巡り会い、そして。
頼んだ晩御飯は想像していたものよりとても豪華で美味しくて、お腹が空いていた私達はあっという間に食べ終えてしまった。
「何だか、こうして2人でのんびりするのって久しぶりな気がするね。ずっと学校とか仕事で会えなかったりしたから、すごく楽しいよ。」
「ふふ、私もよ。やっぱり今度の連休に予定合わせて旅行しましょう?来年まで待てないわ。」
「ふふ、私も。いつも一緒にいるけど、旅行っていつもとはまた違うし。また来年も、って言おうとしたけど、待てなさそう。」
「似た者同士ね、私達。」
「ほんと、その通りかもね。」
そう言ってにこにこと笑いながら部屋まで戻った。
楽しそうに歩くマリーの後ろ姿を見ながら、知華はそっと考えていたことを口にした。
「…ねぇ、今こうしていられるのって奇跡みたいね。」
「え?」
「だって私達一度別れて 別の場所で生活してたのに、今こうしてずっと2人でいられる環境があるのって少し前まで考えられなかったのに。マリーと別れた時にもう二度とマリーには会えないって思ってたのに、こうして笑いあっていられるから。」
「…そうね、私も考えられなかったわ。おばあさまが日本に行くのを許してくれていなかったら、なんて思いたくもないけれど…。でも、今一緒にいられるのは奇跡でも偶然でもなくて、きっと運命が導いてくれたんじゃないか、なんて思ったりもするのよ。」
「そうだね…。ほんと、不思議な巡り合わせ、っていうのかな。私、色々あったけど、マリーと出会えて幸せだよ。」
「私も知華と出会えて幸せよ。…ねぇ、知華、大好きよ。」
「私も。大好きだよ、マリー。いつもありがとう。」
「ふふ、こちらこそ、ね。」
「だから、これからも、」
「「ずっと、一緒に。」」




