体育祭編 テント内にて
短いけど許してね
というか体育祭編自体短い文で構成することになりそう・・・
そして
今年最後の日ですね
皆さん悔いは無いですか?
私は特に悔いという悔いはありませんがもっと友達とカラオケ行きたかったですね
開会式が終わり最初の競技の用意が始まった。
もうこの頃のクラスのテンションは1番盛りあがっている。
どこを聞いても叫び声しか聞こえないこの会場。
陰キャの輝には少し厳しいものがあるがもちろん楽しんでいないわけが無い。
むしろこの非日常を楽しんでいるぐらいだ。
だが「ある人」は楽しめていなさそうだ。
「氷川さん!このレース見ていてくれ!」
「俺もだ俺も・・・」
「氷川さん、このレース勝ったら・・・」
最初の競技に出る人達が美神の元に集い色々と話をしている。
しかし会話の内容が内容なため美神は
「無理」
と冷たく突き放しているがそれでも縋って来る人たちに美神は嫌気がさしてきているのがわかってきた。
美神は輝がその光景を見ていることに気づいたのか目で訴えに来た。
さすがの輝もそこまで男は座っていない・・・
だから結果は・・・
「ちょっと失礼・・・美神に聞きたいことがあったんだ」
体はもう既に動いていたらしく美神の元に集って人たちを掻き分けて輝は美神に近づいた。
「何?」
「この競技ってどこの入口使うんだっけ?」
「赤の入口よ・・・」
「ありがとう!」
輝は心では嫌だと思っていたが体はその反対をしていたのだ。
随分面倒事に足を突っ込むようになってしまったが悔いは無い。
周りの人も輝と話している間に時間が来たらしく出場選手は皆入口に向かっていった。
「気づいていたの?」
「なんでだ?」
美神が少し睨んだ感じて見つめている。
いつもの美神らしい顔に戻って少し安心だ。
「私が見ていたのを気づいたの?あと輝は隠すのが下手だから気づくわよ」
どうやら美神には全て丸見えだったらしく全て見抜かれていた。
そんな美神に「そうなら近づくなり・・・まあ無理だと思うが」と言うと美神の隣に輝は座った。
「これなら誰も来ないだろ?静かな場が作れるってわけ」
「輝が居る時点で静かの反対だけどね」
「そりゃそうだな」
輝と美神はお互いドッジボールにならないくらいの勢いで会話のキャッチボールをしていた。
互いに思っていることを口に出すことがここまで気持ちよくなるとはこの時までは思いもしなかったがいざやるととても気持ちが良い。
心が落ち着く、そんな感じだ。
美神は今まで本音を言い合える人がいなかった、だが輝となら・・・
「にしても見てるだけでも楽しいな」
「ほんとね・・・みんな頑張ってるね」
お互い会話のネタが切れたせいか少し心の距離が離れた会話に戻ってしまった。
輝は何とか会話を作ろうとしたが美神の横顔を見るとそんなことはどこか遠くに飛んでいってしまう感覚になった。
目を輝かせ見つめる視線の先には青春という言葉が似合う汗まみれの選手たちだ。
(ほんと黙って見ている姿は可愛いんだけどな)
言葉にできない思いを心の中でぶちまけると輝も静かに美神と同じ方向を向き「青春」を静かに見届けた。
ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)




