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体育祭編 疑惑と疑念の生徒会

体育祭自体はとても円滑に進んでいる。


皆の士気も右肩上がりで盛り上がりは常に高い。


そんな無駄のない絵に書いたような最高の体育祭でも裏の事件がある。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「美神さん少し来て欲しいんだ・・・すぐ終わるからできる限り早めがいいのだけど」


第2競技が終わりまだ自分たちの競技が始まらない2人はずっとベンチに座っていた。


しかし第2競技が終わるとあるどこにでも居そうな普通な雰囲気の男子生徒に呼び止められた。


その男子生徒は呼び止めると輝はもちろんながら無視で予測通り美神の方へ近づいた。


美神は困ったような顔をしながらもその男に怪しさというものを感じなかったらしく


「じゃ輝少し行ってくるよ・・・」


そう言うと美神はその男に着いて行った。


だが輝はその男の目に何か違和感を感じていたのだ、どこか輝を見つめる目が黒い何かを含んでいる言えば不気味な目だ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


着いた先は誰も人がいない校舎前だ。


横からは体育祭の盛り上がりの黄色い声援が沢山聞えるこの状態は少し非日常感を含んでいてどこか興奮をかきたててくれている。


「で、何か用?」


美神はまだこの男を完全に信頼していない。


そのため少し言葉の端々に刺があるように聞いた。


だが男は顔を変えず


「美神さんがよく話している人、橘輝だよね?」


「えぇ、でもそれがあなたに関係あるの?」


不快


それが美神の気持ちだ、勝手に自分の交友関係に文句をつけられるのは美神にとっては最悪であり不快でしかない。


不快という感情が出てしまったのか男は少し申し訳なさそうに


「すみません、大丈夫ですよ美神さんが「このこと」を聞いても大丈夫なら」


「どういう意味?無駄な話は時間の無駄よ、暑いんだから早く帰らして」


男の何か大きなものを隠しているという事実。


きっと大きな事実を持っているからさっきから今まで余裕でいられるのだろう。


だがどの道不快以外ない。


「輝がこいしに脅しをしていることに気づいていますか?」


「脅し?」


出てきた内容はどうもいつもの輝からは考えられない内容だ。


だがいきなり言われると脳がショートしてしまうため美神はポカーンとしながら男をじっと見つめた。


だがそれでも男は説明を止めることなく続ける。


「生徒会にこいしさんが参加すると決めた時違和感、ありませんでしたか?」


「・・・」


こいしが入る時どこか怯えていた、何か強い者に従う。そんなオーラがしたのだ。


だがその時、輝は入院中、そして目覚めた時にはきっとまず生徒会ということを忘れていたという事実がある。


そのためこの男の言い分と輝と過ごした事実、明らかにどれをとっても輝を信用する他ない。


「そんなつまらない嘘をつくためにわざわざ呼んだの?最低ね、私は輝のことを友達だと思っているのよ・・・大事な友達をバカにしないで」


「・・・」


前の美神の柄にもないような怒りの言葉が次々と喉の奥をつっかえることなく出てくる。


いつもの輝に向ける怒りなんかより大きく・・・そして強く、そんな意思のこもった怒りを男にぶち込んだ。


だがまだ男はカードを持っているのかまだにやにやしている。


「・・・でも入院中の美神さんが学校に行っている間・・・輝は何をしていたか分かりますか?」


「・・・分からないわ」


男が言った通り美神はずっと輝の元にはいなく、学校がある時は学校に行っている、その間輝は1人である、そのため学校へ居る間にいくらでもやれば出来る。


そう言われると美神も反論が中々できないため素直に1歩引くことしか出来ない。


この1歩引くということが男の新たな攻撃のトリガー。


「そしてこいしさんが輝に脅されたと言われた証拠はこの写真を見ての通りメールです」


そう言うと男はスマホを開け写真を見せた。


確かに証拠である写真には輝のアイコンから脅しのような文が出ている。


だがまだ・・・美神はこの男を信頼できない。


「・・・」


「分かりましたか?美神さんが話している輝はこんなクズなのですよ!だから早く縁を切るべきで・・・」


「なら・・・片原さんを連れてきて!」


男が最後の一押しのようにたくさんの情報を美神の頭に叩き込んだが美神には何も効いていない。


なんならこの証拠から輝の冤罪を証明する手がかりを作り上げれそうなくらいだ。


「い、今こいしさんは競技に出てるから・・・」


「え、あの私に何か用が・・・」


運が良いのかそれとも悪いのかこいしがたまたまトイレに行くためにこちらの校舎の方へ近づいていた時こいしという名が聞こえたらしく近づいてきてくれた。


男の顔から暑さなのかそれとも焦りなのか汗が流れてきている。


これ幸いとみた美神はこいしに聞いてみた。


「あの片原さん、この人から聞いたのだけど輝に脅されたの?」


「わ、私は・・・」


だいぶ大胆に聞いてしまったせいかこいしがかなり焦ってしまっている。


だが美神はこういう大胆な性格なためこうでしか聞けないのだ。


「・・・私は」


こいしは軽く深呼吸を1度行い口を開けた。


「私、片原こいしは橘輝に脅されました・・・」


「え」




ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

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