表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
122/178

体育祭編 競技

「さぁ午前の部最後の競技はー!障害物走だ」


輝は選手入場口で実況の盛り上がりがある競技説明を聞いていた。


(良くここまで体力持つよなー)


先程から人は代わり代わりで行われているがそれでも午前中ずっとテンションを最大限にしながら実況する放送の人を感心しながら刻一刻と迫る輝の競技の始まりを待った。


「では選手入場!」


放送の人の一言でついに入場が始まった。


入場してみると周りの視線をとても感じすごく居心地が悪い。


(この緊張感…怖いねぇ)


この地に立って初めてわかる体育祭で競技をする緊張感。


もう既に帰りたいが競技は始まってすらない。


そんなことを考えているうちに輝は待機場に着いた。


待機場と言ってもそこは校庭のど真ん中。


もっぱら視線を受けて当然のような場所だ。


「・・・怖いな」


輝は寒くないはずだがとても何かが寒くなってきた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「よーい」


パン!


ついに輝の番だ。


1年のため割とすぐに順番が回ってきたが輝的にはこの時間は何よりも長く感じやっとかという所まで長かった。


そしてついに


「位置について・・・よーい!」


パン!


輝の前の人が走って行った。


もう始まる、そう思うと心臓がとてつもないほど大きな音で鳴り体の震えが止まらない。


周りの声も今だけは聞こえないくらい意識はどこに行っているのか自分でも分からない。


そんな不思議な感覚で輝は


スタートラインに立った。


障害物走を選んだ理由はひとつ!


(障害物なら自分のスピードよりどれだけ早く障害物をくぐり抜けるかが重要、そうなら俺でも勝てる!)


「位置について・・・よーい・・・」


バン!


電子ピストルの発砲音が辺りを包んだ。


そして発砲音と共に輝は走り出した。


輝自身スピードは遅い方だと思っているが傍から見ると普通。なんなら少し早いくらいなスピードだ。


そのため輝の今現在順位は1位。


だが障害物走はここから全然最下位になる可能性を多く含んでいる。


まず第1の障害物はネットだ。


緑のネットをくぐり抜けるのがクリアの方法だ。


「よしゃ!行くぞ!」


まず緑のネットに入るために入れるくらいのスペースを空けた。


そこから自分の体を入れると……


「じ、地味に絡まるな……」


少し苦戦はしたものの何とか1番で逃げ切れることが出来た。


後ろをちらっと見たが少しもたついたのもあり2位と輝の差が縮まりつつある。


だが走りでは基本負けないとわかったのでその点は安心出来る。


そして次の障害物は跳び箱……


4段の跳び箱を乗り越えるといった至ってシンプルな内容だ


跳び箱前にはロイター板もあり普通にこれは難なく突破できそうだ。


「いち、にの、おりゃー!」


跳び箱前のロイター板を見ると少しスピードを落とし歩数を会うようにした。


そして1番良いポイントを見つけるとそのままの勢いでロイター板を思いっきり踏み込み……


「ほい!」


輝の体は宙に浮いた。


宙に浮き中学の時に習った通り奥側に手をつけ体を引っ張った。


「っしゃ!」


中学では全くできなかったがきちんとコツを押さえるとできたのが驚きだ。


この跳び箱の飛び方は自分でも100点を出したいくらい綺麗に飛べた。


「このまま行けば勝ち!」


輝の後ろの後続はもうほとんど居ない。


これは確実に勝ったと言っても過言では無いがまだ油断はできない。


次の障害物で一気に足止めを食らうといっきに順位が変わる可能性がある。


そのため今この場で調子に乗ることはできない。


「次は……」


次の障害物は、というかこれが最後の障害物だ。


障害物は


「何だこの紙?」


輝の目の前にある机の上に大量の紙があった。


何がしたいのか正直輝的には全く分からない。


「おーっとここは!今年初めての障害物!『〜〜を持ってゴール!』だー!」


「何それ!?」


今までのテンプレートのような障害物走しか見た事のない輝にとってとてもイレギュラーな展開が起きた。


まだ頭が理解ができていない。


「あちらの机にある紙にあるお題のものを持ってゴールに走る!それがこのレースの最後の障害物だ!そしてこれは何回目の説明だー!」


実況の人も何回も説明していたらしく先程まで気が飛びつつあった輝は全く話を聞いていなかったのだ。


だがこの実況を聞きやっとこさやり方がわかった。


「んー?もうこれでいいや!」


半ば焦り気味で手に取った紙に書いていたものは……


「こ、これは?」



『お題→1番仲の良い異性の友達』




「……あいつを呼ぶか!」


どうやら借り物競争前に一悶着ありそうなお題が飛んで来てしまったようだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