10章:テーマパーク(15) SIDE 宇佐野
SIDE 宇佐野
あんな化物をみたのだ。
命がかかっていることなんてわかってる。
でも私は、ここで退いたら一生後悔すると感じたのだ。
死んだように毎日に流されるよりも、素敵な未来が開けると思った。
ただ、難波君から聞いたのは、想像よりもずっと恐ろしい話だった。
人間が喰われてる?
喰われた人は記憶から消える?
『組織』というのが世界中にあって、ヴァリアントと戦ってる?
この目でヴァリアントを見なければ、作り話だと思っただろう。
でもあれは夢などではなかったし、今も私は変身したままだ。
「今の話を聞いてもやめる気は?」
「ないよ」
「そうか……わかった。じゃあ、しばらくお試しってことで、修行とヴァリアント狩りをしよう」
「はい! よろしくお願いします!」
難波君は困ったように頭をかいた。
この優しそうな彼が、学校や街を護ってくれていたかと思うと、余計に愛おしくなり、体の奥がじんじんと熱くなる。
「ねえ難波君……なんだか……体が熱いの……」
私は思わず難波君に体を密着させていた。
おかしい、いつもエッチな妄想はしてしまうけど、こんなに自分を抑えられなくなるなんて。
「ちょっと宇佐野さん! そんな半裸みたいな格好でカズにくっつかないで!」
「ええ~?」
いつもなら恥ずかしさで逃げ出してしまうだろうに、今の私は白鳥さんに微笑むと、より難波君に体を密着させた。
「ねえ……熱いの……助けて……」
私の唇が難波君の顔のすぐ傍にある。
「ちょっとカズ……これって……」
「ああ、神器の影響だな。というか、彼女の魔力の源はコレなんだろ」
「うわぁ……」
むう、難波君てば冷静なんだから。
白鳥さんはちょっとひいてるし。
なんだっていうの?
もっとくっついちゃうんだから。
ぺろりと難波君の頬を舐めると、彼は私の頭を抱き寄せてくれた。
彼の指がカチューシャに触れたとたん、私の全身を快楽が貫いた。
「んんっ! ああああぁうっ!」
私の体はビクビクと痙攣し、くたりと難波君にもたれかかった。
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