前へ目次 次へ 59/60 逃1(仮) 下に来あるは二人。何ら話しつつあるが、それを聞き分けられるほど集中力をそれに割くを能わず。いやに汗をかいている。 ぬ。滑る どこむ。 あやとも思う間もなく落ちた。はたと身を起こしたらば、二人のうちの片に落ちたらしく打倒(うちたお)してある。こうなればやむを得ん。 「御免」 全力で体当たりをかます。体重等が小さくなっているので、いつもより思い切りが必要だ。どうと倒してや、しかし倒しきれず。さらに悪いことに、大きな音が立った。悪態をついて、とりあえず逃げ道をさがす。