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体育祭編 波乱の借り物競争余波編

「では1着のお題は・・・」


ついに来てしまったお題発表。


輝はもう心臓がバックバックなためどうにかなりそうだ。


それに比べ美神は反対、どこか落ち着いている。


だがその落ち着きが今の輝には焦りに変わってしまう。


「お題は・・・守りたくなる人でした!」


「・・・え?」


美神が口を開けてらしくない顔でぽかんと固まっている。


彼女がこんな顔をするのは見たことないので輝は驚きがある。


いつもの美神ならこんな間抜け面を見られたら恥ずかしくてパンチが輝の頬を打つが今の美神にはその衝撃をうち飛ばすくらいの衝撃で固まっているのだろう。


「・・・あ。あの美神?」


輝はフリーズしてしまった美神を揺さぶったりぽんぽんと叩いたりしたが美神が中々戻らない。


そんなことを数秒すると突如ハットさせ輝の顔をじっと見つめた。


その瞳はどこか目の奥になにか秘めている、輝にはそう感じとれた。


「・・・え、あ、うん」


(やらかしたーまた地雷踏んだよー!)


自身の注意力の甘さに輝はこの日初めて酷く嘆いた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


こうして体育祭の裏のメインディッシュである波乱の借り物競争が終わりを迎えた。


そしてついにメインディッシュであるリレーになったが輝はどうも集中できない。


先程の出来事のせいか頭が美神のあの瞳を永遠にフラッシュバックさせる。


(何故だ、なぜずっと思い出してしまうんだ!)





この日のリレーは全く集中出来なかった。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


こうして波乱に満ちた体育祭を終了を迎えた。


体育祭が終わり教室で輝と沙也希に浩史、美神に要はくだらないことで話していた。


辺りが徐々に夕日に包まれあの体育祭の騒々しさもどこか遠い日の出来事に思えるくらい校舎は静かだった。


体育祭のことやゲームのこと、その他諸々を話していたが輝は中々会話が頭に入らない。


見つめられた時の美神の瞳が脳裏を過ぎるからか分からない。


だが輝はあの顔が忘れられない。


そのため会話に全く集中できないのだ。


「どうかしたか?輝」


「あ、大丈夫大丈夫」


浩史が輝の反応に違和感を覚えたのか話しかけに来た。


少し反応がおかしくなったがそれ以外あまり違和感という違和感を特に感じることなく返すことができた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ねぇねぇ輝!打ち上げ行こ!」


「また唐突だな」


突如要が今いるメンバーで打ち上げに行こうと言い出した。


「うおーーいいね!行こいこ!」


浩史と要はかなり性格が似た者同士だお祭り騒ぎが大好きでこういう行事事は浩史は大好物である。


そのため浩史は誰がどう言おうともOKだ。


「まぁ俺も良いよ」


沙也希はクラブに入っているためすこし怪しかったがOKなようだ。


沙也希は表面上はイベント事でも普通を取り繕っているが中身を開けるとなんやかんや楽しむタイプの人なのでこういう後夜祭も実はノリノリなタイプである。


「まぁ私は良いけど」


要からしたらだいぶ難易度が高いと思っていた美神だったが特に苦労することなくOKだった。


「輝は?」


「まぁ行くけど」


「はは、行かないとか言っても無理やり連れて行ったけどね、おばさんも駆使しまくって行かしてるとこだったよ」


「怖ぇよ」


こう言ったことを笑いながら言える要に輝は少し恐怖心を抱いてしまった。


要と輝の仲はここの誰よりも長くそして深い。


そのためこの手のジョークは2人のお得意科目だ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


こうして教室での物語は終わった。


だがまだ体育祭の物語は続く。


新たなステップに行くまでのステップへと・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


もう辺りは夕日で真っ赤に染まっていた。


輝はお腹を壊したためトイレに行っておりトイレから帰りスマホを見てみるとある一通のメッセージが届いていた。


『帰る前に生徒会室に来て』


美神からの一通のメール。


これがこの2人の少しおかしな関係を変えることになる!


辺りの静けさがより異質さを際立たせるのに最高のスパイスとなってしまった。

ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

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