政務の合間というもの
今日のメモを分野毎取りまとめて、棚にしまう。帝国の指導者というものはその職責が多岐にわたる以上、忘れることは許されない。とは言え凡夫である自分にそれが出来るわけがない。そこで東條英機内閣総理大臣閣下の前例に基づいて、とにかくメモを書き、自分で其れを取りまとめることをすると決めた。そしてそれを毎日やっている。何分職責が大きすぎる。明日は商工省と臨時鉄道省の会合、である。
「閣下」
「おや、クリスではないか。どうしたかね?」
うん、軍服デザインは明治三十九年の代用服そのままでいいや。そして明日の会合では試製の機関車が見られるはず。時計は管轄が商工省だからここで鉄道省への融通に関してっと。
「閣下!」
「うむ?」
「あまりに根を詰めると、御体に障ります。御休みに為られては。」
「それは吝かではない。しかし、だ。今や聖戦(Heiliger Krieg)の縁へと余は、突き進むのみだ。その為には、休みなど要らぬ。余の聖戦は万余の将兵は敵の矢玉に伏し、屍は山となし、その血は流れて河を成す、そのような戦ぞ。天を突かんばかりの屍山血河。それを築いてでも勝つ。まだその為の軍は我が手にない。そしてその為の軍を手にしたなら、きっと余は、余の業に焼かれるであろう。その時まで、休むことはない。休むのは棺の中で十分だ。」
「閣下…」
「出て行きたまえ。余は、戦に備えねばならぬ。Si vis pacem, para bellum.余は、そのうち手にする将兵の後方から前線、そして死の縁まで、否、墓場まで用意せねばならぬ。これはこれまでの戦争とは違うぞ。Der totale Krieg、Der totale Kriegとなる。ならねばならぬ。出て行きたまえ。」
「はぁ。」
クリスが出ていったのを見届けて、肩から力を抜く。そうだ、屍山血河を築こうと言うなら、相応の業を負う。その為にも、休むわけにはいかぬ。だから、最初に、内患を始末せねば…
2018.4.14
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反動中共粉砕、民主化‼不忘六四天安門同志‼習近平黄熊殴殺‼




