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君と俺が出会った日(パーティ)

「んじゃ次は入学者パーティーだ、みんな体育館に行くぞー」


増田がそう言うとみんなぞろぞろと教室から出ていった。


輝も出ていこうと立ち上がるがある人に呼び止められてしまった。


面倒だなと思い後ろを見るとそこには薄紫の髪が綺麗にナビいている美少女が居たのだ。


「待ちなさい・・・」


「なんだ?」


今ほとんどの人は体育館に向かっている最中なので誰も教室には居ない。


そのためこれくらい思い切って話しかけれたのだろう。


「・・・やっぱりなんでもない」


「そうかいそうかい・・・・・・」


そう言い残すと輝は教室から去った。


だが美神はひとつ思うところがある。


(私、なんでこんな人に興味抱いているの・・・)


美神的にはこのような感覚は初めてだ。


今まで味わったことの無い感覚に不安や驚きで何も口から言葉が産まれない。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「なんかこれすげぇな」


体育館に入ると床にはブルーシートが敷いてあり机などが並べられている。


何よりも驚きは体育館内全体がバイキング場状態なのが1番驚いた。


とりあえず行くあてなどないので適当にブラブラしているが適当にしているだけでも楽しいものだ。


このバイキングの光景に目を輝かしていると沙也希ともう1人坊主の人間が向かってきた。


沙也希は笑顔で手を振っていたので一瞬で輝にはわかる


「おーい輝、輝と気が合いそうな人と仲良くなったんだ、良かったら一緒に食べないか?」


「俺とね・・・よろしく」


輝は少し緊張しているが坊主の人はその緊張をほぐすような話し方だ。


「こちらこそよろしく!俺の名前は竹岡浩史だ、浩史って呼んでくれ」


かなりフレンドリーな話し方なので輝はこの人になら素を見せれるなと思い安心ができる。


「こちらこそ、俺の名前は橘輝、普通に輝って呼んでくれ」


「おう!」


「良かったよ輝、友達が早速できたな」


沙也希は浩史の後ろで満足そうな顔で頷いている。


輝は沙也希には中学の時色々と迷惑をかけたのでこういう満足そうな顔をして貰えるととても嬉しい。


浩史も悪い奴ではなさそうなオーラがするので輝的にもこれから色々と関わっていきたいところだ。


「おい!あの方が来たぞ!」


「うおー!すげぇ!」


「なんなんだこの人はー!」


急にみんなの大声が体育館内を響かせた。


輝は何事だと思ったが浩史もあちら側の人間だったらしく声のした方を見ると興奮した様子で叫び出す。


「うぉぉぉ!あの方は!美神様じゃねぇか!」


「え、誰?そんな人いたっけ?」


「輝の隣の人」


輝は席の隣の人の名前なんか確認はしていないのでもちろんさっきまで喋っていた人が美神ということにも気づいては無い。


沙也希が小声で教えてくれたおかげでやっと名前がわかったということだ。


「へぇーあのひとが美神って人か」


「お前知らなかったのか!」


浩史はたいそう驚いた顔をしていた。


この学年でもう既に色々な人の耳に届いている絶世の美女。


このことを知らないのは単純に輝があまり噂や流行りものに疎いから起きたのだ。


「というか今よく思い出すとお前美神さんの隣の人じゃん!」


「そうだけど」


「カァーッ!羨ましいことよ!」


浩史はとても羨ましい顔で見ている。


普通の男子生徒からしてみたら羨ましい限りだが静かな学園ライフを送りたい輝にとっては隣の人はあまり関係ない。


「よく見るとお前イケメンだし!羨ましいことよ!」


「いや・・・そんなことは」


「俺は輝はイケメンだと思うけどな」


「沙也希まで・・・」


だが実際輝は手入れは全くしないが髪などは綺麗なままだし手入れしていないが手入れしていると間違えられるぐらいには綺麗な状態を保っている。


顔も良いといえばかなり良い見た目をしている。


だが輝はあまりモテない学校ライフを送ってきたので自分の容姿には自信はない。


「沙也希に言われると嫌味にしか感じないのだが」


「これは嫌味ではなく真面目に思ったよ」


沙也希の顔を見ると至って真面目な顔をしている。


嘘をついた顔では無いため本音だと直ぐに受け取れた。


「まぁそうならありがたく受け取るよ」


「良かったよ」


「なぁなぁとりあえず飯取らねぇか?」


浩史は何も考えたなさそうな無垢の顔でそう聞いてきた。


輝も沙也希もお腹は減っているためその質問に快く了承するとビュッフェのある所へ向かう。


メニューなどが書いてありそれらを見ると多分学食のメニューにあるものがここで品として出されているのが理解出来た。


「すげぇよこれ!すげぇ!」


「これ学食のメニューの食べ物なのかな・・・とても美味しそうだな」


小学生並みの感想を並べている浩史の隣で真面目な雰囲気を醸し出しながら料理を見ている。


その2人はとても綺麗に対比されていた。


輝は無言で出されている料理を見ながら美味しそうな物を皿に乗せていった。


どれもこれも美味しそうなもので構成されているため歩いているだけで楽しいものだ。


「かなり食うな輝って」


「まぁお腹減ってるし」


「中学の時から食べるご飯の量異常だったなぁ」


輝はご飯をかなり食べる人間である。


そのため初めて輝と出会った人が輝の食べる量を見ると2度見するくらいには多い。


「ちょっとこれ置きに行ってくるわ、さすがにこれ持ったままだと歩きにくいし」


「そりゃそうだろ」


「わかった、決まったら教えるのを忘れずにな」


輝の量はかなり異常だ。


明らかにこのまま歩き回るとこぼすのは目に見えているため輝はこの選択を選んだ。


しかしここに来て結構時間が経っているせいか席があまり空いていない。


(もう少し早めに取っとくべきだったか)


