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体育祭編 信頼と友情の生徒会

本日はすみません


執筆した日が年末だったのですよ・・・


少しゆっくりしたいなぁってことで・・・


本日1本だけって言うことなのですよ!


大変申し訳ございませんm(_ _)m

「はぁ疲れた・・・」


「ほんとお疲れ・・・疲れたわね」


「ごめんなさい、私が従わなければ良かっただけなのに・・・」


3人は何とか増田の力により元の場所に戻ることが出来た。


今3人は同じテントの下で涼んでいる。


先程まで日差しがとても眩しい空の下での舌戦だったため今この日陰の涼しさがとても身に染みる。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


増田は3人に


「ここからは大人である俺を頼れ、わかったか」


と言うと男を連れてどこかへと行ったのだ。


声も雰囲気もどこかオーラが変わっており少しかっこよさがあった。


「ひとまず面倒ごとは去ったしとりあえずこれで良いじゃないか」


輝はあの時何発か男から攻撃があったにも関わらずいつものようににへっと笑っている。


美神はその呑気さに半ば呆れかけているがどこか安心したような表情も浮かべている。


「はぁ・・・輝は輝でよかったわ・・・」


「なんかそれ悪口みたいな感じだな」


「違うわよ」


「もしそれ悪口じゃなかったら尚更最悪だな」


「本心だけど」


「厳しいなぁ」


2人はどこか馬鹿らしくなったのか輝が笑い始めるとつられたかのように美神も笑い始めお互いが相手に向かって笑いあった。


2人の何気ない会話、お互い皮肉を言い合いながら笑って過ごす、そんな何気ない日常が輝にはとても幸せに思えてきた。


先程の舌戦、少し間違えたりしたらこの何気ない日常はなかったのかもしれない、輝は目の前で親を事故で亡くした・・・


その記憶は今でも確かに脳裏にこびりついており今でも日常はいつどこで崩れるか分からないと思っている。


繊細で儚い、そんなひと握りの日常が輝には・・・どこか握るのが怖い、でも・・・


「どうかした?」


「あ、ごめんごめん少し暑くて」


「気をつけてね」


「うい」


輝は少し考えていたせいかぼーっとしているように見えたらしい。


もちろん美神は人をよく見ているため輝のその様子にも気づいたらしく聞いてきたが輝のその場しのぎの嘘で耐え抜いた。


だが美神はまだ心配してそうな顔をしている。


「まぁ大丈夫、どうせ数分もしたらマシになるし」


「わかったわよ」


輝の根拠の無い理論を美神に言い聞かせると美神も許可をくれたのか素直に引いてくれた。


だがそこからの会話の繋ぎが上手くできないためかこのテント内で微妙な空気が流れてしまった。


辺りは体育祭の盛り上がりでうるさいがこの輝の席周辺は辺りのうるささはなく静かな落ち着いた空気が流れている。


「あ、あの・・・」


「こいし?」


「どうしたの?」


この気まずい沈黙を破ったのはこいしだった。


こいしの顔はまだ不安を帯びている。


「あの、わ。私・・・本当にごめんなさい、何でも言う事を聞くのでどうか・・・」


「そこまで謝らなくても・・・そこまでしなくてもいいよ」


「私も全然大丈夫よ!」


こいしがとても罪悪感のせいかずっと謝ってばっかだ。


先程からどこか反応がぎこちなくあまり目も合わしてくれない。


輝と美神としてはこのことは忘れようとしていたがどうやらこいしは罪悪感のせいか忘れるどころか罪を償う気満々だ。


「わ、私・・・友達・・・と、として最低なことを・・・なんでも言うことは聞きますので!」


どうやらこいしは美神に嘘をついたことで気に病んでいるらしい。


美神は全然気にしていないがこいしがここまで気に病んでいる姿は可哀想なのである策を打つことにした。


「そこまで言うのなら・・・じゃあ一つだけ・・・このことはこれでおしまい!」


「え、ほ。本当に・・・そんなの氷川さんには何の得も・・・」


こいしは酷いことを言われるのかと思っていたようだが実際はとても暖かい言葉だった。


あまりにもの驚きのせいか言葉が出てこない。


なんなら頭も働かないため今どんな状態かすら分からないくらい混乱している。


混乱しているこいしにそっと美神は近づき優しく手を握った。


その手はどこか温かさや頼もしさを感じさせる、この安心感がどこか心地よい。


「だから片原さんはもうそこまで怖がらなくても良いのよ・・・私たちは誰も片原さんの秘密に足を突っ込んだりしないわ」


「う、うぅ・・・ありがとう・・・ありがとうございます・・・そして・・・ごめんなさい」


こいしは親以外からこういったことを言って貰えなかった。


それくらいこいしは交友関係が無いのだ、しかしこうやって言ってもらい安心感を与える、親とは違う安心感がある。これが今まで欲しかった友情なのだというのには理解するには少し時間がかかった。


だが今少なくとも感じている感情は先程まで男の支配で溜め込んでいた恐怖。


その恐怖が今解き放たれた。


涙を流したくない。でも体は言うことを聞かず永遠に涙を流し続ける。


そんなこいしを美神は拒絶することも無く優しく受け止めてくれた。


(私・・・恵まれているなぁ・・・ありがとう・・・氷川さん、橘君・・・)

ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

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