撫でた後、三吉を見ると、


「あらあら、この状況でも眠れるなんて、父上に大声で呼ばれても中々起きなかった兄上を思い出します。改めて紫乃、兄上の子と夫婦になってくれてありがとう」


帰蝶様、涙目で紫乃さんに頭下げてます。まあ、良かったよね。と思っていたら、俺の方に向き直って


「吉六郎。そなたが作り出した縁に感謝致します。そして、道乃との約束、ちゃんと守りなさい」


「ははっ」


俺には叱咤激励が来たけど、とりあえず無事終了だな。疲れたよ。

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