決断できないまま望む日常は埋もれる
2chの名言から取ってきました、ちなみにこの後でカスになるなという言葉もワイには響くなぁ
美神は校門で待っていた。
輝の帰る用意があまりにも遅かったため校門で待つことにしたのだ。
「悪い悪い・・・プリント探してたらもうこんな時間で・・・」
輝は半分申し訳なさ半分笑いのような笑みを浮かべながら美神の元に来た。
美神はそんな態度の輝にため息をこぼすがそこまで最悪な気分では無い。
「まぁ良いわよ・・・で、コンビニよね?行きましょう」
「そうだな・・・この近くのコンビニでいいよね?」
「まぁいいけど・・・というかコンビニって商品会社ごとで大きく変わらなく無い?」
美神の家柄や性格上コンビニの利用回数が少ないのは鈍感な輝でもわかっている。
そのためこのような考え方になってしまうのは無理は無い。
「以外に違うものなんだよね・・・ラーソンは唐揚げが美味しかったり、フィミマはチキンが美味かったりと色々と違うんだ・・・」
「へぇー、使わないと思うけど一応覚えてあげるわ・・・」
「そりゃどうも」
美神の態度が元に戻りつつある。
少し戻りつつある態度に輝は微かな安心感を覚えた。
そんなことを思っているともう美神は進もうとしていた。
「何をぼーっとしているの?早く行こ?」
「そうだな」
美神がクルッと周り輝を見つめた。
その瞳は疑問を大きく含んでいる目だ、何をしているのか?と言いたげな瞳で見ているため軽い焦燥感を与えてくる。
しかしその少し怖さがある表情とは裏腹にワクワクを隠しきれていない子供のような可愛さがありその声が輝の中に響く。
ニヤニヤを隠しながら輝は美神の元へゆっくりとその足を前に歩きだした。
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コンビニに向かう道中、あたりは時間も相まってかとても静かだ。
鳥は鳴き車の音は遠くからしか聞こえない。
静かで落ち着ける時間だ。
しかしこの静けさが逆に輝と美神を気まずくさせる。
いつもなら無駄話が多い2人だが改めてこういう場面には2人はとても弱いのだ。
「・・・輝・・・」
「どうした?美神・・・」
この静寂を破ったのは美神だった。
輝は美神の方を見ると顔的にも何か聞きたいと暗に訴えに来ている目だ。
「前に聞けばよかったわ・・・なんで私なんかを助けるの・・・」
なんとなくだが予測はついていた。
美神からこの話を聞かれるのは遅かれ早かれあると思っていたので特別焦りはしない。
そのため輝も落ち着いて話せる、軽く息を吸い込み話す体制を整えた。
「2人を守りたい・・・それ以外に理由はないよ・・・」
「でもどうして!今輝は世界的な大企業の社長と戦争状態なのよ・・・もしこの話を改変されて世に出されたら間違いなく輝は終わるわ・・・社会的に、世界的に・・・どうしてそこまでして・・・」
もちろん美神の言うことは全て正しい。
一真にはこれらのことが全てできる立場にいる、一真の言葉ひとつで簡単に輝の人生、輝の家族の人生全て壊すことだって可能だ。
そこまでして美神を守る理由が美神には分からないのだ。
しかし輝は美神が思っていた反応とは180度反対の反応を見せた。
余裕の笑みだ、そこに多少不安はあるが美神が思うほどの不安は背負ってなさそうな顔だ。
「確かに全て終わらされる・・・それでも一真の信じる正義を俺は否定したい・・・そのために俺はこの決断をした・・・そりゃ怖いよ・・・でも決断すらできずに後悔する日々を送るくらいなら決断して後悔したい・・・」
だがそう言った輝の瞳はどこかおかしい。
「それ嘘でしょ・・・」
美神はカマをかけてみた、真正面から聞くのが怖いのであえて遠周りな感じで聞いてみた。
そう言った美神の言葉に輝は笑えるほど反応していた。
目が美神の方向ではなく明後日の方向を向いて少し口がもごついている。
「・・・バレたか・・・やっぱり美神には敵わないよ・・・そうだよでも嘘と言われれば嘘だが・・・本当かと言われれば本当でもあるよ」
「それってどういう・・・」
「うーん、まぁ半分嘘半分本当な感じで聞いてて・・・まぁさっきの理由もそれっぽい適当な理由つけて自分を正当化させようとしていた自分のエゴもあるけどね」
美神は輝の相変わらずな性格に少しため息をこぼした。
でもそのような性格がどこか美神を落ち着かせてくれる。
美神も変わったのだ、この数ヶ月の間で。
完璧を追い求めていた自分の真反対の性格、完璧ではなくどこか適当さがあら性格。
その性格は今までの自分に右ストレートをぶちかますくらいの衝撃だった、根本的に今までの性格を否定された気分だった。
しかしこの出会いがなければきっと何度も打ちのめされてその度に心を壊しかけていたのかもしれない。
そう考えれば輝との出会いは・・・
(そうか・・・私こんな性格の輝だから・・・)
そう考えれば考えるほど輝という存在が本当の「光」に見えてきた。
ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)




