生徒会時々仕事
ここは生徒会室。
普通の教室のような見た目をしているが家具などが置いてある他、普通に構成員の趣味の物まで置いているこの部屋。
今この生徒会室では鬼気迫るくらいの仕事に追われていた。
「承認!不承認!承認!承認!」
「多すぎます〜このままだと帰れないじゃないですか〜」
「承認!承認!承認!」
雄一とミリヤは書類仕事をしていた。
雄一はクラスの案を承認したり部分的な不承認を出したりする大きな作業。
ミリヤは書類を纏めるだけの仕事、しかしその書類の量が馬鹿みたいに多く、ある程度片付けたが未だに机の上いっぱいに書類が溜まっているため現在ミリヤは頭を抱えていた。
「ねぇ雄一……ご飯食べに行きましょう〜」
「これが終わらないと食いに行けない」
「真面目ですわね〜」
「そりな生徒会長だしな」
終わらない書類仕事。雄一はもう何回も承認のハンコを押したはずなのに未だに積み上がるタワー。この中には文化祭以外の書類も混じっているため気を常に引き締めないと間違えて違う書類にもハンコを押してしまいそうになる。
タワーのように積み上がっている書類を見た雄一は諦めのため息を吐ききちんと仕事に戻った。
だがミリヤは違う。
「雄一〜ご飯を食べに行きませんか〜」
そう言いながらミリヤは雄一の足の間に入り込んだ。
まるで甘えたがりの猫のように入り込んだがミリヤは猫とは違いデカい。
そのためもちろん雄一は邪魔だと思っているがそれを超える何かが今雄一を襲う!
(胸がー!ミリヤ……君は身長の割に合わない胸なんだよ!……やめて!無自覚が俺を殺しに来てるからー)
「あらあら顔を赤くして〜……可愛いですね〜」
雄一にとっては最悪の事態であるミリヤに恥ずかしいことがバレたという事実。
さらに最悪なのはそれをからかわれているということだ。
「うふふ……可愛いです」
そう言うとミリヤは笑いながら雄一の頬をつんつんと触ってきた。
「ちょ。調子に……」
「あら、からかいすぎましたわ」
雄一の顔の赤さが恥ずかしさからの赤から怒りの赤に変色しているのがわかってきた。
そのことを勘づいたのかミリヤも少し焦ったのか声が早くなってしまっている。
「のるなーーーーー!」
「ひええええぇ!」
雄一の口から火が出るのではと思うくらいの勢いの声が生徒会室中に響き渡った。
ミリヤも驚きのあまりなにかに驚いた猫のように飛び跳ねてしまった。
だが先程も言った通りミリヤは猫ではない。
体が小柄とはいえ人間だ。
小柄とはいえミリヤ程の人が飛び跳ねると……
「ゴフ!」
雄一の腹に飛び跳ねた拍子に飛んできた拳がみぞに入り悶え苦しんだ。
しかし真の不幸はこれからのようだ。
「うわぁぁぁ書類がーーーー!」
ミリヤが飛んだ衝撃で書類が雨のように降り注ぎそれらの書類が辺り一面の地面に散らばった。
周りを見ると先程までの木のような色の床はなく白色の床にへと変貌を遂げた。
「………」
「あ、その、雄一……?」
先程から雄一が生徒会長席から動かない。
雄一の反応が消えミリヤの中から真の不安が身体中を過ぎった。
嫌われてしまったやもう二度と話を聞いてくれない……等などマイナスのイメージを想像してしまう。
「ミリヤ……」
「はい!」
ついに口を開けた雄一にミリヤは驚きと嬉しさが混じり声が上ずってしまった。
雄一の少しドスの効いた声をミリヤの顔を何も言わずただじっと見つめる。
そして雄一はやっと顔をじっと見つめ口を開けた。
「反省文100枚」
「……え……」
⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯
「終わりませんわ」
「自業自得だ、一枚で済ましたのは優しいだろ」
「横暴です!横暴横暴!」
ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)




