犬のおまわりさん
平和になった世界の、緩い勘違い系コメディ
約三か月前、『ザ・ヒーロー』の手により大首領の死刑執行がなしとげられ、
七年にも及んだ『結社』との戦いが終わり、世界は平和になりました。
大首領が倒されたことですべての怪人が『脳改造』から『解放』されました。
もう『結社の命令』に従う必要はないし、結社の命令で悪事を働く必要はありません。
結社は、無くなったのですから。
それに従っていたあなた方は、悪くありません。
無理やり怪人にされた上に結社の『脳改造』のせいでおかしくなっていたのです。
それなのに、何千人もいる『解放された怪人たち』を法律通りに裁く? なんの冗談でしょうか。
結社の怪人の中には善良な市民がたくさんいました。
有名なスポーツ選手がいました、何万人もの人々を魅了したアイドルがいました、
偉大なる軍人がいました、国家に奉仕してきた政治家のご子息がいました、大金持ちの名家のご令嬢がいました。
医者も、学者も、芸術家も、音楽家も、経営者も、他国の王族すらいました。
それを、拉致されて、無理やり怪人にされて、操られていたのに、裁く? ……なんの冗談でしょうか。
そもそも、この国の法律ではこう決まっています。
心神喪失状態の人間の罪は……洗脳状態にある人間の罪は問えない。
戦争状態にあったとき、軍や上官の命令で行った兵士の行為の罪は問えない。
……この二つが合わさって、結論が出ました。
結社に所属し『脳改造』されていた『怪人たち』が結社の命令で行った行為の罪は、問えない。
それがたとえ『どんなに凶悪なものであっても』結社の命令で動いていたのですから、仕方がない。
だから政府は結社の怪人たちが脳改造から解放されているのを確認した後、こんな法律が可決されました。
あなた方怪人が、結社に居たときに行った行為に対する罪は、不問にします。
あなた方の怪人名とコードネームは秘密にいたしますので、これからは、
怪人になる前の本名と経歴のまま、ごく普通の市民として、穏やかに暮らしてください。
……怪人としての力はそのまま残っているけど、決しておかしなことはしないでください。
最強の怪人すら倒した大いなる力を持つ『ザ・ヒーロー』と、
その力の一端を与えられている協力者の方々におおいに配慮し、
更に怪人の皆様方に『不当な差別』を加えることで再び『犯罪行為』に走られてはとても困る、
そんな事情もあって、そういうことに、なりました。
……わたしは、思います。政府はもしかして、バカなんじゃないかと。
わたしは、ついに来てしまったその日を、緊張しながら待ち構えていました。
「つ、ついに……」
わたしが待っているのは、一人の新たな刑事です……本庁初の『怪人』の刑事です。
『協力者』の刑事なら、今までにも何人もいました。
初めての協力者であった『2号』からして本庁の刑事だったのですから、正義感に溢れた刑事たちが何人も志願し、
ともに結社と戦い、殉職者だってたくさん出していますが、今も元気に勤務しています。
ですが、怪人の刑事は今回が初めてです……そもそも結社が崩壊して三か月しか経ってないんですから。
『完全開放』の三日後に、採用時期とか就職活動とか訓練学校とかそう言うものを一切合切無視して、
真新しい履歴書と協力者カードを手にして本人の住所に一番近い署に姿を見せたときには本庁は大混乱になったそうです。
それで面接と試験とお偉いさん方の会議の結果、特例中の特例として、異例のスピードでの採用、勤務が決定しました。
……いつかは来ると思ってたが、まさかこんなに早く来るとは思っていなかったと、伯父様は苦笑していました。
伯父様の姪であるところのわたしは、記念すべき怪人刑事1号の人間のサポート役ということになりました。
……コネって良しあし両方があるんだな、と学んだ瞬間でした。
新しく来る怪人の方は本名、里見里香。
4年前、某公立中学校卒業後、高校に進学せずに不良仲間と遊び歩いていた15歳の頃に失踪……
結社に拉致されて怪人、サージェントウルフに改造される。製造番号7750号。
