表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化&コミカライズ2本】異世界帰りのアラフォーリーマン、17歳の頃に戻って無双する  作者: 遊野優矢


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

365/426

17章:美女とヴァリアント(17)

 オレと由依は、ドアの隙間から中の様子をそっと覗いた。

 ヴァリアントが監禁している少女に、水と缶詰を与えている。

 少女は目が見えないようだ。


 どういう状況だ?

 ヴァリアントが少女を非常食として飼っている?

 いや、そんな面倒なことをするとは思えない。


 少女は衰弱しているというほどでもなく、空腹でちょっとふらついている程度だ。

 監禁されてまだ間もないのだろうか。


「このまま捨てられるのかと思いました」


 少女はヴァリアントを恐れるどころか、その声を聞いて安心しているようだ。

 それにはヴァリアントも面食らったらしい。


「おかしなやつだ」


 そう言ったヴァリアントは、少女が手探りで缶詰を食べるのを見下ろしている。


『ストホかなあ?』


 由依が繋いだ手から念話でオレに訊いていくる。


『すとほ?』

『ストックホルム症候群。誘拐犯となかよくなっちゃうやつ』

『そんな略しかたすんの? その現象』


 有名格ゲーの4作目みたいな略し方だな。いや、その例えも我ながらよくわからんけど。


『ううん、初めて言った』


 急な天然にテンションがついていかないぞ。


 それはともかく、二人にはストホ(使ってみた)になる程度の交流があった。

 すなわち、ヴァリアントがすぐに少女を食べなかったということだけではなく、少女をある程度人間として扱ったということだ。


 ありえるのか?


 スサノオを思い出せばないとは言えないが……。

 オレの予想ではスィアチもかなりの変わり種だしな。


 とりあえず、少女が人質にとられないように救出しておくか。


 オレはドアを蹴破ると同時に少女の横に高速移動。


「なっ!? 速っ!?」


 ヴァリアントが驚く隙に少女を抱えて、由依の隣に戻る。


「この娘をたのむ」

「了解!」


 由依はおろおろする少女を小脇に抱え、屋敷のドアへと向かう。

 最近は神器を身につけていない上半身の身体強化もかなりできるようになってきた。


「させねえよ」


 ヴァリアントが手に魔力を集中させ、ぞうきんを捻るような動作をした。


 その瞬間、時空が歪んだ。


 視界の歪みが少女に向かって収束したかと思うと、少女の姿が消えた。


「転移タイプだと!?」


 これだけ一瞬で他者を瞬間移動させた上、少女を抱えていた由依に何の影響もない精度となると、かなりの高等技術だ。

 回数制限や下準備など制約はあるだろうが、やっかいなことに違いはない。

 双葉を連れてくるべきだったかもしれない。


 一番驚いたのは、その能力を逃亡ではなく少女に使ったことだが。


新連載「おまえも僕の姫騎士にしてやろうか」を投稿開始しました。

そちらもぜひ応援よろしくお願いします!


ブックマーク、高評価での応援をなにとぞ! なにとぞよろしくお願いいたします!

(この下にある★5をぽちっと)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