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波乱の文化祭編 2度目の出会い

輝と三葉は仲良く手を繋ぎながら人混みの中を歩いていた。


出店が多いと比例して人も多くなる。そのため手を繋がないと余裕で迷子になってしまう可能性がかなり高い。


「うへぇー人が多すぎるよ〜」


「まぁこの辺りは出店の激戦区だから仕方ないよ……」


出店激戦区について説明(今更)!そうそれはこの高校の文化祭で1番人が多い場所である。


場所は中庭と校庭の通り道!


PTA主催の出店にクラスでの出し物としての出店もあれば教員主催、クラブでの主催もあったりと多種多様なところからの出店が固まっているから学生たちは出店激戦区と言われているのだ。


「もう少し良い名前あったよね〜」


「ま、まぁ確かに」


三葉がジト目でそう言ってきた。


輝は名前の発案者ではないがどこかショックを受けてしまったからか言葉が上手く出ていない。


そんな輝に三葉はニヤニヤしながら


「うふふ可愛い反応……やっぱこういう人からかうの楽し!」


「だいぶ良い性格してるな」


そんなことを言いながら出店激戦区を歩き進めて行った。


⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯


「うおおおー!ひろーい!」


長い人混みを抜けて着いたのは校庭だ。


校庭は少しの場所に出店がありほとんどがアトラクションで埋めつくされているという状態だった。


そのため人も沢山いるが出店激戦区に比べ幅が圧倒的に広いのでそこまで窮屈に感じることは無い。


この広い地を見た三葉はまるで子供のように辺りを見渡し走っていった。


「うわぁー!すごくひろーい!」


「こりゃすげぇな……」


輝も改めていつもの質素で特徴が特にない校庭がここまで賑やかになっているのを見て少し感慨深くなったのと同時に次の日からは無いのかという寂しさもあった。


「じゃあ私遊んでくるね!」


「そうか……なら俺は時間的にもここで1度離脱するよ、楽しかったよ」


輝は当番なため本当は遊びたいがその気持ちをぐっと押さえ込み三葉に伝える。


三葉は「えー!」と言ったが何回も伝えると諦めたのか


「わかった、じゃあまた遊ぼうね」


と言い残しアトラクションの方へ走っていった。


輝は少し申し訳ない気持ちが溢れてきたが仕方の無いことなので輝は教室へと戻っていく。


······························


先程使わなかったあまり出店の無い道を使いショートカットしながら輝は教室へと戻っていく。


周りも盛り上がりを大きく見せてきてどんどん文化祭の盛り上がりが増すのを感じてきた。


「中々楽しそうだね〜」


そう思いながら輝は下足で下靴から上履きに履き替える。


「あなたが橘輝様ですか?」


「……そ、そうだけど」


下足から校舎に入る入口でひとりの少女が立っていた。


長くもなければ短くもない程よい毛量、透き通るくらい白いまるで白銀のような髪色。


背も輝より少し小さい程度の童顔の子がたっていた。


「三葉さんが申し訳ありませんでした……」


少女は輝に頭を下げるがただでさえも情報量で頭がパンク寸前の輝には何が何だかわかっていない。


「え、まぁ……うん、ごめんね」


そのことを聞くと少女は頭を上げ輝をじっと見つめた。


その瞳はどこか感情が無いように感じてしまう。


それくらい目が黒い。


(……なにかおかしい……)


失礼だが輝はこの少女にただならぬ異変を感じてしまった。

















しかしその勘が正解だと気づくのはもっと後の話だ……

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