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波乱の文化祭編 決着

「くぅ!」


ソラはトリガーが引かれる寸前に少女の足を蹴り体制を崩させた。


それによりソラに向いていた照準は明後日の方向へと向きなんと一難は去れたところだ。


しかし少女はその程度ではやられない。


「どの道無駄でしたね」


少女はきっと倒れるとソラは思っていたが少女は倒れる寸前に受け身を取りすぐに立て直しを行ったのだ。


倒れたら満身創痍気味のソラでも輝を連れて逃げることが出来るがすぐに立て直させられるとソラ自身も何も出来ない。


(このままでは……)


今、ソラは先程より近い距離で銃を突きつけられている。


きっと余計なことをするとその指にかかっているトリガーは容赦なく引かれるであろう。


今撃たれるとお腹に当たる、腹に当たると先程の輝を見てわかるようにあの銃はテーザー銃だということが分かる、そのためお腹に弾をぶち込まれてしまうと本当に動けなくなってしまう。


そうなれば2人で仲良くバットエンドは確定してしまう。


(この場をどうやって切り抜けよう、どうすれば……)


脳内ではこの状況をどう打破するかしか考えられない。


だが考えている間にも時間は過ぎていく。


静かな時の流れがソラの焦燥心をより掻き立ててくる、そのせいもありまともな考えが頭に生まれない。


「うふふ……なーんだもうやられたんだ」


「!?」


「三葉……輝を連れて行って」


「はーい」


考えている間に既に下足の入口、ソラから見ると後ろ側に三葉が立っていたのだ。


声を聞いた瞬間ソラの背筋が凍った、絶望、2対1、そしてソラの体はまともに動かない。


この状況で勝つビジョンが全くと言って良いほど見えないため絶望だ。


「じゃあ行こっか……あ、今気を失ってるのね」


三葉の好奇心旺盛な声は変わらず、場所は場面が違うのならとても微笑ましく見えるが今の場所と場面で笑顔のまま喋るとただただ不気味としか言えない。


「待って!」


ソラは叫んで輝の方に手を伸ばすが手は届かない。


遠くにある星を掴むかのような無謀さだ。


「辞めてー!」


手をのばすが伸ばした先にはもう輝が三葉に連行される景色しかない。


「輝ー!目を覚まして!」


叫んでばかりで結局何も出来ない、その虚しさだけが今のソラを包む。


「うふふ……あまりうるさいと起きてしまうよ〜……じゃまたね〜」


そう言い残すと輝を方に担いで持っている三葉は下足から去った。


「じゃ次はこっちだね」


少女の冷たく乾いた声が聞こえた。


その声が聞こえ急いで視線を少女の方に向けるが向けても広がっていた景色は絶望だけだった。


確実に逃げられない距離まで詰められ、仮に足掻こうとしないためにもテーザー銃を突きつけている。


「……」


「何か言いたいことある?」


「輝様をどうするつもり!?」


ソラの質問も少女は表情一つ変えずに答えた。


「知るだけ無駄……諦めて」


「くっ!」


もうソラに残された体力はない……ここから逃げるための体力も、このテーザー銃を跳ね除ける体力も消えてしまい残っているのは満身創痍の体のみだ。


(そんな……諦めるしか方法がないの?)















今のソラにある現実は……


絶望、悔しさだけだ。

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