家臣希望者は子供
ご都合主義な展開ですが、なろう小説という事でご容赦ください。
天正二年(1574年)十一月二十五日
尾張国 某所にて
「尾張国は開かれた道が長く続いておりますな!」
「しかも田畑を耕す百姓の顔も生き生きしておる」
「改めて、武田を出奔して吉六郎様の家臣の道を選んだ自分を褒めてやりたい!」
皆様おはようございます。現在、共の3人と旅の途中で尾張国のとある所に居ます柴田吉六郎です。
五日前に国境に到着したけど、体力バカの銀次郎と新左衛門は流石に自重した様子で、移動速度は俺のペースに合わせてくれた
で、その俺のペースで歩いたら、推定ですが清洲城まで残り10キロ圏内くらいの場所に来ました。
ただ、清洲城周辺の事は記憶にあるんだけど、ここら辺は全くない!地名も当然分からない!
仕方ない、某番組の◯ーツの旅じゃないけど、第一村人に聞こう
「そこのお方」
「私の事かい?」
「いきなりで申し訳ない。美濃国から用事で尾張国へ来たのですが、此処は尾張国の何という名前の場所か、教えていただきたいのですが」
「此処かい?此処は、尾張国の中村って場所だよ」
中村って、豊臣秀吉秀長兄弟と加藤清正の生まれ故郷じゃないか!じゃあ、俺達が今いる場所は、現代でいうと名古屋市か。
じゃあ、このまま進んでも大丈夫だろうな。俺がお礼して進もうとすると
「おっ母!山から猪が来た!」
「何だい小吉!おっ父達が居るから大丈夫だろ?」
「おっ父達は山の中の鹿退治に出てる!それに、とっても大きい猪なんだ!畑を荒らしてるけど、おっ父達が戻って来ても退治出来ないかも」
また、神様は俺に働け!と言っている様だな。まあ、今回は源次郎と銀次郎と新左衛門の3人か居るし、大丈夫だろう。と思っていたら
「若様!これは猪退治の好機!是非とも退治に行きたいので許可を!」
「拙者も同じく!」
「若様!」
お前ら、体力有り余ってる様だな。まあ、俺も行く気はあったし、3人には暴れさせてやろう
「分かった!3人共、暴れて来い」
「「「有り難き」」」
「それでは、小吉という名だったか?猪が居る場所へ案内してくれるか?」
「は、はい!こっちです」
で、案内された場所で猪が畑の野菜を掘り起こして食べてました。見たところ、一頭だけなんだけど、
猪の体、俺より少し小さいくらいかな?それでも1メートル以上あるんだけど、
「領地で見た猪より少し小さいですな」
「しかも一頭だけとは」
「銀次郎、新左衛門。例え一頭でも油断したら逃げられるぞ?討ち取って久しぶりに食おうではないか」
銀次郎と新左衛門は拍子抜けした様だけど、源次郎はしっかりしててほっとした
だけど、領地の山と違って、網で動きを鈍らせる事も出来ないし、弓で遠距離攻撃も出来ないか。
仕方ないけど、この作戦で行こう
「源次郎、銀次郎、新左衛門!此度の猪退治、容易にはいかぬ。その理由は分かるか?」
「人手が足りぬからでしょうか?」
「それとも武器や道具が足りぬからでしようか?」
「土地勘が無い事でしょうか?」
「お主達が言った理由全てじゃ!だからこそ、此度はお主達3人で討ち取れたら良いが、それが無理なら、村の男手が戻って来てから共に討ち取れば良い」
「「「分かりました!」」」
本当に分かっているのか?まあ、追い払うだけでもいいか。
「若様!号令を」
「突撃!!」
「「「おおお!!!」」」
3人にのせられて思わず言ったけど、こんな場合は静かに行動した方が良いはずだよな?