それから4年間結社に在籍。結社在籍中は命令以外では目立った犯罪歴なし……
と、言うより警察側で怪人に変身した里見さんがどの作戦に参加していたか判別できなかったため、不明。
……ちなみに上記は本人の履歴書に大体記載あったそうです。
中学卒業の下に結社に就職とか、結社滅亡のため結社を退職とか書いてあるのは何かの冗談かと思ったそうです。
果たして、どんな怖い人が来るのかと思っていた、その時でした。
「こんにちわ! 警視庁怪人犯罪対策課怪人係ってここでいいんですよね!?」
やってきたのは、茶色い髪をポニーテールにして、真新しい制服を着た、ちょっと小柄で可愛い女の子でした。
目がくりくりとしていて、実家で飼っている柴犬を思い出させます。
「そうですよ。かわいいでちゅ……ですね。里見ちゃんさん」
……サージェントウルフは、犬扱いされるのをとても嫌うので注意。
そんな事前通達が無ければ、ワンちゃんに話しかけるように話しかけていたかも知れません。
「……いやあ良かった良かった! 自分、今日からここに配属された『怪人』サージェントウルフ7750号、コードネーム、ナナコ!
キックネームは『ハウンドコップナナコ』、あと一応本名は……たしかサトミリカ、で、あってた、はずです!
15の頃から結社に居たんで中卒で19歳独身! ナナコでよろしいです! ども、よろしくお願いするです!」
わたしが犬扱い仕掛けたのは華麗にスルーして、ナナコちゃんは元気に挨拶をしてきます。お辞儀が九十度です。
……正直、とてもかわいいです。
わたしが産まれて初めて生で見る『怪人』は思ったよりもずっと付き合いやすそうだと思いました。
そして、勤務三日目。
「思ったよりずっと楽っすねえ。婦警って」
勤務中にわたしの前で平気でスマホをいじりだすナナコさんの態度は、とてもでかくなっていました。
「あの、ナナコさん。もうちょっと礼儀正しく。あとスマホとかは勤務中は」
「あ、お茶入れてくれるっすか? 珈琲ミルク多めの砂糖多めで」
……どうやらナナコさんは、4歳年上で、大学を卒業して、1年先輩であるわたしのことを舐め切っています。
思えば犬……もとい狼はとても序列に厳しい、と聞いたことがあります。
ナナコさんの中で、私の序列は『下』に決まってしまったようなのです。
「どうぞ」
わたしは注意せねばと思いながらミルクと砂糖たっぷりの珈琲を出しました。
相手は本庁で初めての怪人の刑事です。
多くの怪人は結社で青春時代を過ごしたため、社会常識にやや疎い傾向があると聞いたことがあります。
……更に言えば、例え戦闘員を除けば最弱のサージェントウルフと言っても怪人は人間ならば簡単に殺せるほど強いとも聞きます。
ですが、伯父様に頼まれているのです。注意せねばなりません……とても勇気がいりますが!
「そ、その勤務態度はあまり褒められたものではありません。その、わたしの報告次第では減給ですとか叱責ですとかされかねませんよ?」
「いやあ、多少無礼働いても首が物理的にすっ飛ばねえと分かっちゃうとどうしても気が抜けるっすよね!」
……怪人ジョーク? まさか、わたしなりの注意にいきなり冗談で返されるとは思いませんでした。
「公務員は、一回なっちまえばこっちのもんっす! 前世の知識は意外と当てにしてもよさそうっす!
一日八時間、適当に仕事しているだけで衣食住保証で活動費今までの何倍も貰えるとか、最高っすね!
泥水啜ってでも生き延びてやるってハウンドコップナナコなんてプライドたたき売りしたクソ見てえな名前つけた甲斐があったっす!」
……なにかこう、おかしい気がします。
ここは、ちゃんと社会常識と言うものを教えてあげなければ、そう思った時でした。
「はい。こちら7750号……もといハウンドコップナナコです。何かありましたか?」
電話が鳴った瞬間、人間では対応できない速度で電話に出たナナコさんが対応します。
「はい! ……はあ。怪人が、銀行強盗やらかしたんで応援こい。了解っす」
その電話の内容だけで、大体のことは分かりました……初仕事が怪人の銀行強盗とか、ハードル高くありませんか?
