ゼロから始める甘味作り
天正元年(1573年)七月二十日
美濃国 柴田家屋敷内にて
「さて、一通りの材料は集まったかな」
皆さんおはようございます。数日前から戦国時代版の菓子パンの中に詰める物を考えていたのですが、
ある事を忘れていました。それは、「この時代の砂糖は超高級品」である事です
それを思い出した時は、何かしらの代替品はあるだろうと楽観的に考えていましたが、
利兵衛に聞いても領内を探し回っても、「固形物の甘味は無い」との結論になったので、
夏蔦という植物の樹液から多少の甘みを感じたので、これを使って1からのスタートです
適量の樹液を鍋に入れて、同じ鍋に野苺も入れて、温めながら潰してトロみがついたら完成です。戦国時代のストロベリージャム。と言っていいのかな
で、そのジャムを事前に作っていたパンの頭の方に入れていた切れ目に入れて
「利兵衛!食ってみてくれ」
「では」
利兵衛はジャムパンをじっくり食べている。そして食べきると
「若様。これはとても美味しいです。それぞれの甘味があるものの、木の実の酸味があるおかげで、甘過ぎない味になっております」
利兵衛の反応的に大丈夫だと思うけど、他の人にもジャムパンを食わせてみるか
で、再び試食会です。先ずは何もないパンを出して
「これが南蛮人が常に食べる物か」
「麦の香りがはっきりと分かるな」
「米と違って手に持つのか」
色々言いながらも、皆食べ始めて
「おお。麦の甘味が」
「これは米が無い時は代用品になりそうじゃな」
「皆、このパオンは味は美味いと思うが、単体で食べると飽きが来るのは間違いない。だからこそ、パオンの中に詰める物も作ってみた
それを食ってみてくれ」
で、ジャムパンを出しました。すると
「おお!身体に染み込む様な程よい甘味じゃ」
「これがあの木の実を使っているとは。あの酸味が良い塩梅になっておる」
「美味い!童向けの食べ物かと思ったら、甘いだけでないとは」
反応は良いですね。これなら親父と殿に頼めば何とかなりそうだな。
でも、まだまだ菓子パンの中身を作らないと飽きられて、財政改善にならないから
次の菓子パン作るぞー!