歩き回りながら軽い後悔をしていると一つだけ空いている席がある。


とりあえず席に輝の異常なまで盛り付けられている皿を置くとスマホを開け席を教え座った。


かなり端っこになってしまったがそのことに関してはしょうがない。


「まぁ食べるか」


沙也希も浩史も今はきっと選んでいる最中、お腹は刻々と空いてきているのでもう食べることにした。


「予想通りと言えば予想通りだが美味いな」


どれもこれも絶品なものだ。


満腹数値なんてものは忘れるくらい美味しいため箸が止まらない。


「こりゃ絶品だなぁ」


「あれ?あんたここで何してるの?」


「何をしているもないだろ飯食ってるんだよ」


輝が美味しそうに取ってきた食べ物を頬張っていると後ろから美神が現れた。


皿を見るとスイーツ系しか取ってない。


輝的には少し驚きだ。


(可愛いところあるんだな・・・というかスイーツ面も美味そうだな。後でとるか)


「というかそっちこそ何しに来たんだ?」


「食べるところがなくて」


「まぁこんなに人居るしなぁ食うとことかあまり無いよなぁ」


周りを見回すとほとんどの席に誰か人間が座っているような状態だ。


そのため美神が座れるスペースはほとんど無いと言っても過言では無い。


「じゃあ誰かの席にまじらせて貰ったら」


「それをしたいのは山々だけどあいにく友達言える人がいないから」


「まじか、美神の事だしてっきりもう友達の何百人もいるのかと」


「そこまでいませんし!というかなんで私の名前知ってるの?」


美神がとても驚いた様子でこちらを睨んでいる。


さっきまで名前呼びしなかった人が急に名前呼びされると驚きだ。


「あぁさっき美神が入ってきた時なんかみんな散々騒いでてその時に声が聞こえたんだ、ついで感覚で教えとくよ俺の名前を」


「というかそれだけ人気なんだ私って」


「美神自分の容姿を鏡で2度くらいは見とけ、少なくとも俺の人生で見てきた人で1番可愛い」


「っーーー!バカァ!」


「げふ!」


美神の照れ隠しかシンプルの平手打ちが輝の頬にヒットした。


手加減など知らないくらい高火力なためとても痛い。


ちなみにケーキなどが乗ってあるプレートは机に置いていたため被害は全くない。 (1名を覗いて)


「たたた、というか火力考えろよ!」


「変なこと言ったのはそっちでしょ」


「うぐっ」


輝的にははやくこの状態を抜け出したい気持ちで話しているが話す度に底なし沼のようにどんどん話が長くなってる気がする。


さっきから輝を見る目が輝でも分かるくらい殺気が際立っているため早く美神とは離れたいのだ。


「というわけでちょっと食いますね」


「少し待って!私食べるところないからちょっと机貸してくれない?」


恥ずかしすぎるせいか輝の目を逸らしながら聞いてきた。


顔を見ると本当に恥ずかしそうな顔をしている。


その願いを周りが聞いたのかコソコソ話が増えてきた。


きっとどっちをとっても逃げられない状態になりそうなのは目に見えている。


「・・・わかったよ、席貸すわ、まぁ来るの2人だけだし」


「へぇさっき言ってた友達の人達ねぇ」


「まぁこんな俺にも友達は居るのだよ」


「それは嫌味なの?」


美神がとても不機嫌っぽそうな顔で見つめている。


明らか地雷を踏んだのがわかった。


「というか美神の事だし適当に誰かに話しかけたらみんなOK言うと思ってたわ」


「私はそんな人間では無いわ、私も輝と一緒食べるなんて嫌よ」


「そうかい」


「今でも体にむち打ちまくってここから、いやもっと雪山まで行かせたいぐらいよ」


「お前怖くね?というかそれだと俺死ぬくね?」


美神の顔を見るとマジでやりかねん表情なため若干背筋が凍る感覚になった。


美神の真面目な顔で多分冗談では無いのがいちばん怖い。


だがその表情が顔に出ていたのか美神はきっと面白くなったおかげか自然と笑みが浮かんだ。


「ははは、嘘に決まってるじゃない」


だがその顔も若干怪しく見えてしまう。


輝はもうあれだけあった料理をほとんど食い終わりまでに来ている。


美神は話す度に手を止めていたので全くと言っていいほど美神のケーキは新品状態だ。


少しこの間気まずい空気が流れていたせいか輝はさっき以上に手と口が止まることを知らないくらい早い。


だが気まずさ消しもここでついに底をついてしまった。


「輝って本当によく食べるね」


「会って間もないのによくそんなこと言えるよな」


「すごいよ本当に」


「ありがとな」


今の美神には一つだけ輝に対して謎な部分がある。


輝のプレートには何も無いのにそこから動かない。


予想ならまた取りに行くのだと思っていたが全く行く素振りを見せない。


痺れを切らした美神はいっそのこと聞いてみることにした。


「輝ご飯取りに行かないの?」


「ご飯?あぁアイツらが来るまで待ってる」


「ふーん・・・以外に友達思いなのね」


「というかいつまで居座る気だ?」


「まぁ食べ終わるまで」


しかし美神もそこそこ取っているのでまだまだ美神がここから去るには時間がかかりそうだ。

ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

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