体育祭after 打ち上げ(3)
「もう二人共どこ行ってたの?」
輝と美神が二人仲良く席に戻ると要がニヤニヤした表情で見つめてきた。
この手の顔をする時は大抵ろくでもないことを考えているときだと輝はわかっている。
「いや、普通に話してたら遅れた……それだけ」
「それだけか〜」
一瞬目元を見られていないか焦ったがどうやら要は涙のあとがくっきりと残っている顔は見られなかった。
その点は要の鈍感さに救われたのかもしれない。
「まぁ肉は少し残ってるし食べたら?」
「あれ?ソラとかは?」
肉と聞いたらすぐ向かってきそうなソラだが今回は静かだ。
他にも浩史も飛びついて来そうだが妙に静かな気がする。
その疑問が顔に出ていたのか要は溜息をつきながらあるところを指さした。
そこには死にかけの顔をしたふたりがいた。
「あまりにもうるさかったから脂身の多いところを上げたらバカ真面目に全部食ってくれたんだ。そのおかげで今これ」
要はそう言うと机の上に置いてある水を1杯勢いよく飲んだ。
改めて要の考えの怖さにその身が怖気付来そうになった瞬間だ。
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もう気がつけばあたりの日は完全に沈み辺り一面が夜の暗闇を身にまとっていた。
「いやー食った食ったー!」
「沢山食べたわね」
「そ、そうですね」
沢山食べれて要はたいそうご満足な様子で店から出てきた。
美神もこいしも要程では無いがお腹が溜まるほどは食べれ不満などは無い終わりだ。
「ウップ……気持ち悪……」
「か、要様……脂身を渡すとは……油断ならない」
浩史とソラは脂身を食べさせられたせいか先程からずっと顔が青く染っている。
いつ限界を超えて口から出るか分からないと考えると水くらいは私でやりたいのが輝の心情だ。
「浩史にソラ……馬鹿みたいに脂身食って……どれだけ腹減らしてたんだ……」
「まぁ血に飢えた動物くらい勢いよく食らいついてたしね」
沙也希にそう言われると2人とも色々な意味で馬鹿だと改めて思ってしまった。
沙也希も苦笑いなためだいぶ知らない間に色々としていたのだろう。
(本当に馬鹿じゃねぇか……)
浩史にソラは顔を俯きながら歩いているのでかなり気分が悪いのだと予測が着く。
「……水奢ってやるか……」
こうして輝たちの体育祭は幕を閉じた。
しかし!
体育祭の余韻など浸るまもなく「あの行事」は向かってくる。
この高校の年間行事表で1番忙しい時期の半分がやっとこさすぎたところだ。
これから折り返し地点!
折り返し地点の行事……
その名は!!!!!!
「文化祭だ!」
【文化祭編……スタート!!!!!!!!】
ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)




