最終調整時々ハプニング(1)
「ここの用意は終わったぞ!」
「こっちも用意ができた!」
「こっちに何人か来てくれ!少し大掛かりな作業になるぞ!」
学校中に響き渡る最終調整などで上がる声。
もう文化祭が始まるのだなと覚悟や気持ちが決まってきた。
それはもちろん輝も例外ではない。
「⋯もう文化祭か⋯」
刻一刻と迫る始まりまでの時間。
輝たちのクラスはコツコツと準備を積み上げていたためすぐに準備が済み絶賛暇なのだ。
他クラスに友達がいないため他クラスに行くことも出来ない。
そのためとても暇なのだ。
今暇すぎてやることも無しにずっと受付に座っている。
「⋯眠い」
周りは騒がしいが輝たちのクラスは準備での騒がしさとは無縁の状態なためその落ち着きのせいか輝は眠気が襲ってきた。
「ふわぁあ」
少し大きめの欠伸をしながら外の景色を見つめた。
窓の向こうから見える景色は何も変わらない。
「輝!」
「うお何だ要⋯」
突如輝の後ろから要が抱きついてきた。
あまりにもいきなりすぎたせいか輝は席から飛んでしまった。
そんな輝を要は「大袈裟だな〜」と笑いながら済ます。
「はぁ驚いたぞ⋯まぁ⋯暇だったところだからあんまり悪いとは言えないな」
「お!暇だったのか⋯私も実は暇でな!」
どうやら要もかなり暇していたようだ。
聞いたところによると今輝のクラスの人は始まるまでの時間何もトラブルなどがないためみんなぼーっとするかスマホゲームなどで時間を潰しているだとか。
「ま、平和と余裕がが1番だしね⋯」
「そうだね〜」
だがトラブルというものはいつも突然だ。
「誰かー!フォトスポットが倒壊したぞ!」
どこかから声が聞こえる、色々なところで声が聞こえるがこの声が一発で教室から聞こえた声だということは理解できた。
その声を聞くと輝と要は先程まではぼーっとしていたが急に立ち上がり教室の中へと入った。
中へ入ると既に騒ぎが拡がっている。
輝と要は周りの人を掻き分けながら見えるところまで行くと現在の惨状が見えた。
見た感じだとどうやら誰かが意図的に壊したのではなく飾りによる重量の過多により倒壊したのだろう。
「大丈夫か?テープ持ってくるよ!」
「なら俺はリカバリー用の素材を集めてくるよ!」
沙也希と浩史の危機迫った声が聞こえた。
2人の声が聞こえると2人とも教室から猛スピードで出ていってしまった。
「今できる簡易的な処置は俺がやるよ」
沙也希に浩史もクラスのために動いているのだから輝も動かないとと自分の手で分かり動き出した。
輝はまず破損箇所がないか確認をした。
確認の結果破損箇所はゼロ。
「壊れては無いのが救いか」
輝はそう呟くと軽く全体を見渡した。
「んじゃ修復開始!」




