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クリスマスパーティー(イブです)

「司、もう七時だ。腹が減ったよ」

「もうそんな時間か」


 チヒロに声を掛けられるまで、ずっと料理に夢中で気が付かなかった。何しろ今日はクリスマスイブだ。盛大にクリスマスパーティーをしようと腕によりを掛けて夕食を作っていたので、時間感覚が麻痺していたようだ。


「丁度良かった。たった今できたところだ」

「私、お皿運ぶの手伝うわ」

「私もお手伝い致しますわ」


 カオリとヨウコがにらみ合いながら言う。


「おう頼んだ。あと喧嘩も程々にな」


 前見ずに歩いて料理を落とされたらたまったもんじゃない。


「よし、準備も終わったことだし」


 全員うなずいてグラスを持つ。


「メリークリスマス!」


 全員がグラスをぶつけた。……なんか違う気もするけど。


「それにしても何で日本人ってのは前日イブに盛り上がるんだろうな。外国人は門松の代わりにクリスマスツリーを飾っているというのに」


 本来、クリスマスはイエスの誕生日である二十五日にやるものだと思うのだが。

 俺の疑問にカオリが答えた。


「準備に盛り上がっていざやるとなると面倒になるっていうやつじゃない? よく分かんないけど」

「そういうもんか」

「そういうものよ……ん? ねえ。みんな。見て、窓の外!」


 カオリに促され、窓の外を見ると、雪が降っていた。ぱらり、ぱらりと粉雪が冬の夜空から舞い降りる。


「おお、雪だ」


 俺が窓を開けて、外を見ると、地面にうっすら白い絨毯が敷かれていた。


「ホワイト・クリスマスだ」

「ああ、なんともロマンチックな響きですわ」

「本当にな」


 この時期の雪とは何分珍しい物ではない。

 しかし、妙な気分だ。

 いつもと違い、こいつらが近くにいるだけで、この聖夜に降り積もる雪はまさしく、俺にとって史上最高のクリスマスプレゼントであった

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