「……ちなみに、何の怪人か分かるっすか? サジェウルだと個人的にうれしいんすけど」
とは言えさっきまでのだらけた態度が消え、引き締まった真剣な顔で質問していきます。
「……了解っす。分かってるっす。自分、覚悟決めて婦警になってるんで」
……あ、何か泣きそうな顔になりました。
「……はぁ。仕事決まったっす。アンタ、行くっすよ」
ため息とともに、わたしにナチュラルにタメ語で声をかけてきます。
「えっと、どこでどのような?」
「近所の正義銀行にバクダン……バーサークタウロスが立てこもったそうっす。それを解決しろって」
詳しい話を聞こうとして返ってきた答えに、わたしは凍り付きました。
「……応援では?」
「いや、分かってるっす。サジェウルごときにこんだけ待遇良くしてんだから、バクダンの一つや二つ処理して見せろって話っす」
わずかな希望と共に聞いた答えに、ナナコさんは肩を竦めてちょっと常軌を逸した答えを返してきました。
……伯父様、初めての怪人刑事を3日で殉職させるのは、その、とても問題だと思うのですが。
「……バーサークタウロスって『ザ・ヒーロー』でも苦戦したB級怪人なんですが」
そう、B級怪人バーサークタウロスと言えば、狂暴なことで有名な怪人です。
確か、B級以上の協力者が戦うのが推奨で……サージェントウルフでは、とても勝ち目が無い、と。
「……『テツジン』レベルが出たら流石に自分、割に合わねえんで全力で逃亡するっすよ?」
……無茶はしない。勝てなさそうなら、逃げる。どうやらナナコさんもそう言う認識でいるみたいです。
「分かりました。現場に向かいましょう」
それならば大丈夫です。多分、きっと。わたしはそう信じて、現場に向かうことにしました。
「到着しました!」
「着いちまったっすねぇ……」
わたしが運転するパトカーで駆け付けた現場で、ナナコさんは全力でやる気が無い空気を醸し出していました。
何と言うか、本当は行きたくない雰囲気満載です……わたしもですが。
「オラぁ!さっさと金と逃走用の車用意しろ!全員殺すぞぉ!」
現場では、銀行に立てこもった犯人が大声を上げていました。
武器はありません。素手です……怪人には、必要ない、そう言うことでしょう。
大きな角と、白黒のまだら模様の手足。
伝承の『鬼』のようにも見えると噂されるバーサークタウロスの最大の武器は、その肉体。
銃弾すらはじき返し、また再生するという恐ろしく強靭な肉体と、車でも簡単に投げられるパワー。
その強さはA級怪人にすら匹敵するというバーサークタウロスは、末期の結社では沢山作られ、多くの協力者と市民の命を奪ってきたのです。
「……バクダンのくせに車なんざ用意させようとしてる時点で最大でも並レベルくらいっすかねえ」
ですが、そのバーサークタウロスを見ても、ナナコさんは落ち着き払っていました……まるで、慣れてる。とでも言うように。
「あの、あなた方は?」
「どもっす。ハウンドコップナナコっす。名前の通りの吹けば飛ぶようなサジェウル……サージェントウルフっす」
わたしたちを見た制服の警官が、不安と不信感を漂わせながらしてきた質問に、ナナコさんが答えました。
人間では対応不能な怪人なのに、人間しかいないというのはとても不安になると聞いたことがあります。
「……ああ、本庁からの応援で、確かに、サージェントウルフだという」
現場の警官の方の言葉には、安心と一緒に、ちょっとだけ残念な気持ちが垣間見えました。
待っていた応援が、C級怪人サージェントウルフ。あまり事件解決の役には立たなさそうだと思ったのでしょう。
「……見てのとおりです。人質を取って立てこもっています。角と、手足の毛色からしてバーサークタウロスだそうです」
「命令は理解したっす。人質に被害出さないで、犯人殺さずに捕縛すればいいんすね?
