水着時々照れ
「・・・まぁ予測通りだが長いな」
輝はプール内にある更衣室近くの日陰で美神を待っていた。
日陰とはいえ夏場なのでかなり暑い。
輝は立ったまま辺りを見回した。
「・・・家族連れね・・・楽しそうだなぁ」
過去に経験のした事の無い家族でのお出かけ。
少しその光景に羨ましたと微笑ましい気分がある。
そんなことを思いながら美神が来るのを待った。
「ごめんなさい・・・遅れてしまって」
「あぁ良いぞ・・・そういうところには気がき・・・」
輝は絶句した。
美神の水着姿に。
「似合ってるよ・・・美神」
「・・・急にそんな事言わないでよ!」
美神は顔を赤く染め照れた。
だがこの気持ちはどうしても言いたかったのだ。
ワンピース型の水着なので露出は少ないがそれでもなお美神の魅力を大きく際立たせている。
その姿に道行く人がみんな虜になっているのは輝は知っている。
「・・・輝も・・・似合ってる」
「そりゃどうも」
輝はお世辞かと思ったが美神にとってもこのセリフは正直なものだ。
だが輝の顔はそう言いつつも照れているのは隠せれていない。
輝の水着は悪く言えばどこにでもいる感じだ。
しかし美神は輝の水着姿ではなく初めて見る上半身にドキドキしているのだ。
ある程度ある筋肉に美神は目を奪われてしまっている。
「・・・あの・・・そんなに見られると恥ずかしいのだが・・・」
輝は頬を赤く染め照れてしまった。
その一言でハッとした様子を見せると急いで美神は視線を適当な方に向き変えた。
だが美神の顔も赤くなっている。
周りの人の目も心做しか急かしているように感じられる気がしてならない。
((どうしよう))
2人とも水着の耐性はなかったようだった。
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「遅いぞ2人とも」
「はははは、ごめんだって」
浩史は遅れてやってきた要と渚に軽い説教のように語った。
だが要達は笑って誤魔化そうとしている。
「・・・まぁ良い・・・今回は望遠鏡なしの任務だぞ」
浩史でも公共の場でそれも皆露出の高いものなので望遠鏡はアウトなのはわかっているらしい。
「・・・2人発見!それも初々しい!」
渚の発見宣言により沙也希を除くメンバーは興奮に満ち溢れていた。
「可愛いなぁ美神さんは」
渚は美神の可愛さにとても見惚れている。
元々スタイルや体型がナイスバディと思っていたためどの服や水着も軽く着こなせている。
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輝と美神はどこか人混みの居ないへ歩き出した。
更衣室近くは人が中々減らないため待機するにはあまり適さないためだ。
「どこに行くんだ?」
「・・・付き合って・・・」
「え?」
美神の小声の言葉が聞こえたが何と言ったのかまでは聞き取れなかった。
しかし美神の顔が赤いためなにか恥ずかしことなのかと言うのは理解出来る。
「・・・あれこっちの方って流れるプールか?」
「うん・・・浮き輪持ってきたから一緒につかろ?」
美神の少し上目遣いの頼みに輝は断れるはずもなく了承した。
(たまぁに怖いことしやがって・・・ドキドキするな)
改めて美神の恐ろしさを輝は感じてしまった。
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「ふうー気持ちいいわね・・・輝も乗らなくて良いの?」
「俺は浮き輪は大丈夫・・・美神が乗ってくれて構わないというか美神のだから乗るのがはばかられる」
流れるプールに2人は入った。
人は思っていたほど多くはなくスムーズに入れた。
美神は浮き輪を使いぷかぷかと浮き流れるプールなので流れに身を任せながら楽しんでいる。
輝も浮き輪こそは無いが全身の力を抜きぷかぷかと浮きながら流れに身を任せていた。
「・・・美神・・・眠たくなってこないか?」
「私は輝みたいに年中眠気のある人では無いから分からないわ」
まだ午前中だが輝はもう既に眠たいらしく目を擦っている。
そんな輝の様子で美神は呆れながら見ていた。
(本当によく寝そうになるんだから)
「まぁ寝顔もいいけど」
美神は輝の方を向きながらそう呟く。
眠気が溜まっていた輝はその一言を聴き逃し美神を不思議そうな目で見つめたがやはり眠気があるため見つめるのもやめた。
「ふぁぁぁぁ・・・どうする・・・この後ウォータースライダーとかあるみたいだし・・・行ってみるか?」
「ウォータースライダーって?」
元から少し娯楽などに疎い美神はウォータースライダーの存在を知らなかったようだ。
少し驚きすらあるが何となく察していた事なので言葉にすることもなく説明を始めた。
「ウォータースライダーは言わばプール版ジェットコースターだと思って?」
「・・・少し怖いけど・・・わかったわ・・・やってみるわよ!」
声は自信満々の声だが顔を見るとまだ恐怖心が彼女の心を支配しているのがわかる。
(中々見ない怯え美神だ)
そんなことを思いながら輝はまたプールの流れに身を委ねていた。
ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・`)




