表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/178

恐怖時々殺意

クラス中がざわついているのは輝には感じている。


何となくだが理由は分かりきっていた。


絶対に食堂での要との会話だ。


(なんか視線怖くない?とても怖いのだが)


周りの視線がとても殺気を飛ばしてくる。


背筋がゾッと凍るような感覚が感じだ。


自分の席で顔を伏せているがそれでも分かるくらいの殺気がある。


さすがに耐えれなくなったのか殆どの原因であろう要の席へ輝は向かった。


「・・・なぁ要」


「なんだい迷える子羊よ」


「・・・お前食堂での会話の声のボリューム、覚えているのか?」


「ははは・・・まさかだと思うけどさっきから視線の殺気は・・・」


「100ゼロでお前のせいだわ」


そのツッコミに要は「ははは」と高笑いをしているが輝は笑えるほど精神は強くない。


輝は頭を抱え悩んだ。


(どうすれば・・・もう終わりだー!)


その時要が助け舟を渡してきた?


「ならいっその事さ、うーんわかんない」


要は急にポカーンとした顔で答える。


その様子に輝も顔をポカンとする。


(忘れていた、要の性格を、あいつは適当さが取り柄だった!)


輝は完全に忘れていた要の性格をとても恨みたい。


お互い何が何だか分からない状況なのだ。


その時輝はもう要を信じるのを辞めた。


(こいつを信じた俺が馬鹿だった・・・)


顔を下げて要の席から去った。


その間要は「どうかしたの?輝」と自身の罪を全く理解していない要の声が聞こえるがその声を無視して席へ戻った。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「なぁ輝?」


5限の休み時間の時に沙也希が疑問を持った顔で話しかけに来た。


輝は何となくだが沙也希の質問内容については把握してきている。


「なんだ沙也希」


「お前の視線、殺気を纏ってない?」


「お前も思っていたのか・・・そうだよ」


輝は顔を俯きながら話した。


沙也希は哀れみの表情で見てくれた。


その優しさが少し輝には辛くなる。


「まぁ、今回のことは・・・」


「だから!違う!」


「わかってる、俺お前と結構付き合い長いから分かるんだ・・・お前にそんなことが出来る精神は無い」


「良かったよ、少し心えぐれたが・・・」


沙也希はその様子に「悪い悪い」と笑いながら受け流す。


でも実際そのような精神力が無いのは本当だ。


ソースは輝自身。


「おやおやおや輝、視線がやばいわね」


浩史のオネェ風の声が輝の後ろから聞こえた。


「浩史・・・殴って良いか?」


「待て待て待て!」


輝は拳を硬め浩史を見つめる。


その様子に若干浩史は震えたがそれでもいつもの調子は崩さない。


少しその姿に関心を覚えた、悔しいことだが。


「まぁでも実際浩史の言う通りだな、輝に対しての視線がヤバいのは」


「お願いだ!ちょっとどうにかしてくれーーー!」


輝の魂の土下座が2人に光った。


さすがの迫真さか沙也希と浩史は軽くビビっている様子だ。


でもここまでのことをしたせいか2人は顔を元に戻し


「しゃあないな!お前の友達としてやったるぞ!」


「まぁここまで頼まれると断れないね、やるよ」


「ありがとう!俺も本気でがんばるよ!」


3人の友情を確かめるような硬くそして熱い握手が行われた。


(やっぱ良い奴しかいねぇな)


3人は手を離すと浩史が提案を出してくれた。


「とりあえず輝よ、噂は75日、お前なら耐え切れる」


「え?」


浩史も輝も顔がポカーンとしている。


輝はなぜ浩史がポカーンとしているのかが分からない。


(あれこれどこかで見たような)


「ご、ごめんもう1回」


「え、内容は簡単だぞ75日耐えて」


「ごめん俺お前と友達やめるわ」


「待て待て待て!」


浩史の高速の謝罪が見ていて滑稽に思えてきた。


浩史の謝罪時の顔がとても必死な様子なので少し面白さがある。


確かに75日も経てばきっと話題は過ぎ去るがそこまで耐えれていたら苦労はしない。


そしてよくよく考えてみたら浩史は頭が悪いで有名だったのを今思い出した。


(これどうにかなるのか?)


輝は早速だがもう諦めムードに入ってきている。


少なくとも75日間耐えるのは普通に無理ゲーだ。


(もっと人に興味を持とう・・・)


そう固く輝は1人静かに決意するのだった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


帰り際いつもの如くスマホで呑気にゲームをしていると後ろからとても覚えのある匂いが近づいた。


後ろを向くと薄紫色の透き通るような髪が見えた。


「・・・美神か?」


「輝またいつもみたいにやってるの?」


「あぁそうだよ、悪ぃか?」


「いや、今日の昼休みからの視線気づいてないの?」


「さすがの俺でも気づくよ・・・あの死の視線だろ、まぁ泳がせていいだろ、どうせすぐ終わるし」


「悔しくないの!」


「は?」


輝は本当に何を言っているのかまったく分からなかった。


美神の意思がまったく分からない。


「悔しくないのって!」


「悔しくも何も、何が何だか」


「輝が私に釣り合っていないからこれだけ話題になってるのでしょ!悔しくないの輝!」


美神の必死に叫ぶ姿はまるで自分のことのように話しかけてくれた。


「俺はそこまでできた男ではない!それくらい今までのことでわかってるんだ」


「・・・輝、私は悔しいの」


「美神・・・」


美神の顔がどんどん曇っている。


今にも泣きそうな顔だ。


それほどまで悔しいみたいだ。


「ごめんな、俺はもう自分に自信を持ちたくないんだ・・・」


「何で!」


「ほっといてくれ!俺は嫌なんだよ・・・そして自信云々はお前の問題では無い」


輝が美神に初めて見せた顔だ。


そして初めて美神に声を荒げた。


「な、何でなの」


「もうほっといてくれ!帰る!」


そう言うと輝は鞄を持ち急いで教室に帰った。


美神はその様子にとても恐怖や悲しさを覚えた。


その件でわかったのは輝には何か過去を隠していることだ。


(な、なんなのよ・・・輝・・・)


心の中で言葉をこぼすがやはり辛いのは変わらない。


目から涙がこぼれ落ちてきた。


感動では無い、ただ悲しいからだ。


「うぅ、なんなのよ!・・・ごめんうぅ輝」


床に力無くこぼれ落ちただただ涙を零した。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


輝は夕陽がよくさしてある校舎をただただ歩いた。


(自信云々はつけない・・・例え誰に何を言われようとも)


でも少し心に揺るぎが出てくることがひとつある。


帰り際の今にも泣きそうな美神の顔だ。


美神は自分の事のように接してくれた、それは確かに嬉しい。


だが輝はその優しさを裏切った。


輝自身の手で。


(俺は・・・)


夕陽は赤く燃えているがそれに対比するかのように輝は今とても黒い何かに心が包まれている。


(明日、謝らないと)


例えどれだけ言われてもこの件に関しては輝が悪い。


(明日・・・いや、今しかない!)


後回しする癖が今まであったがこの件は早くしないといけないと短い人生の中の勘が言っている。


(居てくれよ美神!)


走って教室に戻った。


教室のドアは開いたままなので心の準備なんかしている間もない。


(今更心の準備とか甘ったれたことは言わない・・・居てくれ美神!俺は謝りたい!)


そう心の中で叫び教室へ入った。


教室に戻ると・・・・・・・・・・・・・・

ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