終わり時々始まり
ついに迎えた沙也希の家突撃日。
輝と美神は沙也希の家に行くため輝の家の近くの駅で待ち合わせした。
輝の家の近くの駅はかなり人通りが多いためそれになお狭いのもあり見つけるのに苦労しそうだ。
輝は駅の改札口が見えるところに立ちながら待っている。
(なかなか来ないな、前は確かに色々な人達と一緒に来たからな、覚えてるかな?)
少し不安が湧いてきた。
だが
「なんだこの美女は?」
「こんな人近くに居たっけ」
「というかまず日本にいるのか?」
どうやら来たみたいだ。
周りがガヤガヤしている。
「輝!待ってくれてたの?」
もちろんみんな美神のことを見ていたのでいきなり輝に話しかけると視線は自動的に輝に向く。
(あいにく俺はそこまで目立たない主義なのでね…こういうの苦手なのよ)
かなり居心地の悪い視線がずっと輝を差す。
だがそれに気づかない美神は輝の手を取り駅の外へ連れて行った。
顔は早く早くと言わんばかりの顔だ。
「輝何ぼーっとしているの?早く行かないと間に合わないわよ!」
「スマン…じゃ行くか」
駅の時計を一瞬見てみると確かに美神の言った通り待ち合わせの時間に近い。
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沙也希の家に着くともう家の前で待ってくれていた。
輝は沙也希を見るや否や走り出した。
「ありがとうな!今日は」
「前のお泊まりのお礼となれば・・・でも一つだけルールがある」
沙也希は真剣な眼差しで輝を見つめる。
輝はなんのことかだいたいわかっている、茜の事だ。
「・・・俺は前にも言った通り保護しているって言っただろ、もしそのことを通報、もしくは不利になるようなことを言えば即追い出す・・・これが条件だけど」
いつもの沙也希とは思えないくらい言葉が強く迫力がある。
輝もそれだけ大事なのは承知の上だ。
「・・・で、美神さんも来てるの?」
「いや、気になるって言ったから・・・一応あの子のことも伝えたよ、変に驚く様子とかはなかったよ」
この輝の言葉は嘘半分事実半分できている。
実際美神は気になっているのは事実だ、だが驚いてはいるのでその点だけは小さいが嘘だ。
「できる限り他言無用って言ったはずだが・・・」
「その点は本当にごめん!俺の様子が怪しかったみたいだ・・・それで聞き出されたって感じだ」
輝は自分でもびっくりなくらいうそをはきまくった。
(だってフードコートで見かけたなんて言えるわけないじゃん!)
フードコートに居たということはここで言うと混乱になりそうなのであえて使わなかった。
だが今回は自分の保身に走り出したのは輝自身悪いと思う。
「・・・まぁ良いよ・・・輝も割とわかりやすい性格しているし」
「ありがとう・・・」
本当に良い友達を持ったなと自分で褒めたくなるくらい人間の鑑な性格の沙也希に驚きと感謝の気持ちしかない。
「とりあえず家に入ろっか・・・美神さんも」
そう言うと沙也希はアパートの入口の方へと向かった。
沙也希について行くように輝、美神も歩き出した。
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沙也希が鍵の閉まっていないドアを開けるとそこには輝には見慣れた景色がある。
だが前見た景色とは少し違う要素が今ある。
「こんにちは・・・この人たちが言ってた・・・!?」
そこに居たのはマヤだ。
椅子に座りながらテレビを見て麦茶を飲んでいる。
かなりくつろいでいる体勢だ。
だがマヤは氷川の後ろにいる人を見ると顔を固めた。
このことによりさっきまであった説は完全に事実となった。
「・・・やっぱり、茜なのね」
「お姉ちゃん・・・」
美神は落ち着いた様子で茜にそう話した。
茜も少し落ち着いたのか声を漏らす。
「・・・輝!どういうことだ!?」
もちろん沙也希は美神と茜が姉妹なのは知るわけが無い。
そのため輝に縋るように聞いてきた。
「・・・美神とマヤ・・・いや茜は・・・姉妹なんだ」
輝自身もやはりこの場を覚悟はしていたが焦りはある。そのため声が途切れ途切れになってしまう。
輝の言葉を聞くと沙也希は顔が一気に変わった。
さっきまでは必死な顔だったが今は少し落ち着きを取り戻したような顔だ。
この時まだ無言の時間が流れている。
生活雑音や、時計の針の音しか聞こえないかなり気まずい空間。
「・・・マヤ・・・本当のことを教えてくれ」
「・・・ごめんなさい・・・騙すような真似をして」
マヤは沙也希に謝罪の意を込めて頭を下げた。
しかし沙也希は満足していない顔だ。
「頭を上げて、俺は怒るつもりなんてサラサラないよ・・・ただ知りたいんだ・・・君のことを」
沙也希はマヤの元に優しく駆け寄ると頭を撫で始めた。
マヤを落ち着かせるための沙也希オリジナルの技だ。
ついに始まった再開編。
この生活は終わるのか?
それとも・・・
ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)




