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【書籍化&コミカライズ2本】異世界帰りのアラフォーリーマン、17歳の頃に戻って無双する  作者: 遊野優矢


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16章:ヴァリアント・ザ・オリジネーション(19)

「気付いてしまったね」


 平坦な声でそう言ったカルロの顔から、表情が消えた。


 その直後、礼拝堂に白い法衣の老人達が現れた。

 その数10人。

 彼らは礼拝堂の壁沿いに等間隔に並び、手に持つロザリオに魔力を集中していく。

 あのロザリオ、神器か!


 魔力の波動から察するに、効果は結界系だ。


 システィーナの件で、ここがまともな組織でないことは十分にわかった。

 彼らがどうするつもりなのかだが……。


「司教様! おやめください!」


 カルロが叫ぶ。

 司教といえば、トップクラスのお偉いさんだ。

 それが10人も揃うとは、かなりの戦力投入である。

 位が高ければ強いとは限らないのだろうが、少なくともここにいる連中は、なかなかの魔力だ。


「う……く……」

「システィーナ!」


 苦しみ出したシスティーナにカルロが駆け寄る。

 オレもそれに続く。


「何をされている!?」

「司教様達の神器は、特定の魔力に波長を合わせ、共鳴を起こせるんだ。本来は集会で参加者の意識を統一させたり、強い共鳴を起こしてヴァリアントにダメージを与えるのに使うんだ」

「今は?」


 『核』の反応を見れば、おおよその想像はつく。


「システィーナの『核』と共鳴させて、自壊を促してる」

「くっ……」


 やはりそうか。


 オレは司教達からシスティーナ達を護るように結界を展開した。

 司教達の攻撃が由依、美海、カルロにさほど効果があるとは思えないが念の為だ。


 システィーナは!?


「くっ……うっ……」


 少し落ち着いたが、まだ苦しんでいる。

 『核』に共鳴の効果が残っているのか。


 オレはシスティーナの胸に手を起き、『核』を落ち着かせようとする。

 やりすぎると心臓としての機能まで止めてしまう。


 ゆっくりだ……だが、可能な限り急ぐ。

 いずれにせよ、このままではシスティーナの体が保たない。


 結界が軋む。

 急造ではあるが、ダークヴァルキリーやヴァリアント程度では、千体かかってきてもびくともしない強度がある。

 力で押されているわけではない。

 ロザリオの神器を、オレの結界に向けているのだ。


『この10人で破壊できない結界とは、噂以上だね』


 礼拝堂内にあるスピーカーから響いたのは、懺悔室で聞いた声だ。

 姿はおろか、気配もない。

 放送設備を使っているのだろう。


 システィーナを殺せと言った声である。


ここまでお読み頂きありがとうございます。

続きもお楽しみに!


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