波乱の文化祭編 食事時々出会い
「ふわぁ…とりあえず何かご飯食べたいなぁ」
輝は目を擦りながら校舎の中をぶらぶらと歩いていた。
今日は文化祭、歩いているだけでも楽しいぐらいだ。
校舎内にはお化け屋敷などアトラクションに富んでいるため輝は屋台が多いであろう校舎外へと向かった。
「にしてもすごい人だよなぁ…人酔いするなこれは」
保護者に中学生など外部の人も沢山来るためかいつも以上に校舎の外へ出るのが難しい。
輝は階段をおりて1階へと向かうが校舎外へ近づけば近づくほど人が大量におり全く進まない。
そしてあまりにも人が多いせいか少し気持ちが悪くなるぐらいだ。
「この高校…完全に舐めてた…」
大量の人を見て輝はこの高校の文化祭を舐めていたことを後悔する羽目になった。
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「やっと抜けれたよ…確かに文化祭人多いから気をつけろよって先生言ってたなぁ」
前日に増田が「この高校の文化祭は沢山人が来る…気をつけろよ」と言っていたが輝はそのことを半信半疑だったため少し舐めていた。
だが今日の現実を見ると舐めていた前日の自分を殴りたくなる。
(これからは気をつけるか)
同じ轍を二度も踏まないためにも今日この場で違うことにした。
「あれ〜!あの人って!」
「うん?誰?」
元気の良い好奇心旺盛が形になったかのような人の声が聞こえる。
「気のせいか…」
「ねぇねぇ、君でしょ橘輝君」
「!?」
声の主はどんどん近づいて来て最終的に輝とわずか1センチの距離まで詰められた。
ポニーテールが特徴的で甘い香りが輝の花を刺激する。
背丈も輝の腰ぐらいまでしかないのにとても匂いが香る。
「だ、誰?」
「うふふ会いたかったよ」
背が小さいため一瞬小学生と間違えてしまったが行動の端々から少し大人な雰囲気がある。
顔も童顔で背丈も相まって年相応に見えない。
「ソラのお友達なの〜!いやぁ聞いていたよりかっこいいね!」
「そ、そうかなぁ〜」
あまり面と向かってかっこいいなどと言われたことの無い輝は物の見事に照れてしまった。
そんな輝を見たのか少女はニハハと笑いさらに攻撃を仕掛けてきた。
「そうですよ〜ほらぁ少しブカブカなのも味があって〜」
「さ、さすがに照れるな…」
「うふふ可愛い〜」
小悪魔っぽいと言われればとても小悪魔っぽい子だ。
輝はそんな小悪魔な少女に今きちんと主導権を握られてしまった。
「あ。そうだった私の名前まだ行ってないね、私の名前は新島三葉よろしくねー」
「あ、よろしく」
三葉はそう言うと輝の手を握りどこかへと連れていこうとした。
連れていこうとした方向には…
「あれ?三葉もご飯食べに来たのか?」
「そうだよー!」
「仲間だな…俺もちょうど食べに来たところ…じゃ付き合うよ」
「やったー!」
運良く三葉の向かう方角は輝が行こうとしていた出店が沢山ある中庭の方だったのだ。
三葉はその方角に輝の腕を思いっきり引っ張りながら走って向かった。
輝もコケないようにかつ三葉のペースに合わせながら走っていたのだ…
「さすがですね三葉さん…本当に…これだと計画が上手く行けそうです…」




