友達時々監視
時間は戻り。
沙也希、要、渚、浩史は輝、美神の2人の動向を見守っていた。
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沙也希は輝の動向を後ろ側から優しい目で見守っていた。
(2人とも楽しそうだな・・・輝も・・・美神さん、初めての顔が多いね・・・さぞ楽しいんだなぁ)
美神が今までに見た事のないくらい笑顔の笑みで笑いながら歩いている。
隣にいる輝も満面の笑みなので見ている沙也希も楽しめた。
「で、二人を見て何がしたいんだ浩史?」
沙也希の隣でずっと輝達を見ていた浩史に沙也希は疑問を持った。
その一言で浩史は涙目で沙也希に叫んだ。
「くっそー!青春してるじゃねぇか!涙出そうだぜ!」
「そんなことで!?確かに・・・青春だけども・・・」
想像の数倍くだらないことで浩史は感銘を受け涙を流していた。
だが沙也希はもう少し深いのだと思っていたので少し残念な気分だ。
「でも本当に輝・・・眩しい笑顔だな・・・なんか嬉しい」
「・・・どうする・・・俺達も遊ぶか?」
「せっかく来たんだしね遊ばなくちゃ」
こうして2人は動向チェックから一変。
普通にプールを楽しむに行動を変えたのだ。
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「イヤッフー!」
「イェーイ!」
要と渚は大きなプールに入り大いにこのプールという場所を最大限楽しんでいた。
だが何か忘れている。
「ねぇねぇなぎっち次はあれ行こうー!」
「うわー楽しそう!」
要が指を刺したのはこのプール名物のウォータースライダーだ。
もちろん遊びのプロである要の目はウォータースライダーを逃すはずもない。
「じゃあ並ぶか・・・行こう!」
「はーい!」
要の一言が終わると2人は早々と大きなプールを出てウォータースライダーのある方へと進んだ。
1番人気と目星つけていたのが当たっていたらしくウォータースライダーには数多くの客で賑わっていた。
もっと早めに並んでおけば良かったと後悔の念が今要にはある。
「いやぁこの量は完全に油断していたね、どうする要?」
「そうね・・・あれ?あれって!」
渚が人混みを指を指しその方を要は見た。
だが渚は気づいていなかった、しかし要は気づいたらしい。
その人混みの中にいる人を。
「あの人って輝と美神?」
「ほんとだ!!お兄だー!」
要は疑問半分で聞いたがさすがは兄妹と言った感じで渚は見た瞬間兄である輝を見抜いた。
その渚の特技に輝は驚きっぱなしだ。
「というか私たち二人を監視するために来たじゃん!」
やっと要は思い出した、ここに来た理由、ここでこうやって隠れながら(?)プールにいた理由を。
そしてその気持ちと同時に浩史達の男子チームに対しての申し訳なさが湧いてきた。
「なぎっち、2人はどんな感じ?」
「良さそう!というか美神さんてこんな顔するんだ・・・可愛い!」
渚は目が良いため多少遠い距離でも顔や表情などが分かるという能力がある。
この能力のおかげで今現状道具無しで唯一美神と輝の動向を見れる人だ。
渚の言った通り今輝と美神はウォータースライダーを乗る前なのでお互いビビりながらやジョークを言いながら待っていた時期。
もちろん美神は初めての場所かつ初めての経験なのでワクワクやドキドキで溢れかえっていた時期。そして初めてできた友達である輝と一緒、最悪なわけが無い。
「え、どんな感じなの!美神の可愛い顔みたいなぁ、なぎっち!ねぇ!」
要はさすがに少し距離のある人の顔や表情は完璧には見れない。
そのため現状は渚に言語化してもらったもので妄想し補完するしかできなかった。
「なんかその、とてもすごく可愛い、なんというか本当にガーッと来るような可愛さ!」
しかし渚は絶望的な語彙力のなさが目立っていた。
元々素で言語能力は低いが興奮するとさらに酷くなるのは当たり前だ、しかしここまで低いとは思わず想定外だった。
「はははは、なぎっち、そういえば語彙力なかったんだった・・・なぎっち、捜索辞めよっかな、よく良く考えれば水差すの良くないわ」
「確かに2人ともイチャイチャして欲しいですしね!」
要は諦めの笑いをこぼし静かにこの捜索を終えた。
とても最後はあっけなくそして静かにこの誰も気づかない捜索に幕を下ろしたのだ。
だが渚は何か大きな誤解をしているのは何となくだがしている気がする。
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時間軸は前回の話に戻る。
あれからも数々のプールというプールに入り込みついに夕方にへと近づいた。
プールも閉園時間を近づいているが輝達は閉園よりも前に出たため入口前で談笑ができた。
だがもう2人はもちろんながらクタクタだ。
でも思い出を共有し合いたい、思い出を語り合いたいという気持ちが二人を立たせに来る。
「今日は沢山遊んだな・・・」
「えぇ、最高のリフレッシュよ・・・ありがとう、今日は」
いつも何かしら詰め込んでいるような気がする美神を輝は気にしていた。
だが今日のプールでその疲れが取れたと聞くと酷く安心できた。
「また・・・来年も・・・来たいです・・・輝」
美神は顔を赤く染めあげ輝に上目遣いで聞いてきた。
もちろん男子全員上目遣いをされると断れないというジレンマがある。
もちろんそのジレンマを破ることは出来ず
「別に良いけど・・・来年も一緒に居てくれるんだな」
「っー!?」
美神は気づいていなかったのかそれとも輝が美神のセリフを上手く活用したのか分からない。
だが輝は美神のあのセリフを優しさと聞き取ったらしくそう答えてしまった。
もちろん美神はまた顔を染めあげ俯いてしまった。
(この天然タラシ・・・)
声に出せない不満を美神は輝に言い放つ。
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