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体育祭編 最悪の再開

輝は美神を保健室に預け終えると後者を出た。


校舎を出たら暑い日差しに眩しい太陽が先程まで薄暗い校舎内に居たせいか酷く目に染みる。


そんなことを思いながらテントに向かっている時、出会いが呼んだ・・・


「・・・橘様・・・ですよね」


「・・・あなたは・・・」


後ろを振り返ってみると中庭の池を背にしながら立っている人が1人いる。その人は輝が敵視している人。


「一真・・・さん」


後ろに居たのは美神と茜の父、氷川一真だ。


「そんな敵を見るような目をしないでいただくと嬉しいです、私は今日は別にあなたと戦うつもりで来たのではありませんよ」


輝は相当顔を顰めていたのか一真が優しく言った。


だがそれでも1度染み付いてしまった偏見や悪い面はどれだけ頑張っても拭えない。


特に輝は一真に対して酷い敵視をしている。


「・・・要件を早く言ってください、こちらもあまり時間をかけられないので」


「そのようなことはわかっておりますので手短に終わらします」


輝は早くここから脱出したい一心でできる限り冷たい冷酷な話し方をしていたがそれでも一真は言葉遣いを全く変えない。


大企業の社長をしているのもあるのか余裕が輝とは圧倒的に違う。


「私は橘様に謝りたいのです」


「・・・謝罪ということか?」


驚きのせいか輝は鳩が豆鉄砲を受けたような表情をしてしまった。


一真になにかされたのか全く思い出せない、輝はカフェでの一件以来会ってはいないのでなぜ今のタイミングなのか全く理解できない。


そのことが一真にも伝わったのか


「・・・橘様は私がクビにさせた社員に刺されましたよね?」


「あ、はい・・・」


「その件で謝罪したいのです、あの時は何も言えなくて大変申し訳ございません」


一真は人は居ないとはいえ中々大きな声での謝罪をした。


かなり深く頭を下げているためその誠意が嫌でも受け取れる。


「もうこの件は大丈夫です、もう自分に出来ることはないのであとは大人に任せます」


あまりにもの誠意ある態度で少し焦り気味だが1度深く深呼吸をして慎重に一真にこの旨を伝えた。


一真も理由を聞くと頭を上げ「わかりました、ここからは私も手を貸します」と輝の目を見ながらはっきりと言った。


輝としては表面上はこの件から身を引くつもりだがもちろん表面上の理由が全てでは無い。


表に出さない理由は早くにでも一真関係のことを切り捨てたいという意思だ。


「・・・わかりました・・・とりあえず今自分から言えることはそれだけです」


輝は一真との会話をだいぶ強引に話を終わりへと持っていった。


一真も輝の気持ちを理解したのか


「貴重な時間をいただいてしまい申し訳ありません」


そう一真は言い残すともう一度頭を会釈程度に下げ校門側に向かった。


だが今日の一真の目は前見た時みたいな恐怖感はなかった、あるのは純粋な誠意のみしか輝には感じなかったのがある意味驚きだ。


(かなり警戒したが・・・どうやら杞憂だったんだな)


輝は一真の一挙手一投足を見て怪しい行動をしないか見張っていたのもあり一真との話が終わると緊張の糸が一気に解け今更ながらの疲れが輝を襲う。


「・・・疲れた」


そう呟くと暑い日差しを体に浴びさせながらテントの方へと向かった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「・・・彼のデータは軽くだが集まったな・・・できる限り大人の場には顔を出したくない・・・か、これは面倒だな」





ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

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