俺がそんな事を想っていると
「ブオオオオ」
猪が全速前進してきた。目標は目の前に居る銀次郎だ。銀次郎は一番槍のチャンスに嬉しそうな顔をしている。
「来た来た来た!来たあ!一番槍で首戴くぞ!」
銀次郎が走りながら槍を構える。そして、
「すぅおりゃあ!」
槍で猪の頭を叩こうとした。が、猪は右に急カーブした。その結果、銀次郎の槍は猪の腰付近を叩きつけた
猪が逃げた先には、新左衛門が居た。新左衛門は舌舐めずりしながら
「だらしないぞ銀次郎!お主の尻拭いは儂がしてやる!」
そう叫びながら走り出した。猪は銀次郎の槍で叩かれたせいで、スピードが落ちている。
新左衛門は槍ではなく刀を構えながら走り出した。猪は構わず新左衛門に突っ込む。新左衛門はタイミングを合わせて
「フン!」
刀を横から一文字に振るが、猪は僅かに避けて脇腹が少し切られただけだった。その様子を見て、
「何をしておる新左衛門!猪に逃げられておるではないか!」
銀次郎が新左衛門に文句を言っているが、新左衛門も
「やかましい!それを言うなら、お主も一番槍で首を戴くと言っておきながら、逃がしておるではないか!」
言い返す。そんな2人に対して、
「銀次郎に新左衛門!言い争いしている場合か!」
源次郎がツッコミを入れる。その源次郎に猪が突っ込む
「ブオオオオ」
「来い!」
源次郎が槍を構えて待ち構える。すると、
ズザアー!
猪が何かにこけて、地面を滑った。そして、
「そうりゃあ!」
ドン!ドン!ドン!
源次郎が槍で猪の頭を叩く
「銀次郎!新左衛門!好機じゃ!源次郎の元へ行け!」
「「は、ははっ」」
そして3人揃って滅多撃ちにして、猪は動かなくなった。。
猪が死んだ事を確認すると、銀次郎は
「くそお!源次郎に美味しいところを持っていかれた!」
と、悔しがって、新左衛門も
「儂が討ち取ったと想ったのに!」
と、同じく悔しがっていた。2人の気持ちを落ち着かせる為に行きますか
「3人共、見事な働きだったぞ」
「若様。有り難きお言葉ですが」
「我々二人は」
「銀次郎も新左衛門も、儂が二年前にお主達言った言葉を忘れたか?儂はこう言ったぞ。「将の武功は兵の武功」。「兵の責は将の責」と。
此度の猪退治に当てはめるなら、お主達3人で敵大将を討ち取った武功じゃ。その中で責を感じるならば、それは儂の責である。だから、その様に自らを責めるな!」
「「若様」」
「源次郎!お主もそう思わんか?」
「若様の仰る通りです。銀次郎が一番槍で動きを鈍らせ、新左衛門が出血させたからこそ、儂は猪に一撃を入れる事が出来た。二人共、我々で討ち取った!と胸を張ろうではないか」
「そうじゃな!こんな事で落ち込んでいられぬ」
「確かに!敵の首は簡単に取れないと胸に刻もう」
2人共、気持ちが元に戻った様だな。しかし、
「ところで源次郎。お主目掛けて走っていた猪が、突然転んだが、お主何かやったのか?」
「あれは、小吉に頑張ってもらったのです。小吉!出てまいれ」
「はい」
で、小吉が木の後ろから出て来たら、手に紐を持っていました。
「成程。その紐で猪が転んだ訳か」
「ええ。銀次郎と新左衛門の腕が凄くても、万が一討ち損じる可能性も有るので、念には念を入れました」
利兵衛や水野様に鍛えられているのを、少しずつでも実践している様だな。このまま行けば赤備えが500人超えた時は、源次郎を大将に指名してもいいかもな〜
俺がそんな事を考えていると、
「あの!」
小吉が大きな声で俺達を呼んだ
「どうした小吉?」
質問すると小吉はいきなり土下座して
「オラを皆様の元で武士にしてください!強くなって、おっ母達を守りたいんです!」
と頼み込んで来た。
「待て待て小吉。武士にしてくれと言われても」
俺が一声かけようとすると
「何を馬鹿な事を言ってるんだい小吉!お前の兄は、私の弟に養子にするからと無理矢理連れて行かれて、何処にいるか分からないのに、お前まで武士になって居なくなったら」
と、お袋さんが泣き出した。ん?今のお袋さんの長男を連れていかれた話、何処ぞの歴史小説で見た気がする。もしかしてだけど、お袋さんの名前聞いてみるか
「あの、小吉の母君。お名前を教えてくださらぬか?」
「私の名前は智だよ」
やっぱり!じゃあ話の中の連れて行かれた長男は豊臣秀次で、養子にすると言って連れて行った弟は秀吉で、
今、目の前で武士にしてくれと頼んでいる子が、豊臣秀勝か。
う〜ん。全員まとめて秀吉に人生振り回されて、最終的に不幸な結末を迎えた人達か。どうしよう?




