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16

 ようやく会場の雰囲気がレクリエーションの前のように賑やかになってきた。

 真琴はまだ眠ったまま会場の端っこで沙希とともにいる。

 そんな中、再び船内放送が流れる。

 【約束通り、これより優勝チームへの報奨の授与を行います。チーム27は代表者を一人決定してください。1つだけしかかなえることはできないので慎重にお選びください。】

 とのことだった。

 椋、沙希、契、懋がそれぞれ顔を合わせる。椋は今回のレクリエーションで一番の功労者、真琴を代表として選ぼうとしたのだが、あいにく彼女は爆睡中だ。

 次に一番多くの敵を倒したであろう懋を代表者にしようとするが、


 「俺にはそんなの必要ナッシング!」


 と簡単に断られてしまった。

 結局はみんなが遠慮をしあい、最後の一人を倒したという押しつけがましい理由で椋が代表となった。


 と、なんだかんだ言いながら椋は戦闘中に代表者に選ばれた時の一つだけの願い事を決めていた。

 皆の方を見て頷き、椋は学校側に届いているかわからないが、その場で叫ぶ。


 「俺の願いは!!」


 その声が会場に響き渡り、一気に会場が静まり返った。


 「俺のかなえてほしいことは!入学後、このチームのメンバー全員を同じクラスにしてもらう事です!」


 沙希達の顔からつい笑顔がこぼれる。椋もこの時、これが最高の願いだと確信した。

 眠っている真琴でさえ、その表情に笑みが見られたような気がした。


~〇~〇~〇~〇~


 「まったく。まさかこんなレクのためだけに早朝から呼び出されたのか……」


 そんなことをぼやきながら、椋が会場に置かれていたミートスパゲッティを手に取る。


 「優勝者が何言ってるんだか」


 と沙希がその横に置かれた ペペロンチーノを手に取る。


 「ペペロンチーノとは邪道な!やっぱりパスタはミートソースだろ!」

 「椋はペペロンチーノの魅力を知らないだけだよ!私に言わせればミートソースなんて王道すぎてだめだめ!」


 椋と沙希が火花を散らす。

 と二人のスパゲッティ論争に無理やり契が乱入する。


 「僕はここであえてカルボナーラをおすすめするよ!このソースの絡みぐ……」

 「「契はだまってって!!」」


 と二人に同時に責められた契がしょんぼりしながらカルボナーラに手を伸ばし、イスに座りながら一人でカルボナーラを食していた。

 

 「まぁそう落ち込むなって契っち!」


 と懋が契の隣に座り励ますように懋が言う。


 「俺も好きだぜ!カルボナーラ。」

 「ボンゴレパスタ食べながら言われても何の説得力もないよ。」

 

 そんなくだらない会話を続けていると時刻はもうすぐ10時になろうとしていた。





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