日常
体育祭の決定が知らされはや1日。
辺りは大きなイベントが近いおかげか休み明けだと言うのに気が引き締まっている。
そしてイベントあるあるの団結感も徐々に生まれ始めてきた年頃。
だが輝の生活には全く変化というものはなかった。
元々学校でも普通の立場にいるためあまりイベント事での変化というものを感じにくいのだ。
今日も輝は普通の一日を生きる。
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輝はいつものように沙也希と浩史の3人でご飯を食べていた。
だが今日は珍しく輝は生姜焼き定食では無い、沙也希と同じラーメンなのだ。
「豚がないとはとんだ不幸だよな...にしてもダブルラーメンで俺だけハンバーグ...」
浩史はハンバーグを貪りながら輝と沙也希を見つめた。
今浩史以外は全員ラーメンなのだ、そのためか浩史は心狭い思いをしているらしい。
「まぁたまにはこういうのもありだね輝」
「確かに美味いしな、沙也希が毎日食えるわけだ」
輝と沙也希はお互いラーメンをすすりながら話していた。
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少し変わったルーティン。
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このまま輝の生活は代わり映えなく過ごせると思っていた。
しかし現実は............
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輝はいつものごとく駅に向かっていた。
いつものように帰る時刻は人が多い。
会社終わりの人やら家族連れやらで駅の近くはごった返しの状態だ。
だが今日は何か違う。
何か...
「あれ?美神?どうしたんだ」
駅のコンビニの前で馴染み深い特徴のある髪の毛をした可憐な少女が居た。
誰か待っているようなそんなオーラがしている。
だが道行く人が2度見するのを少し不満がっているシーンも多々見られた。
輝が声をかけると美神は待ってましたと言わんばかりに振り向いた。
「待ってたのよ...ペン...これ」
美神が肩掛けカバンを漁るとそこには赤ペンがあった。
もちろんその赤ペンは見覚えのある品だ。
「ペンって...あぁそれ俺のだな...わざわざゴメンな」
輝はそう言うとペンを受け取った。
確かに今日輝が美神に貸したペンだ。
「というかわざわざごめんな」
「いえ、私が忘れていたのが悪かったのよ、じゃあ私は帰るわよ」
美神はカバンのチャックを閉め輝の歩いてきた方向へ歩き出した。
その姿はよく見る後ろ姿だが今日の輝は何かその姿が落ち着かない。
何故だ。
「!?危ない!」
輝は突如走り出し美神を突き飛ばした。
距離はそこまで長くないため走ったらすぐに間に合うくらい近い。
もちろん美神もだが周りの人も驚きの目をしていた。
だがそんなこと気にする余裕なんてものは後の感覚で全て無に帰ることになる。
「うぐっ...が」
右脇腹に何か刺さったような痛みがある。
何か鋭利なもので突き刺された感覚が...
「輝!大丈夫!輝!」
「か、カッターナイフか」
輝は刺された方向を向くと季節感無視の黒いパーカーを来て、フードを被っているため顔も見えないような服とカッターナイフ独特の黄色が見えた。
これでカッターナイフで刺されたということが一瞬で理解出来た。
服装も怪しさ満点なためもっと早く気がつけば良かったと輝は呑気に思っていた。
美神が叫んでいるが徐々に痛みを感じてきたのと同時に気も遠くなっていく。
足に力が入らず今は何とか正座もどきのような体制て座っている。
輝は懸命に脇腹を抑えるがその血は止まることを知らない。
初めて感じる、死と言うものを。
「お、俺はお前を...殺すつもりは...あいつを...美神を殺すため!」
「美神を...ころ...す!」
遠ざかる意識の中この言葉だけは聞き取れた。
何も罪を犯していない美神が、なぜ?疑問しか浮かばない。
「...おい...美神を...なんだって?」
輝は立ち上がった、脇腹を防ぎながらゆっくりとゆっくりと立ち上がる。
その目にはいつもの輝は無い。
あるものはゴミを見る目だ。
「おおおあ、俺は何も...悪いのは一真なんだ、俺の人生を狂わせやがって、なら俺もあいつの人生を...」
「喋るな...耳が腐る...そんな理論が通じるか」
輝は脇腹を抑えながら遠ざかりそうな意識の中言った。
周りも驚きのあまりか声も出ていない、みんな輝の姿をただ映画を鑑賞するかのような集中してみている、美神もさっきからフリーズ状態だ。
だがその刺した男は先端が血に染ったカッターナイフを持ちながらガタガタ震えている。
その震えのせいか声も震えている。
「だ、だってあいつは」
「俺もよーくわかるさ、一真の性格は...だがそれがどうして美神を殺す理由になる...もしこれが羅生門なら俺はお前を突き刺していたぞ...」
輝の声は通常よりもドスが効いていて美神は怯えのせいか小刻みに体が震えている。
普段は呑気な様子を出している輝があそこまで大人に立ち向かえる姿、いつもの輝を見ているからこそかっこいいなんてより恐怖が勝ってしまったのだ。
「俺は美神と友達だ、最高のな、だから友として...美神を守る!うぐっ!」
叫んだせいか輝は刺された傷からさらに激痛が走った。
だがまだ足を下ろさない、まだ立つ、もう足は力がほとんど入らない、入れようとするものなら激痛で失神してしまいそうだが輝は立っている。
その後カッターナイフの男の後ろから男数人の叫び声が聞こえる。
「警察だ!殺人未遂容疑で現行犯で逮捕だ!」
内容的にも警察官だ。
これで無事だと気がつくと輝は...
「これで...何と...か」
ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)




