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 ○~○~○~○


 同日同刻 某所


 大量のモニターがひしめく暗い部屋の中、冷房や機械の動作音よりもひときわ目立つキーボードを叩く音を止めた一人の少年が隣に座る初老の男性に向かい報告を開始する。


 「博士、島内にて七罪結晶コードネーム《色欲》の沈静化が確認されました」

 「動き始めたか…………」

 

 初老の男性は動じることなくそう返す。

 少年は再びキーボードを叩き、男の持つ端末にデータを送信する。


 「今回行われたと思われる戦闘のデータを《色欲》から回収しておきました。随時送信されてくる他の結晶のデータも一緒に添付しておいたので確認しといてくださいね?」

 「ああ…………………」


 あまり多くを語らないのか、口数の少ない男性は、手元の端末を匠に操作し、ポップアップさせたウィンドウに表示されるデータを眺める。ふと男は流れる画面を止め、あるデータを見やる。


 「………………これは?」


 男の問いかけに対しニヤリと笑う少年。


 「不思議ですよね?ほんの一瞬だけ《色欲》の反応が二つになってたんです。いったいどんな魔法を使えばこんなことになるのか」

 「調べておけ…」

 「はい♪」


 男の指示に嬉しそうに返事をする少年は再びキーボードに向き合い、カタカタと音を立てながら作業を開始した。


 「あっ!博士!もう一つ。契約者の方にも目を通しといてくださいね?だんだんと彼積極的になってきてますから」

 「ああ………」

 「今所持している七罪結晶は《強欲》《嫉妬》《暴食》。彼もまた異常ですね。あれだけの数の結晶を同時に操作できる人間がこの世に存在するなんて考えられませんよ♪」


 また少し気分を高揚させる少年。嬉しそうに語る少年の横で男は一切表情を変えず男は言う。


 「あいつは特別だ…………いや、特異といったほうがいいか………」

 「お知り合いだったんですよね?いいんですかこんなことさせて?」

 「使えるものは最大限利用する………。彼もまた私の目標への足がかりだ………」

 「さすがは博士♪ゲスいですね♪」

 「ようやく完成するのだ……アレが………我々の最高目標……《原罪》が…………」

 「博士久しぶりおしゃべりですね♪テンション騰てます?」

 「…………………」


 男はそれ以上語ることもなく少年から送られてくるデータに目を通し続けた。


 ○~○~○~○

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