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 『はぁぁじまりましたァァ!!本日の|《寮間闘技》《りょうかんとうぎ》!本日も司会を務めさせていただくのは私、朱雀寮3年須鴨(すがも)、実況は同じく朱雀3年今市宗吾(いまいちそうご)がお送りします!!』


 てなわけで会場である。

 各寮対抗試合で使った校舎棟最大の大型闘技場ではなく、生徒用に当てられたイベント用闘技場、正式名称《校舎棟第四特殊闘技場》である。

 寮間でおこったトラブルなどを解決する際に一番手っ取り早い手段として力量の差を示すというものが有り、お互い抽選で選ばれた選手同士を戦わせ勝利側がその後の交渉の主導権を握れるというなんとも実力主義な話だが、そういった時に使われるのがこの闘技場だ。



 観客席は大量の生徒に埋め尽くされ立ち見が出るほどになっている。熱気というのか、応援に熱が入っている。


 暗黙の了解2として、この《寮間闘技》中は闘技場内で選手以外の生徒の一切の戦闘を禁ずるというものがある。破った生徒がいればその後それはそれは恐ろしい目に遭うとか合わないとか。

 もちろんこういう神聖な戦いの場でほかの生徒が乱闘を起こさないために観客席は五分割されていて各寮に振り分けられている。しかしそれでも結構空気がピリピリしているものなのだ。一触即発、まさにその言葉が似合いそうな会場だ。


 『選手の紹介!!本日のカードは玄武寮2年仲俣悟(なかまたさとる)VS蒼龍寮1年磯山保堂(いそやまほどう)!選手入場!』


 司会のスガモといったか?彼の掛け声により闘技場の両サイドから二人の男が入ってくる。椋が各寮対抗試合の時に来ていたようなそれぞれの寮のユニフォーム、玄武は忍装束のようなシュッとしたモノ、蒼龍は剣道の道着のような、いや武士っポイといったほうがいいだろうそんな感じのユニフォームだ。なんで麒麟のはあんなにダサいんだろう……と素の疑問を抱きながら会場の中央に目をやる。

 

 『では、カウントはいります!!』


 そんな須鴨の掛け声にリンクして会場のモニターが全て瞬時に切り替わる。

 表示されているのは数字、5から始まり4……3……とその数字を着々と減らしていく。

 1……0と数字が消失するとともに、須鴨がさらに叫んだ。


 『決闘開始!!』


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