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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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見張りも兼ねた食材探しに出たら

天正三年(1575年)五月十一日

三河国 某所にて


「そうりゃあ!」


「おお!お見事!」


「三尺は有りそうな大きな猪を少人数で退治するとは」


「六三郎殿。家臣の方々は見事に鍛えられておりますな。これは戦においても、期待しておりますぞ」


皆さんおはようございます。現在、三河国の岡崎城近くの山で猪退治に勤しんでおります柴田六三郎です。


昨日、殿が「皆の英気を養う為に美味い物を作れ!」と言われたのですが、土地勘が全く無い三河国なので、


山道の案内を家康の小姓から、武将として一軍を率いる立場になった井伊殿達にしてもらっております


本来の歴史なら数年後に「井伊の赤備え」を率いる本人なんだけど、所謂バタフライ効果なのか、俺と一緒に行動する事が多いです


そんな井伊殿だけど、昔見た歴史小説や、戦国ゲームやらの影響で色白細身のイケメンのイメージだったけど、


今、俺の目の前に居る井伊直政は、色白は色白なんだけど、めっちゃマッチョなんだよね。ボディビルダーみたいな分厚い筋肉じゃなくて、動くのに最適な筋肉とでも言うのかな?


その事で、やんわり聞いてみたら、美濃国で経験した筋トレを頑張ったら、体重が増えて騎乗の時に馬が辛そうだから、やり過ぎない様に筋トレをしているとの事だそうで、


それを聞いた時、将来的に源太郎と源次郎が赤備えを半分くらいに分けた場合の指揮を取る場合を考えましたが、指揮官は馬に乗る方が命令を出しやすいはずだから、


その内、今やってる訓練と筋トレは新人用にしないといけないかなあ?と頭の中に出てきました。


ああ、話が逸れてしまいましたね。まあ、とりあえず今は鹿や猪を退治しながらの食材確保です。


そんな中、今日の食材探しの共の1人の源次郎が、


「若様。もしやと思っておりましたが、流石に武田の先遣隊の様な怪しい者は居ませぬな」


「源次郎。流石に武田が東海道を進むのか、中山道を進むのか分からない状況ではなあ。もしかしたら、信濃国から、美濃国を通り三河国へ来るという、


わざわざ遠回りをして我々の油断を誘う搦手な策を使うかもしれぬからな。それに」


俺がそこまで言うと、井伊殿が


「六三郎殿は武田がどの進路で来るかの予測で、その様に考えておるのですか。いやはや、用心深いと言いますか」


と、俺の気にしすぎな考えを良い様に取ってくれました。ただの安全第一なだけなんだけどな。


で、そんな会話をしながら鹿と猪を退治して、食える木の実を確保して、岡崎城に戻る道中、


「井伊殿。いきなりで申し訳ないのですが、あちらの畑に見慣れない白い花の様な物が見えるのですが、あれは一体?」


と、美濃国では見た事の無い農作物が見えたので質問してみたら


「ああ。あれは綿花です。殿曰く、「食えない物と言えど、何かしらの役に立つかもしれぬから、そのままにしておけ」という事で、あのにしているのです」


「井伊殿。その綿花、触らせていただいてもよろしいですか?」


「ええ。では」


と、いう事で、綿花を触りに行きました。そこで触ってみたら、俺の知ってる「あの」綿花でした。なので、


「井伊殿。この綿花ですが」


「何でしょうか?」


「扱い次第では、三河国、ひいては徳川家に莫大な銭を生むかもしれませぬぞ?」


「え!?木綿で衣服にする以外に使い道があるのですか?「


「あくまで、もしかしたら。ですが」

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