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罪と罪悪感

短めですm(_ _)m

こぼれ落ちたのものはもう二度と戻らない。


人の命はその代表的な例と言っても差し支えないだろう。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


輝の両親の死亡から1ヶ月程度が経った。


子供の輝には親を殺した相手がどうなったのか、明子が秘密裏に動いている訳を知る由もなく過ごしていた。


渚も親の死から立ち直れてきた頃合だろう。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


時は遡り数週間前。


母と父の亡骸を見せるはずがなかった渚に見られてしまった時である。


あとから聞いた話、どうやら渚は隠れてバレない感じに霊安室に入り込んでいたらしい。


「嫌だー!ママ!パパー!死なないでー!」


輝が親の死以来で初めて渚を見た時はとにかく泣いていた。


無理はないだろう、渚の見た景色は白いベッドに顔をタオルで隠されている2人の大人の姿なのだからだ。


天にその声を届けんと言わんばかりに声を上げ泣いていた。


母と父の亡骸にしがみつき一向に離れない姿を見て改めて輝は世の中の辛さを理解できたのだ。


「嫌だ!2人が起きるまで離れない!」


看護師さんに何を言われようとも渚は親の亡骸から離れない。


看護師さん2人がかりでやっと張り付いた渚を取り除けるくらいがっちりと捕まえていたのだ。


だが離れた後も後で


「やだぁぁぁぁ!死んで欲しくないよー!私ひとりぼっちは嫌だー!ママー!!パパー!!」


看護師さんがあやすかのように背中を軽く叩いて落ち着かせているが渚は落ち着く気配を全くしない。


離れたいと言わんばかりに暴れに暴れているが所詮幼稚園児、全く看護師相手に歯がたっていないぐらいだ。


もう抵抗が無駄なら諦めると思うが渚はそれどころか先程以上に暴れが酷くなる一方だ。


「いやぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」


叫び声を合図として渚は再度暴れ始めた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「スースースースー」


渚の暴れも結局無駄に終わり散々やった疲れからか渚はベッドにしがみつきながら眠ってしまった。


その眠りの姿の目尻にはまるでダイヤモンドのように涙が溜まっている。


(渚・・・ごめん・・・)


この渚の一通りの行動を見て輝は自分の弱さをまた知ってしまった。


もうこれ以上感じたくない。辛さや罪悪感とは・・・


(俺が強くならなくちゃ・・・もうこんな悲劇を繰り返さないためにも・・・)


この日輝は誓った。


強くなるために・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

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