表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化&コミカライズ2本】異世界帰りのアラフォーリーマン、17歳の頃に戻って無双する  作者: 遊野優矢


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

108/426

7章:オレにとってはぬるキャン△(12)

 このキャンプ場のウリの一つに、秘湯温泉がある。

 ただし、露天風呂が一つだけ。

 男女は時間をずらして入ることになる。

 今は高校生女子の時間だ。


「アニキ、覗きに行きましょう!」


 爽やかにそう提案してきたのは、真田である。

 風呂の覗きなど、もともと犯罪ではあるのだが、この時代はまだフィクションでなら許される風潮が残っていた。

 もとテロリストの高校生が、女子風呂に突入するなんてアニメが放送されていたのを思い出す。

 いずれにせよ、現実ではダメゼッタイ。


「やめとけ。殺されるぞ」

「でもお姉様達の裸、見たいっす!」


 正直過ぎだろ。

 かと言って、他の男に由依の裸を見せるわけにはいかない。

 

「こそこそ覗きなんてやめておけ。女の裸を堂々と見られる男になれよ」

「はっ……なるほど! そうっすね! さすがアニキっす!」


 オレの言葉に謎の感銘を受けた真田は、どこかへ走り去って行った。

 素直なのは良いのだが、なんだろう……ものすごく不安だ。


「「「キャー!!」」」


 風呂の準備をしていると、温泉の方から、女子の悲鳴が響いた。

 ヴァリアントか!?

 オレは周囲に視線がないことを瞬時に確認し、露天風呂の直上10メートル付近へと跳んだ。

 よく考えると、命の危機を感じたというより、怒りと恥ずかしさからくる悲鳴だった気がするが、跳んでしまったものはしょうがない。


 オレは空中で急ブレーキ。

 露天風呂の湯には由依を含めた三人が入っている。

 当然、タオルは湯に浸していないので、オレの視力なら細部まで見え――すごい……湯船に浮いて……ごくり……はっ!?

 慌てて視線を逸らすが、見えてしまったものはしょうがない。

 不可抗力である。


 脱衣所の掘っ立て小屋の窓から、そちらの中も見えた。

 そこには、下着姿の名も知らぬ女子高生と、真田の姿があった。

 あいつ、堂々と見ろの意味を勘違いしやがったな!?


 とりあえず由依の裸は見てないな。

 もし見ていたらただではすませられないところだった。


 オレは極小の魔力弾を、僅かな窓の隙間から10メートル先の真田の額目がけて放った。

 威力の低い高速弾を正確に飛ばすのは難易度が高いのだが、異世界で厳しい基礎修行をつけられたのが役に立った。


 魔力弾を受けた真田は、見事に白目を剥いてひっくり返った。

 ひとまずこれで騒ぎは収まるだろう。

 真田がどんな目にあうかは気にしないことにする。

 オレは悪くないぞ。



 う……由依と目が合った……。

 この距離で気付くとは流石じゃないか。


 ……ほんとごめんなさい。




ここまでお読み頂きありがとうございます。

続きもお楽しみに!


ブックマーク、高評価での応援をなにとぞ! なにとぞよろしくお願いいたします!

(この下にある★5をぽちっと)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ふもっふ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