サキュバスの街より出立

　サキュバスの街を出るときには、マリア・フォン・ホーネカーの娘、エリカが加わっていた。やっぱり扱いは余の嫁。うん。行為が本来はあってしかるべきだというけれど、そこはしっかり省略させてもらった。だってさ、禁欲してるって言った次の日はだめだろうと。誰が嘘つきの国家指導者を信用し、ついてゆくのだ。居ないだろう。だからせめて舌の根が乾くまでは、続けねばならない。魅力的で、扇情的で、本当に素敵な嫁が居ても。男であることを後悔したのは初めてだ。選べないけれど。

　出発のパレードでは警護上の都合、で馬車の上だった。いいよ。これで。道に出て手を振る人も皆、サキュバスとその配偶者という。なかなかおもしろい。サキュバスがここでは上位者なのだ。男に養われるサキュバスをヒモというような感じだとか。興味深い。