……バクダン相手に建物壊すな、は自分の実力だとちょっと無理くさいんすけど」
こんな女の子に言うのは嫌だけど仕方ないと言った空気の現場の方の説明を聞き、ナナコさんはすらすらと答えて見せます。
それは二年目の自分よりはるかになれているように感じます……結社で『四年』働いていたんでしたっけ。
「……理解しています。銀行側からは建物側の被害については問わないと言われています。人質救出が優先だと」
ナナコさんのちょっとベテランな感じの質問に、現場の方が居住まいをただして答えました。
怪人を相手にするなら、多少の被害は覚悟しないといけないというのは、結社との戦いで誰もが理解していることです。
「あの、他の協力者の方々は?」
「……それが、今ちょうど出払っているので、来るのに1時間はかかると」
わたしの質問に現場の方が答えにくそうにしながら、言います……実際は、多分誰が行くか揉めてるんだろうなと思います。
パワーに特化したバーサークタウロスは、人間どころか協力者ですら一瞬でミンチにしてしまうという恐ろしい怪人ですから。
「……まあ分かってたっす」
「バーサークタウロス相手となると、やはりしり込みしちゃいますよね。わたしたちも無理せずに」
どうやら、ナナコさんも同じ気持ち……そう、思っていました。
「自分、これでも単独任務はそこそここなしてるっす」
「……え?」
ですが、なにかこう、大きな齟齬があったようです。ナナコさんはその場で『変身』して二本足で歩く大きな犬、もとい狼の姿に変わりました。
髪の色と同じ、茶色い狼です……どこか愛嬌があるように思えるのは、普段のナナコさんを知っているからでしょうか。
身体が物理的に膨らんだナナコさんに合わせて伸縮した、協力者向けの制服を着込んだナナコさんはとても『ハウンドコップ』でした。
「じゃあ、ちょっと制圧してくるっす。サポートは……アンタどうも素人くさいんで、あんまり期待しねえでおくっす」
「ひどっ!?」
「あ、ちょっと!?」
先輩への敬意を欠片も感じない言葉と共に、ナナコさんは駆け出し……ガラスをぶち破って侵入しました。
人間なら血まみれですが、流石にそこは怪人らしく、傷一つついていません。
「な、なんだテメエ!?」
「見ての通りっす。サージェントウルフ7750号、コードネーム、ナナコ。大人しく逮捕されろっす」
突然の乱入に呆然としている間に素早く犯人の近くにいた人質を『攫った』ナナコさんが名乗りました……とてもやる気なさげに。
「ふ、ふざけんなよ!?」
「や、まあとりあえず人質攫ったからちょうどいいかなって。銃器とか石とか持ってたらもっと警戒したっすけど。
……どうも並以下レベルっぽいっすね、アンタ」
見る見るうちに顔をこわばらせる犯人に対して、ナナコさんは人質をそっと下ろし、言い放ちました。
見ているこっちがハラハラするほど、無礼な態度で。
「はぁ!?……つぅかサージェントウルフってつまりは消耗品じゃねえか」
「いやまあ、それは自分が一番よく分かってるっす……御託はいいから、かかってこいっす!
