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用意時々初めて

ついに始まった夏休み。


みんなは青春という名の汗を流したりここで真面目に勉強をしたりと各々の青春の1ページを作れる期間。


もちろんこの夏休みは輝達にとっても青春となる。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


美神と要は学校近くのショッピングモールに来ている。


夏休みということもあり人がとても居ており賑わいが感じ取れる賑やかさだ。


親子連れやカップル、友達できていたり一人で来ていたりとあたりは色々な人で溢れかえっている。


美神と要は入口近くに居る。


「美神、さぁ問題!」


突如要は謎の一回転をして美神を指さすと急に問題を仕掛けてきた。


「は、はぁ〜」


「今日ここに来た理由は!」


要のハイテンションさはえげつないこと。


美神は少し疲れかけているが要の質問の答えだけはわかった。


「お泊まりの用意?でしょ」


「・・・せいかーい!」


少し間を空け要はそう答えた。


多分テンションの元ネタはクイズ番組だろうと思いながら要を見続ける。


というかこのテンションの対応は美神にはできないと言った方が正しい。


要の暴走体は輝ではないと対処出来ないと言われている(多分)。


「じゃあまず!パジャマだよねぇ」


「パジャマ!?」


「ふふふ、女子かと言えばパジャマでしょ!だーかーら……あとは分かるよね」


要の悪巧みな顔を見るとここまで全て要が計算づくしていたということが美神に理解出来た。


(悪知恵働きすぎ)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「可愛いイ!」


「え、そ、そうかな……私」


更衣室から美神が出てきた。


少し妖艶であり大人な雰囲気を醸し出すのは美神の魅力だ。


美神が今身につけているのはフリルの白色のパジャマだ。


今まではドレス系のパジャマだったのでこういうパジャマは初めてなため美神はとても強い羞恥心がある。


「いや可愛すぎる、これは犯罪級よ」


「うぅ、なんか恥ずかしい、というか何回目」


「大丈夫大丈夫、直に慣れてくるから、次は……少し変えようっと」


「直に慣れると言われてもう10回目よ」


美神の半分絶望の声が響いた。


要はそんな美神を気にも止めず新しいパジャマを美神に渡した。


「これでラストだから……ありがとうね」


「や、やっと」


そう言うと美神は更衣室にまた入った。


2、3分で美神は更衣室から姿を現す。


ラストなのであえてシンプルなズボンタイプにしてみたのだ。


「うん、やっぱり美神って何でも合うね、本当に何でも着こなしている」


「ありがとう・・・言われると少し嬉しいわ」


美神は今まで選ぶのが面倒だと思っていたためずっとドレス系を使ってきた、しかし今日初めて色々なものに触れ要から美神も知らない魅力をたくさん言われ恥ずかしさと同時に嬉しさすらある。


(なんか楽しいわ、これ)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


要と美神は少し大きめの紙袋を手に店を後にした。


こういう体験をした事の無い美神にとってはワクワクが止まらない。


「ふー、買った買った」


「中々新しい体験をしたわ、ありがとうね」


「良いってことよ、私たちは友達でしょ、楽しいことは共有し合わなくっちゃ」


要の曇りなき笑顔が美神の心を照らす。


だがすぐ顔を変えまたどこかを指さした。


「ふふーん、次の女子会と言えば!なんでしょう?」


「まだあるの?」


美神はまだある女子会と言えばに混乱している。


女子会をした事の無い美神は必死に考えるが思いつかない。


「時間切れー、答えはお菓子でした!」


要はまたイタズラをしかけて成功した時のような顔で美神を見つめた。


「お菓子?」


美神はちゃんと分からずぽかんとしている。


「女子会と言えば深夜に恋バナしながらお菓子!もうこれは外せない!」


「でもそれじゃ体に……」


「美神よ、背徳感こそ最高のスパイスなのよ」


美神の価値観では到底理解できない謎の迷言を要が言うと要は美神の手を取りどこかへまた走り出した。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


着いたところは以外にも普通にスーパーだ。


「一瞬私の事だから変な店だと思ったでしょ」


美神は図星をつかれ目に見えるほどキョドったが要は笑い返し


「変な海外のお菓子よりやっぱポテチが最強、もうこれは揺るぎない」


「でも私お菓子のチョイスとか分からないわ」


そう言うと要は待ってましたと言わんばかりに顔を変えた。


これも要の計算通りかと疑うしかできないくらい要は美神の行動や心理を探知しているようだ。


「ふふーん今回は美神の直感を見てみたいから私は何も言わなーい」


「そんな〜」


美神は自身のセンスはまだよくわかっていない。


それ故にこういうセンスを問われるものは苦手だ。


だが要はもう自分の世界に入ってしまっている。


(くっ、もうここは、どうにでもなれー!)


今までした事の無い選択だ。


美神はとりあえず美味そうなお菓子を片っ端からカゴに入れて行った。


とりあえずポテチや色々なスナック菓子、そしてチョコレートやポッキーなどなど


多種多様なものを入れ込み気づいたらカゴの半分近く埋まっていた。


「おお!かなり入れるね、どうしようかな、もう美神の買う中に私の食べたいものあったしこれ2人で折半で買おう?」


突如振り向いた要が美神のカゴに入ったお菓子を見て反応した。


「いや、それだと損しない?」


「大丈夫だよ、どうせ好き勝手に取るしみんな」


美神の心配していたことは杞憂だったようだ。


要のこういうことの心配をあまりしないのはありがたいことだ。


「どうする?まだ入れる?」


「もうこれだけにしましょう」


「それもそうだね」


戦術的に決めた下手な鉄砲かずうちゃ当たるは良かった展開だった。


(たまにはこういう考え方も必要?なのかな)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


2人がショッピングモールを出た時には既に夕焼けが当たりを包んでいる時間だ。


美神が思うよりも時間は進んでいたらしく驚きを隠せない。


「ありがとう、今日めっちゃ楽しかったよ、お泊まり楽しもうね」


そう言い残すと要は駅の方の道に進んでしまった。


美神は何も言えずただ手を振ることしか出来なかった。


(お泊まり、か・・・どんなものなのかな)



ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・`)

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