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13

 そうこうしている間にもう六回目の更新メールがくる。

 残り人数117人、34グループ。

 まだ開始から20分とたっていないのに思っていたより人数の減りがはやい。

 

 五回目の更新では156人ほど残っていたはずだ。3分間で何があったのか気になるところだが、今は自分達の戦闘に必死だ。


 ここまで椋、契、沙希の3人が敵が侵入してきた瞬間に可能な限り撃退して来たが、すでに椋の足の光輪はそれぞれ1つずつまで減ってしまっている。

 このままのペースで人数が減ってくれるとは決して思わない。

 もうしばらくしたら停滞状況に入るだろうと椋達は予想していた。


 「このままのもつと思うか?」


 椋の疑問に真琴が答える。


 「アンタの能力切れのタイミングによるかな…。その手の光輪を足に移動できたらいいんだけどね…」


 と椋の全身を見渡す真琴に、


 「できないことはないんだけどね…。これが痛いと言うか、身体的に結構危ないらしくてさ、フールは『オマエの身が危険にされされて、どうしてもというときしか使わない』って」

 「アンタの能力って意外にリスキーよね…」


 そんな話をしているうちに再び3分という時間がたち、五人のケータイに更新メールが届く。

 メールを見る椋からため息が漏れる。

 残り人数は112人、残りグループは31、先程の更新に比べてはるかに減りが少ない。

 さすがに疲れが見えてきた椋、沙希、真琴、契だが、懋だけは能力も発動せずにただ突っ立っているだけだった。


 「たぐっち!!アンタ次の敵の相手してくれない?」


 この中で一番疲れているであろう真琴が、必死に声をあげ懋に言う。

 彼女は懋がサボっていたわけではないと知っていた。他の三人の行動が早すぎるために、援護の必要がないと判断し、体力を温存していたのだ。


 「まっこっちゃんの頼みなら聞かないわけにいかないな、っと。皆は寝といていいよ!!」


 軽いテンションで懋がそういうと、真琴以外の三人が緊張を解いたようにその場にしゃがみこむ。

 特に懋の能力を見たわけではないが、真琴が太鼓判を押すほどだ、実力はあるのだろう。そう思っての行動だった。

 

 そのまま11回目の更新通知届くまではパーティー会場は静けさに包まれていた。


 「おかしいわね…」


 真琴がボソッとつぶやく。しゃがみこんでいた沙希が状態を起こし、彼女のもとに向かい何がおかしいのかを確認しようとする。


 「どうしたの?」

 「さっきから人数の減りが異常なほど少ない。さすがに15分もたってるのに接触が一切なしっていうのはあり得ないと思わない?」


 と、言うと同時に、真琴の顔が青ざめていく。

 

 「えっ…何よこれ……20…いや30。もっといる!」


 床に突っ伏していた椋も外からの足音に気がつき、からだを起こす。

 横に座っていた契と目くばせをし、大きく頷いてから立ち上がろうとするが、それを止めるかのように懋が言う。

 普段と同じしゃべり方なのに、普段の彼を感じさせない。そういう周りを安心感に包んでくれるような声で懋が言った。


 「休んでていいって言っただろ?今日俺がやるべきことは一つ…。今日の勝負に勝つことだ!」

 

 

 

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