自分、スピードはまあまあ自信あるっす! バクダンの攻撃の一つや二つ、かわして見せるっす!」
犯人のあざけるような罵声を受け流し、スッと堂に入った構えで真剣な表情になります。
それだけで今まで漂っていた犬の雰囲気が消え、猟犬になったことを感じさせました。
「俺様はなあ! B級怪人バーサークタウロス367号だぞ! てめえらC級の犬っころとは出来が違うんだよ!」
「……ええー。なんだビビって損したじゃないっすか」
そして、見ました。犯人がその言葉を言った瞬間、いきなり犬に戻るのを。
「……なんだと?」
「コードネームもねえ、訓練未了のバクダンなんざゴミっすよ。ゴミ。いわゆる不発弾っすね」
だらけた空気のまま、ナナコさんが言い切りました。
その次の瞬間、犯人の顔が真っ赤になり、殴り掛かって行くのが、見えます。
「……てめえ! 死ね!」
「……パワーがあって、タフなだけでクッソ不器用なバクダンのパンチなんざ、どっちかと言うとスピードタイプのサジェウルに当たると思うんすか?」
怪人であっても当たれば一発で即死する攻撃を、ナナコさんは避けられて当然とでもいうように回避しました。
まるで、流れるような動きです……里見さん、別に武術とかやってるって記録は無かったはずなんですが。
「クソ! 犬っころ風情が調子に乗るなよ!?」
二回、三回……何度攻撃しても当たらない。そののことに犯人がどんどんと怒りを募らせていくのが分かります。
「テメエこそ、ちょっとバクダン適正あっただけのモヒカンもどきの不発弾風情が、プロのサジェウルに勝てると思うなよっす!」
そして、最後の完全に煽ってるとしか思えないトドメの言葉を放った瞬間。
「……ぐう。ぐああああああああああああああ!」
犯人が、ついに、キレてしまいました!
「な、ナナコさん! 気をつけてください! 対象、《肉体狂化》しました!」
思わずナナコさんに持たせていたインカムでナナコさんに伝えます。
「……いや、見りゃ分かるっす。つかバクダン処理は《肉体狂化》してからが本番じゃないっすか」
それに対するナナコさんの回答は、すごく平然としていました。
バーサークタウロス最大の特徴、肉体狂化が発動してしまったのですよ!?
それをなんでそんな呑気に構えてるんですか!?馬鹿なんですか!?死ぬ気ですか!?
わたしは急いで応援を呼ぶ準備をします……ナナコさん死なせるわけにはいかないので!
「ど、どうするんですか?」
バーサークタウロス逮捕の際は、出来るだけ刺激せず……具体的に肉体狂化を発動させずに。
その鉄則をさっくりと無視したナナコさんに恐る恐る聞きます。
「……もちろん、逃げるっす!」
そしてやたらさわやかな声と共に尻尾を巻いて逃げました。銀行の奥の方に。すごい勢いで。
「がああああああああああああああああ!」
それを追い、あらゆるものを蹴散らしながら犯人が追いかけていきます……何が起こったのか分からない。そんな人質を残して。
「あ、そうだ。アンタ、今のうちに市民の皆さん避難させろって他の人に連絡するっす」
「っ! 分かりました!」
唐突に入った通信に、わたしはわれに返りました。
そうです、ナナコさんが囮を命がけで引き受けてくれている今が人質を逃がすチャンスです。
わたしは急いで外で待機している警官の皆様に、避難誘導を依頼しました。
時々どこかが派手に壊れる音が響き、揺れる銀行の建物から避難が終わり、
一体どの協力者刑事にさっさと応援を寄越せと叫ぶ、いえ、要請するか、そう、考えていたときでした。
「ちぃっす! ハウンドコップナナコっす! お届け物っす!」
ナナコさんは何事も無かったように返ってきました……延長コードかなにかで縛った男を担ぎ上げて。
「……これ、もしかして犯人ですか?」
それはなんと、先ほど奥まで誘導していた、犯人です……まさか、単独で?
「いやあバクダンは起爆したら300秒以内に決着つけないと負けっつう鉄則すら理解してねえ雑魚とか流石に思わなかったっす。
こんなんぶちのめすだけで良いとかやっぱ婦警以外と楽勝かもしんねっす。結社と比べれば天国っすね!」
笑いながら、初めて逮捕した気絶した怪人犯を叩いています。まるで無邪気にボールで遊ぶ、子犬のようです。
……もしかしてナナコさん、ものすごく強いんじゃ?
そう思った瞬間でした。
この女、いろんな意味でレッサー光一郎である。




