小銃見本品試射
士官学校創設に伴う各種業務と、臨時鉄道省の用地買収への指導、兵と士官の間に居るべき下士官教育構想の作成、その他国事行為に忙殺されるなか、新型小銃の見本品が出来上がったとのことなので、それを視察する。
元々この国には銃砲の概念があった。この国だけだとも言う。火縄銃ではあるが。つかなぜ活用せんのだ。活用したら戦局がましになるんでなかろーか。正々堂々の戦いに拘りすぎだ。散兵戦とか、狙撃戦とかさぁ…
出来上がった小銃は、幕末に日本でも使用されたシャスポー銃の模倣品である。まず、シャスポー銃とはなにか。簡単に言うなら、極初期の手動槓桿小銃である。閉鎖にゴムを使用したことでガス漏れを防ぎ安全を担保したものである。フランス原産であり、そのフランスでは改造されたものが第二次大戦の時まで使われていた。まあ、欠点も勿論ある。まず、ゴムが高価な代物なのにすぐに損耗すること。そして何故か白磨きなので錆が出やすく手入れが手間。確かに白磨きの方がパレードでの見栄えは良いのだがね。この他にも様々な欠点もあるが、他に仕様がないがゆえに我慢するしかあるまい。
ずしりと重い試作小銃を手に取る。側には紙で作られた実包。本来は真鍮でやりたかったが、薄い真鍮で大量の実包を作るだけの工業力の無さから、紙で薬莢としたものになる。底部の雷汞水銀の爆粉を固定するため固く閉められている上から防湿のための漆で塗り固められている。プラスチックの薬莢のようだ。
撃針と連動する遊底後部のツマミを引ききり、槓桿を起こす。そして真っ直ぐ槓桿を引き、薬室を開放する。閉鎖のゴムが見える。ゴムと言ったが、実際はこの国でとれる類似品だ。質は低いがとにかく安い。薬室に実包を詰め、遊底を戻し、槓桿を倒して閉鎖する。鋳鉄の床尾板を肩に引き付け構える。そして引き金を引く。
軍靴で肩を蹴られたような反動と、濛々とした硝煙。まあ、黒色火薬だし、仕方あるまい。とりあえず用意された五発を撃ちきる。
「素晴らしいね、技官諸君。さて、この銃はいつになれば量産出来るのかね?」
「閣下、半年先には五百丁程に。」
「最高だ、これほどに良いことはない。直ちに取りかかり給え。」
「「「全ては帝国指導者閣下、貴方のために。」」」
2018.4.14
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反動中共粉砕、民主化‼不忘六四天安門同志‼習近平黄熊殴殺‼




