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再開時々隣

驚きの事実を知り1夜が明けた。


まだ夢と勘違いしているがその度に頬を引っぱたくと痛みが残る。


「現実か」


また頬自身の手で叩いた。


乾いた音が部屋中を包む。


やる気が起きないが下に降りると何やら誰かが話している。


声的にも明子なのは確定だ。


「あら輝ミリヤちゃんがここに戻ってきたの知ってる?」


「あぁ知ってるよ」


「輝ちゃーん」


居るとはいたと気づいてはいたができる限りバレずに行きたかったのでここでの明子のパスはただの死刑宣告のようなものだ。


「・・・ひとつ聞くけど要件は・・・」


「一緒に行きましょう、前みたいに」


「・・・断るは・・・無理か」


輝を見つめる明子と渚の視線的にここで断るのは無理なことが確定した。


さすがにここで逃げれる訳もない。


ミリヤの喜びの笑みの顔が計画通りと言っているようにしか見えない。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


結局ミリヤの言うことを聞いてしまった輝は案の定ながら一緒に行くことになった。


ミリヤは小学校以来の2人での登校なためとてもワクワクしているのが言葉を使わずとも理解できる。


しかし昨日のこともあり輝はワクワクなど何処吹く風状態だ。


油断をしてしまえば海外仕込みのスキンシップで周りの視線や自身の理性さえやられてしまう。


そうなれば輝は人として終わってしまう、だからこの登校は理性との勝負でもある。


覚悟を決め最寄りの駅に入る。


しかし不幸は突然起きるものだ。


輝にとっては大きな事件はその時起きてしまった。


「あらぁ〜、輝ちゃん・・・電車が」


「・・・嘘だろ」


電車が運行停止していたのだ。


復旧の目処はなくこのまま待つといつまでかかるかわかったものでは無い。


「とりあえずおばさんに電話かけるか・・・って繋がらない」


「あらぁどうしましょう・・・とりあえず阪急にでもいく〜?」


輝は電話をかけようとするが繋がらない。


周りを見るとほぼ全ての人がスマホをいじっているため繋がらないのだ。


ミリヤの案も悪くは無いがここから歩くと明らかに遅刻になる挙句遅延証も無いため却下。


(くそ!こういう時・・・要は・・・あいつは早めに登校しているんだった!)


この駅の近くに住んでいる要は毎朝早めに登校しているため今回は使えない。


「いっその事・・・復旧まで待つか・・・」


「私はその案に賛成〜」


ミリヤはそう手を挙げ言った。


しかし輝もこの言葉を有言実行できるほど肝は座っていない。


「ごめん、やっぱりキツそう・・・とりあえず学校に行く手段探すか」


「あらそう・・・私はサボっても良かったのだけどね〜」


ふわふわした言い方だが話している内容はアウトそのものだ。


輝は学校に行く覚悟は着いたがどうやって行こうかまだこの段階では決まってない。


完全にノープランな状態だ。


(どうしよう・・・このままだと学校に行けぬ)


しかし切り札を放ったのは以外にも近くにいた。


「輝ちゃん・・・なんか駅員さんが新O駅で快速に乗れば行けるって言ってましたよ〜」


「なんだってそれは本当かい!」


この手の運行停止は初めてなのでこういう処置があることすら初めて知ったのだ。


「だから一緒に行きましょう」


「お、おう、ちょっと待て速い!」


ミリヤが輝の手を握るといつもとは反対の車線である方へと足を向かわせた。


だがミリヤは足が速い。


そのスピードは輝すら上回るものだ。


そのミリヤのスピードに追いつける訳もなく輝は足を半ば引きずり気味で走った。


(あぁダメだこけそう・・・まじで!)


だが人間本気を出せば何にでもできるものだ、結局一度もコケることなく走りきったのだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


結局走らなくても間に合ったが人の量がまだそこまで居なかった。


「はぁはぁはぁ・・・でもまぁ・・・これで・・・はぁはぁ・・・学校には行けるな」


「うふふ・・・では来るまで待ちましょう〜」


さっきの走っている時の真剣な眼差しは今のミリヤにはなくあるものはゆるふわという言葉が一番似合うような雰囲気だけだ。


「この2人で並ぶのはなんか小学生を思い出しますよね〜」


「あぁ、そんな気がするね」


「あれ?輝ちゃん・・・照れてるの?」


「・・・っ!?」


図星を思わずつかれてしまい輝は思わずミリヤの方を振り向いたがミリヤは相変わらずの笑みを浮かべている。


無意識でやっているのか無意識ではなく意識的にやっているのかが全く分からないため掴みどころのない不思議な少女に輝はミリヤを見つつある。


天然なのか全て計算づくしなのか、知るものはミリヤただ1人。


「あらぁそろそろ電車が来ますね〜」


ミリヤが駅内放送に耳を傾けていたらしく電車が来ることをきちんと聞いていたのだ。


あと1分でこの駅に着くようだ。


「昔から思ったけどミリヤってそういうところはちゃんと聞くよなぁ」


「うふふすごいでしょ〜」


「そこだけは本当にすごいと思う」


「やったー」


ミリヤは腕を上げて喜んだ。


少し周りがざわついたので輝がなんとかの思いで押さえつけることになった。


(昔からだけどどこか抜けてるけどやっぱり抜けてないんだよなぁ)


彼女を一言で表すと抜けていて抜けてない人だ。


頭自体はとてもよく成績は常に上位に入るほどの実力者だ。


そんなことを考えながらミリヤを見つめているとミリヤは頭に疑問符が乗っている表情を続けたまま顔を横に倒した。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


電車内に入ると輝達のいる駅でかなりの人が降りたおかげや前の方で立っていたことですぐに電車内に入れるといったアドバンテージがあるため座席に座ることが出来た。


さっきまでずっと立っていたため座ると足が一気に癒される感覚に陥った。


(この感覚を何度も味わうために電車登校してると言っても過言じゃないのよ)


そう思いながらミリヤを見ると既に顔が眠気でいっぱいな顔だ。


「ミリヤー?起きろー?新O駅はここから近いから寝てたら置いていくぞー」


しかしミリヤの目はついに限界を迎えたのかその目を閉じてしまった。


(早!まだ朝だが・・・って俺も言えないか・・・どうするべきかね)


ミリヤの起こし方を考えていると眠りのせいかミリヤの体が輝に一気に近づいた。


(ミリヤー!?起きろー!この距離はやばい!なんかいい匂いするし!ダメだダメだ自制心自制心!)


今輝はミリヤの頭が輝の右肩にある状態、それに席がつめつめなためミリヤの体はほとんど輝にくっついている状態だ。


そのせいか輝の自制心や理性はゴリゴリ音を立てて崩れてきている。


(待ってくれよーこの童貞にはキツすぎる!俺はどうなってしまうんだよ!)


体を揺さぶって起こそうにも変なところを触ってしまい周りから白い目線で見られる可能性が無きにしもない可能性があるためその選択肢は捨てた。


駅の時点で人がいつも以上にパンパンなためもちろん電車となれば輝に動いてこの状況を打破するという手段が消えた。




ミリヤの無意識の攻撃に輝は理性を保つことができるのか!?



ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・`)

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