勉強会時々メイド
輝はある理由のため美神の家に訪れることになった。
(最悪だ・・・この件でだけでは呼び出されたくなかった・・・)
輝はチャイムを押す手が上手く前に出ないが時間を過ぎたら余計怒られるため素直に押した。
チャイムを鳴らしすぐに美神の家の扉が開く。
お互いオフの日なのに何故か服が凝っている。
「み、美神、な・・・何の用だ」
どう言った理由で呼び出されたことなのか全てわかりきっていることだがまだあるかもしれない一筋の光に賭けてみた。
「その反応ならわかっているでしょ・・・課題よ」
しかし輝の心の中にあった悪しき疑惑は目の前で壊された。
「ま、まじか」
輝は絶望感のあまり体から崩れ落ちそうになるが何とかの思い出耐える。
「とりあえず部屋に入って?」
「じゃあおじゃまします」
そう言うと輝は美神の部屋にへと入った。
美神の部屋は前来た時とあまり変化は無い。
「ここに座って・・・お茶出すからそれが出し終わったら始めるわよ」
「すまんな・・・何から何まで」
美神は「その程度なら余裕よ」も満面の笑みで答えると冷蔵庫から麦茶の入った透明のポットを取り出す。
見た目からもわかるくらい冷たそうな感じがする。
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「どこまで進んだの?」
「あ、そ・・・その・・・許してくれるか?」
美神の課題進捗状況告白会が始まったがもちろんのことながら何も手が着いていない。
「まぁ最初から期待はしていないわ」
「うぐっ・・・厳しい」
美神の冷ややかな視線が輝の心に痛いくらい刺さる。
美神の様子からして本当に最初から信頼していなかったのが伺える。
進捗状況を見ると美神はペンを取りだし何か描き始めた。
(何書いてるんだ?)
やはり人間の性なのかどうしても気になる。
少し角度などを変え見えやすいところを見てみると。
「何チラチラ見ているの?安心して変なものでは無いから」
「う、バレてたか」
「バレバレよ」
言い方こそ冷たいが彼女の目は言い方ほど冷たくはなっていない。
少しだけだが美神の目の中に光が輝いた。
3分後。
美神の手がついに止まり輝にある紙を渡した。
美神の顔からわかるくらい自信に満ち溢れている。
「なになに・・・予定表!?一日の!」
「そうよ・・・自堕落なんだし少しくらい生活を変えなさい」
美神の完璧なおかんムードに驚きがある。
だが予定表自体はとても短時間で書いたとは思えないくらいとても緻密かつ丁寧に書いてある。
何事にも適切な時間配分が書いてあり完璧に限りなく等しい。
「はい、じゃあこの話はこれでおしまい・・・カバン持ってきたでしょ」
「はい・・・」
「宿題まだカバンの中でしょ?」
「はい」
カバンの中を見れる能力者なのか疑いたくなるが正真正銘ただの無能力者の人間だ。
この美神の洞察力の良さ、1学期間といった短い期間でここまで輝を完璧に理解するのは尊敬の領域だ。
「輝もそうだけど・・・ソラ」
「はい・・・何でしょうか」
突如ドアを開けてソラがメイド服を着た姿で現れた。
だがそんなことお構い無しに話は進む。
「ソラも課題は何もしていないでしょ・・・一緒にやるわよ・・・あとその服装いつも着ていないでしょ」
「うぅ・・・分かりました・・・美神様」
半ば無理やりだがソラもこの勉強会に無理やり入れられた。
「じゃあやるか・・・俺もさっさと終わらせて帰る」
遂に輝の心の中に踏ん張りが着いた。
もうここまで来たら覚悟を決めて終わらせるしかない。
「その意気よ輝・・・ソラも開けなさいほら」
美神の面倒みの良さが母親感をより強めてくる。
美神はソラの隣に座り無理やり気味に課題を開けさせた。
ソラは課題をやっているものの頭から疑問符が出まくっている顔をしている。
そんなソラをカバーするかのように美神が教えていた。
(美神の面倒みの良さはすごいなぁ)
美神の一連の行動を見て出た感情はこれだけだ。
(見ているだけじゃいけないな・・・始めるか)
輝はそう考えるとペンを課題に走らせた。
最初は集中ができなかったものの慣れればすぐに集中モードに入れた。
真面目にやり始めた輝の様子を見て美神も少し安堵のため息が漏れた。
「・・・真面目にやれば本当にイケメンなのに」
「・・・何か言ったか?」
「言ってないわ」
もちろんながら輝は知っている。
美神の小声のデレについて。
(マジで心臓に悪いから・・・あいつ気づけよ・・・)
輝が言えばいいとこなのだがこういうことはあまり言えないので何とかの思いで言葉を飲み込んだ。
美神は相変らず気づいていないと思っているようでペンを頬にトントンしながら2人の進捗を見ている。
ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・`)




