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輝復活

目が覚めるとそこは見たことの無い天井だった。


白くそして綺麗な天井に輝はどこか分からない恐怖心が生まれたが周りを見るとすぐに安心に変わる。


輝の来ていた服が病院の入院着なのだ、そしてベット。


窓の外を見ると辺りは何も代わり映えのない昼間だ。


ちゅんちゅんと鳥が鳴き太陽が赤く燃えている。


「あれ、俺...あそうか」


やはり安心はできたがなぜ入院しているのかまでは頭が働かなかったが左脇腹に痛みがズーンと生まれたせいで全て思い出した。


少し体を起こしてみたがやはり痛い。


だが体を前に起こせたという事実がまず嬉しいことだ。


「にしても綺麗な部屋だな...あれ?美神...」


輝が辺りを見回すと自身の右足にしがみついている形でスヤスヤと眠っている可憐な少女が居た。


目を腫らし泣き疲れたのか眠っているのだ、いつもの美神ならありえないが突然の自体なため我忘れの行動をしすぎた反動が来たのだと輝は推測できた。


よく見ると服装など前見た時から変わらず輝の右側に配置されているサイドテーブルにあるリンゴが綺麗だったりとでここで懸命に輝が起きるのを待ってたという事実も推測できる。


「慣れねぇ行動して...まぁそれは俺もか...」


輝ははぁと一度ため息をつきながら美神の頭を撫でた。


美神の頭はトリートメントなどを使っているのかとてもふわふわで気持ちが良い、髪質もサラサラとしていてこんな状態だが我を忘れ触れるくらい魅力的な髪だ。


そして輝は1度ハッとして手を離した。


だがまだ美神は寝ている。


「はぁ、危ない...あともう少しで危ないとこまでいってた...」


そんなことをしていると美神が徐々に意識がよみがえってきている。


目を擦り「うぅ」と小さな呻き声を上げ目を開けた。


最初は寝ぼけたような顔で輝をじっと見つめたが、やっと現実だとわかったのか急に目を見開き


「輝!輝なの!目を覚ましたの!?」


突如輝に美神は飛びついてきたのだ。


その行動で輝は頭が真っ白になったがまだまだ美神の進撃は続く。


「輝...うぅ...輝ぃ...私のせいで...ごめん...ごめん...ごめん...ごめんなさい...ごめんなさい」


「泣くな...美神は何も悪くない...あいつに何があったのか知らないが少なくとも美神には関係ない...だから自分を責めるな」


美神は輝の胸の中でずっと謝罪と涙を流していた。


輝の入院着がベトベトになるくらいまで、なんなら入院着を貫通するくらいまで美神は大量の涙を流した。


いつもの美神とは違う、いつものように弱味を全て隠し通す美神などここにはどこにもない、あるのは年相応の恐怖心を持っているただの少女だ。


そんな美神を輝は擁護欲が生まれたのか子供をあやすように背中を叩き頭を撫で続けた。


「うぅ...ごめん...うぅ」


「大丈夫...美神は悪くないよ...」


輝は子供を励ますようにそして割れ物を扱うくらい繊細にその身を扱った。


(ほんとこうして見るとただの女の子だな...ごめん...美神)


.................................


やっと冷静になったのか美神は恥ずかしさが生まれたらしくさっきから輝と目を合わせていない。


ずっと輝の反対側を向きながらガタガタと震えている。


「美神ー、大丈夫...誰だって怖いよあんなことがあったら...俺だって怖いよ...だから美神のことはバカにしないからこっち向いて欲しいなぁ」


輝がそう言うと少し美神が輝のいる側に顔を向けた。


予測通り目が泣き腫らしているせいで真っ赤だ。


輝は美神の泣き腫らした顔を見ると輝自身の弱さが酷く感じしせられた。


もう少し早く動ければもう少し強ければ、もう変えられない内容だが後悔ばかりは産まれてくる。


「...少しだけ...だよ...今じっと見てしまったらまた私...泣いちゃうから...」


美神の声は泣き止んだとは言えどもまだ震えている、いつ泣いてもおかしくなさそうな声だ。


「大丈夫...俺は元気だよ...そうだ...こうすれば」


輝は美神の肩を自身の体に思いっきり引き寄せた。


「きゃ」と小さな悲鳴をあげると美神と輝の体はくっついた。


今度は輝から美神に抱きついたということなのだ。


美神の体温や凹凸、体の柔らかさなどが全て肌見に感じられた。


美神はと言うと豆鉄砲を撃たれたような顔をしている。


そして現実に戻ったのか猛烈に美神の体が熱くなってきた。


顔も耳まで真っ赤に染っているためよっぽど恥ずかしいのだろう。


「...悪い?...恥ずかしいからあまりじっと見ないで欲しい...」


「ごめんな...でもこうするしかないんだよ...我慢して...」


輝はそう言って美神とのハグを合法化させた。


美神の体も輝の体も熱く、お互いがカイロのような扱いになるためこの部屋にクーラーが無ければ2人とも熱中でお世話になりそうになったがギリギリで押さえ込んだ。


..............................


5分間近く2人で体温を分かちあったがその後熱中症気味になったのは言うまでもない。


2人の自業自得の結末だ。

ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

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