遅延時々探索
短くてすまん
橘渚。
彼女は今最大限のピンチに陥っていた。
(どうしよう・・・こんな時・・・)
遡るほど数分前。
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「嘘、遅延・・・それも復旧に1時間・・・」
渚は羽伸ばしのなためにお出かけに来ていた。
欲しいものも買え後は帰るだけといった時に遅延していたのだ。
そのためさっきから渚は中々変わることの無い駅のモニターを見ながらどこか落ち着かない様子で待っていた。
(お兄に電話・・・お兄は今店番か)
別の電車に乗る手もあるのだが面倒くささとお金が足りないといった事情で乗れない。
渚は必要最低限のお金だけ持ってきたのが仇となった。
(これからは少し多めに・・・って今はそんなことよりだ!)
「やっぱ1時間待つかね」
渚は1時間待ちコースを選んだ。
「だが1時間待つとしても・・・何しよう・・・お兄ならこの場の立地は詳しいけど私はそんなにだし」
渚の今いる場所は輝の通っている駅だ。
そのためこの周辺は輝の方が詳しい。
「とりあえず何か探そ」
渚は迷わない程度に辺りを散策した。
だがこの駅は近くがバスターミナルなどやビルが沢山建っているため見ている分は楽しかった。
だが娯楽施設がない。
(確かにお兄の言った通り栄えてるけど、ビジネス街だなぁ)
「とりあえず近くのお店探索しますかぁ」
渚は少しの好奇心で階段を降り遂にこの近辺の探索に向かった。
「おお、以外にも店多い」
さっきまで歩道橋から見ていた景色はビジネス街にしか見えなかったが近くに降りると思っていたより店が多い。
雰囲気的にも美味しそうな飲食店やドラッグストア等、数々の店が渚の心を踊らせてくる。
「いやぁこういうところは見ているだけでも楽しいもんだ」
渚は目を輝かせながら歩いて行った。
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渚はビジネス街の探索をしていると電話がかかってきた。
明子からだ。
「もしもし渚だけど」
『ごめんね渚ちゃん、電車遅延ってことを分からなくて』
「良いよ私が報告するの忘れてただけだし」
『多分あの感じだと復旧にもう少し時間がかかるし私が向かいに行ってやるよ』
突然の明子の告白に目を見開いてしまった。
明子は突然何か変なことを言い出すため油断ができない。
「ありがとうおばさん・・・駅前に居るから来て欲しい」
『了解・・・待っててね』
そう明子が言うと電話がきれた。
何とか帰れる保険ができたせいか体が落ち着いてしまいそのせいで一気に疲れが押し寄せてきた。
「はぁ・・・帰ったら寝よう」
そう呟くと渚は袋を再度強く握り直し駅前にもう一度歩く。
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駅と繋がっている歩道橋から辺りを見回した。
あまり動く気にもなれないのでただただビジネス街を見回すことしか出来ない。
(なんかこうやって見ると広いな)
改めてこの近辺の栄えていることを再度感じた。
「毎日この辺り通ってるお兄は幸せ者だなぁ、私も受かろ」
渚はこの時志願する高校をすごい簡単かつ適当な理由で決断した。
だがI西高等学校は近辺の建物の豊富さで人気がある。
でかいショッピングモールは下校中に寄れたりするので学生たちは皆こぞってここに狙いに来るのが毎年よくある話だ。
「あ、あの車は・・・」
渚が視線を移した先にはキャンピングカーが止まっていた。
それと同時に電話がかかってきた。
「もしもし渚だけど」
『到着したよ・・・早く降りてきて』
「相変わらず目立つ車だから1発でわかるよ」
明子は趣味が旅なのでその趣味のためにキャンピングカーを買った。
しかしカフェを持っているので中々旅行などができないのが現状だ。
しかし運転をしない輝や渚は設備の良さでかなり満足はしている。
「ちょっと待っててね」
そう言うと渚は電話を切り急いでキャンピングカーに向かった。
キャンピングカーのいる場所に向かったが行き交う人がキャンピングカーを見ながら通っていたので中に入る渚は少し恥ずかしい気持ちがある。
「入るよー・・・相変わらずだけどデカイね」
「そりゃ嬉しい話だ・・・じゃあ帰るわよ」
明子は自慢の車が褒められた喜びで軽い笑みを浮かべ前を向き直した。
渚は近くの席に腰をかけ出発を待った。
「じゃあ動かすからシートベルトを」
「わかった」
ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・`)




