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秘密の関係  作者: もっち
終章
38/46

2人の朝


マリーが思いがけないプロポーズをしてくれた夜から数日後。


「知華、起きて?」

「ん〜…まだ眠いよ、あと1時間〜…。」

「1時間は長すぎよ、まったく…。寝ているばかりの知華にはキスしてあげないんだから。」


キス、という単語が聞こえた気がして、被り直した布団から頭を出す私。

それをちらりと見て、少し赤くなるマリーはやっぱりかわいい。


「えっ、マリー、それほんと?」

「冗談よ。…まぁ、してもいいのだけど。」

「ほんとに?」

「ほ、ほんとよ?」

「じゃあ起きるね♪」

「な、何でそういう時だけしっかり起きるのよ…。」


いつもこんな感じだ。たまに起こすのが逆になったりするけど、大体は遅くまで寝ている私をマリーが起こすのが習慣になっている。


「ふふ〜、いい朝だねっ!」

「さっきまで寝てたのによく言うわ…。まぁ、でもいい天気ね。どこかに出掛ける?」

「ううん、今日は家でゆっくりしようよ。あえて出掛けないのもいいでしょ?」

「…まぁ、そうかもしれないわね。じゃあ、今日は一緒にいましょう。」

「えへへ、じゃあパジャマでいいかな?」

「着替えなさい。」

「え〜。マリーのケチ〜。」

「ケチじゃないわよ…。」


最近なんだかマリーに甘えてしまうことが多くなったけど、それは会えなかった間に膨れ上がったマリーへの恋心のせいということにしている。

そんな私を嫌がらず、逆に優しく相手をしてくれるマリーが大好きだ。


「あっ、マリー?」

「え?何かあった…ん」


ふと思い出してマリーを呼ぶ。

振り向いた彼女にそっと口づけをする。


「油断したね、マリーさん♪」

「な、知華…!もう、ほんとに…。早く着替えて朝ごはんにするわよ。」


真っ赤になりながら部屋を出て下の階に向かうマリーを、にこにこしながら見つめる。


私がマリーにいたずらした時に見せる、あの真っ赤な顔が好きだ。マリーをいじるのが好きとか、私はそろそろ重症なのかもしれないけど、マリーにだったらおかしくなってもいいと思う。

だって、私はこんなにも彼女が好きなのだから。

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