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波乱の文化祭編 進撃、そして……

「やめろミリヤ……お前の力で歯が立つ相手じゃない」


雄一は少女に押さえつけながらも声を絞り出してみたが苦しい。


そしてミリヤは止まる気は全く無さそうだ。


「そこのあなた!早く雄一を離しなさい!」


「拒否します」


ミリヤは雄一を拘束している少女に近づきあらげかけている声で聞いた。


しかし少女の方は全くと言って良いほど動く気がない。


「早く!」


「拒否します」


「早くして!」


「拒否します」


「あなた!本当に早く!」


「拒否します」


二人の会話は全く進展のない、平行線のままだ。


ミリヤは言葉自体は変えてるが結局イコールの意味になるので全て拒否されてしまっている。


そのためこの平行線な現実を変えるための罠を少女に張ることにした。


「……くっなら雄一をこのままにして良いよ!」


「拒否はしません」


「なんでーーーー!」


ミリヤのツッコミと行って良いのかそれとも素で出た声なのか分からない叫び声が辺りを響き渡らさせた。


ミリヤの作った作戦が今見事に撃沈した、かなりの自信のある策だったが……。


さすがは雄一を一瞬で押さえつけた人だ……ミリヤは悔しさのあまり足が崩れ落ちてしまった。


「ぷぷーー、あの人自分で作った罠に相当自信あったみたいだけど〜私達はそんな罠には引っかからないよ〜」


「ごめん……面白い……」


三葉はからかうように笑い、雄一はそのシュールさに笑ってしまった。


少し空気感が和んだように見えるが実際はまだ全然和んでいない。


「……こうなりゃ力づくで」


「無駄よ」


和んだと思っていたのは三葉と雄一のみだけでミリヤと少女は全く和んですらなかった……


むしろ状況が悪化していると言ってもおかしくない。


そしてこの一触即発の状況下でミリヤが無謀な行動に出ようとした。


「はぁー!」


「無駄……」


ミリヤは思いっきり輝の方へと走り出した。


ミリヤのいる場所から輝の所まで辿り着くには雄一の横を通らないといけない。


ということはあの雄一を一瞬で戦闘不能にした少女と対峙しないといけないのだ。


その時点で無謀だがさらに無謀になる理由がある。


「うふふ……私の事忘れてない?」


「くっ!」


ミリヤの後ろには既に三葉がたどり着いていた。


この時先程までほんの少しだけあった確信のない自信は崩れ落ち……


「あはは、私の目から逃げようなんて……


甘いんだよ」


その一言が聞こえると急に視線が地面を見つめた。


「ぐっ!」


「あはは弱〜い、もっとハリがある人だと思ってた〜」


三葉の無邪気な声とは裏腹に先程のドスの効いた声が未だに脳を、身体中を怖がらせている。


震えが止まらない。


そしてその震えあまりに体が動かなくなった。


(彼女が一番ヤバイ……)


初めて接敵してわかった……三葉が一番おかしく、そして更に強くなった。


輝を何としてもこの2人に渡しては行けないと……


















「あなた達は何者なのです?」


ミリヤの今にも消えそうな声が辺りに少し響いた。


鳥の鳴き声すらなく、辺りの騒然さも距離が遠いためほとんど聞こえなく静かな地での会話なのでよく響く。


ミリヤの質問が聞こえると三葉はまたもや無邪気な声で


「わたしたちのことしりたいの〜?私たちより弱いのにー」


「えぇ……知りたいよ」


「じゃ教えてあげる……私たちについて」

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