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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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見廻りに行けば驚きが待っていた

この作品はフィクションです。史実と違いますので、その点、ご理解ご了承ください。

元亀三年(1572年)一月十日

美濃国 美濃加茂村


あけましておめでとうございます。吉六郎です。親父の美濃国転勤から一年経ちました。何とか生きてます。

まあ比較的史実どおりに進んでますから、殿達織田家主力は現在石山本願寺と戦してますし、


その石山本願寺に援軍を出したい近江国の浅井は木下様が監視してるから動けない、


越前の朝倉と甲斐の武田は雪で動けない。


これは、しばらくここら辺は平和!と言う訳でもなく、去年から見張りからの報告で、村に不審者が時々居ると言う情報は上がっているけど、


表立った行動に出てないから、どうしようか分からないから親父に報告したら、「殿に文で伝える。しばらくはそのままにしておけ」と放置する事を言われました。


まあ仕方ないですよね。どう対応したらいいか分からないですから。とりあえず、村に行って見廻りしましょう。畑も気になるし


で、村に着いて皆さんと話していたら


「吉六郎様」


後ろから呼ばれたので振り向いたら利兵衛爺さんでした


「利兵衛爺、村の皆は一年前と違って顔色も良いな」


「吉六郎様が田畑の改善を行ったり、鹿や猪を退治して、その肉を食う様に推奨してくださったおかげで、皆が無事に生きております。ところで、少しお話したい事があります。吉田様と一緒に我が家に来ていただけませぬか?」


何か神妙な顔で誘われたけど、吉田のおっちゃんが一緒なら良いか


「分かった。案内してしてくれ」


そう言って案内してもらったら家の前で


「吉六郎様」


声の主は道乃だった


「おお道乃か。元気そうだな」


「はい。今日は弟の三吉も一緒です。おっ母、三吉を吉六郎様に見せたいから来て」


道乃が呼ぶとヨチヨチ歩きの幼子を連れた美女が来ました。


「吉六郎様、去年吉六郎様が食べ物を分け与えてくれたおかげで、三吉にお乳をあげる事が出来ました。感謝してもしきれません」


「そう言ってもらえたなら、こちらも嬉しいものじゃ。しかし道乃や三吉といった子供が無事に大人になれる世にするには、まだまだ道半ば。頑張らないといけないな。三吉、姉上や母上や利兵衛爺を守れる強い男になるのだぞ」


そう言いながら三吉の頭を俺は撫でた。三吉は良く分かってないだろうけど、「あい」と可愛く返事をした。それだけで去年無理をして良かったと実感出来る


「吉六郎様、そろそろ」


利兵衛爺さんの言葉で現実に戻って家の中に案内されたけど、刀槍の類と甲冑が堂々と神棚の下にあった


「利兵衛爺、随分と手入れされている刀槍と甲冑があるが元は武士だったのか?」


「はい。十九年前まで武士をやっておりました」


「利兵衛殿、十九年前なら当時の美濃国は斎藤家の領国で織田家と戦もしてない時期。その様な時期になぜ武士をお辞めに?」


「吉六郎様は当然知らないでしょうが、吉田様なら聞いた事が有ると思います。斎藤家の子息同士の内乱を」


「聞いた事がありまする。確か、家督を継いだ義龍殿が弟君二人を謀殺したと」


「その通りでございます。義龍様は自身の出生に疑問を持ち、「自身は父と血が繋がってない。いつか家督を奪われて他の者に与えようとする」と思い詰めた結果、弟である喜平次様、孫千代様を亡き者にしたのです」


「それは壮絶な事ですな。しかし、その事と若様と某にどの様な関係が?」


「実はこの話には続きがありまして、某は喜平次様の家老として政を行っておりましたが、ある日道三公から「義龍が危ういかもしれぬ。


最悪の事態が起きた時は、信濃国との国境まで喜平次の子を連れて落ち延びよ」と言われました。それが十九年前の事でございます。


そしてその一年後、儂は喜平次さまの嫡男で、当時四歳の道吉みちよし様を連れて、この美濃加茂村まで落ち延びたのです」


ちょっと頭がこんがらがってきたけど、まとめながら聞いてみよう


「利兵衛爺、もしやその喜平次殿の子の道吉殿を保護してくれ!と言うのか?」


「いえ、道吉様は去年一月に亡くなってしまいました。ですが道吉様の忘れ形見の幼子達を保護していただきたいのです」


ん?幼子達?もしやこの時代だと忌み嫌われている双子か?まあ、話を聞いてみよう


「利兵衛爺、何故その話を我々に?」


「今でも美濃国の国主が斎藤家だったら、胸に秘めたままにしておりました。ですが斎藤家から織田家に国主が代わり、


この地を家臣の柴田様が治める様になって、我々の事を最優先に考えていただいている事を実感したからこそ!


この方々なら、斎藤家の、道三公の血筋を守ってくださると思ったからでございます」


利兵衛爺さんは、そう言いながら数步後退して


「何卒、我が娘と孫達を柴田家にて保護してくださいます様、伏してお願いいたす」


娘と孫達?もしかして、と言うか確定か?


「利兵衛爺、もしやと思うが」


「はい。我が娘の紫乃が道吉様の嫁であり、孫の道乃と三吉が道吉様の子であります。つまり二人は道三公のひ孫と言う事になります」


おいおい、俺だけでは決めきれないから、親父に持って行く事決定だけど、親父でも決められない重要案件な気がするぞ?

斎藤喜平次のWikipediaを見たら生年不明とありましたので、1530年生まれとしました。

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